投稿者: kariru0916

  • 抵当権と根抵当権の違い|民法第369条・第398条の2の原文と、極度額・元本確定の意味

    抵当権と根抵当権の違い|民法第369条・第398条の2の原文と、極度額・元本確定の意味

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    不動産を担保に入れる話になると、契約書や登記の書面に「抵当権」と「根抵当権」という、よく似た2つの言葉が出てきます。1字違うだけですが、条文の置き場所も、書かれている中身も別ものです。

    先に結論:抵当権は「その1本の債権」を担保する権利で、根拠は民法第369条。根抵当権は「一定の範囲に属する不特定の債権」を「極度額」の限度で担保する権利で、根拠は民法第398条の2第1項です。前者には登記事項として債権額が並び、後者には担保すべき債権の範囲及び極度額が並びます(不動産登記法第83条第1項第一号/第88条第2項第一号)。手元の書面がどちらの型かは、この欄の名前で読み分けられます。

    この記事は、e-Gov法令検索が配信する民法・不動産登記法・登記手数料令・貸金業法の法令データと、法務省・法務局が公表しているページだけを根拠に、条文がこの2つをどう書き分けているかを確認した記録です。どちらが有利か・どちらを選ぶべきかという話は、条文に定めがないため扱いません。各社の商品でどちらが設定されるかも、公表された一次情報がないため記載なしとします。

    1. 条文の置き場所からして違う

    民法の第二編「物権」には第十章「抵当権」という章があり、その中がさらに節に分かれています。実査した法令データのツリーをたどると、位置関係は次のとおりでした(2026年9月12日確認)。

    条文章・節見出し(原文)
    第369条第十章 抵当権 > 第一節 総則(抵当権の内容)
    第373条・第375条第十章 抵当権 > 第二節 抵当権の効力(抵当権の順位)/(抵当権の被担保債権の範囲)
    第396条第十章 抵当権 > 第三節 抵当権の消滅(抵当権の消滅時効)
    第398条の2 〜 第398条の22第十章 抵当権 > 第四節 根抵当(根抵当権)ほか
    e-Gov法令検索「民法」の法令データから、各条が属する章・節を確認(2026年9月12日確認)。第四節 根抵当に置かれている条は21か条。

    まず第369条が、抵当権そのものを定義しています。

    第一項「抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。」
    第二項「地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。この場合においては、この章の規定を準用する。」

    ポイントは「占有を移転しないで」です。担保に入れても、その不動産を使い続けられる。そして「他の債権者に先立って」=優先弁済を受けられる。この優先順位は第373条が「同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による。」と定めています。

    一方、根抵当権は第398条の2第1項です。

    「抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。」

    条文は「抵当権は……ためにも設定することができる」と書いています。根抵当権は抵当権とまったく別の権利として新設されたのではなく、抵当権の一形態として第十章の中に置かれている、という組み立てです。同条第2項が「前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)」と略称を与えています。

    なお抵当権の側には、第396条が「抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しない。」という定めを置いています。担保される債権と抵当権が一体で扱われていることが、条文からも読み取れます。

    e-Gov法令検索「民法」(明治二十九年法律第八十九号)第369条・第373条・第396条・第398条の2 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(2026年9月12日確認)

    2. いちばんの違いは「債権額」か「極度額」か

    抵当権には、担保される債権が1本あります。だから登記にも「債権額」が書かれます。根抵当権には、担保される債権があらかじめ特定されていません。代わりに上限の枠=極度額が書かれます。

    その枠がどこまでを飲み込むかを定めているのが第398条の3第1項です。

    「根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができる。」

    ここが抵当権との分かれ目です。抵当権のほうは、第375条第1項が次のように制限しています。

    第一項「抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。ただし、それ以前の定期金についても、満期後に特別の登記をしたときは、その登記の時からその抵当権を行使することを妨げない。」
    第二項「前項の規定は、抵当権者が債務の不履行によって生じた損害の賠償を請求する権利を有する場合におけるその最後の二年分についても適用する。ただし、利息その他の定期金と通算して二年分を超えることができない。」

    つまり抵当権は「利息は最後の2年分まで」という上限の引き方、根抵当権は「元本も利息も損害賠償も全部まとめて、極度額まで」という上限の引き方です。同じ「担保の上限」でも、数え方の設計が違います。

    比べる点抵当権根抵当権
    根拠条文民法第369条民法第398条の2第1項
    担保される債権特定の債権一定の範囲に属する不特定の債権
    上限の書き方債権額(登記事項)極度額(登記事項)
    利息・損害賠償の扱い最後の二年分について行使できる(第375条)確定した元本・利息等の全部を極度額を限度として行使できる(第398条の3第1項)
    上限額の変更条文に「極度額の変更」に当たる規定は置かれていない利害関係を有する者の承諾を得なければ、することができない(第398条の5)
    順位登記の前後による(第373条・根抵当権も第十章の抵当権)
    民法第369条・第373条・第375条・第398条の2・第398条の3・第398条の5の原文から作成(2026年9月12日確認)。優劣や有利・不利を示すものではありません。

    極度額を動かしたいときの条文が第398条の5です。「根抵当権の極度額の変更は、利害関係を有する者の承諾を得なければ、することができない。」——枠を広げるにも狭めるにも、後順位の担保権者などの承諾が要る、という設計になっています。

    e-Gov法令検索「民法」第375条・第398条の3・第398条の5 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(2026年9月12日確認)

    3. 「何でも担保」は条文が禁じている——債権の範囲

    「不特定の債権を担保する」と聞くと、その人と自分の間のあらゆる債務が無制限に入るように読めます。しかし第398条の2第2項は、そこに枠をはめています。

    第二項「前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。」

    「限定して、定めなければならない」。つまり債権の範囲は登記され、そこに書かれた取引から生じる債権だけが枠の中に入ります。第3項は、この原則の例外として「特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権、手形上若しくは小切手上の請求権又は電子記録債権(電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子記録債権をいう。次条第二項において同じ。)は、前項の規定にかかわらず、根抵当権の担保すべき債権とすることができる。」と定めています。

    この範囲は後から動かせます。第398条の4は次のとおりです。

    • 第一項「元本の確定前においては、根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をすることができる。債務者の変更についても、同様とする。」
    • 第二項「前項の変更をするには、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しない。」
    • 第三項「第一項の変更について元本の確定前に登記をしなかったときは、その変更をしなかったものとみなす。」

    極度額の変更(第398条の5)は利害関係人の承諾が要るのに、債権の範囲・債務者の変更(第398条の4第2項)は承諾が要らない。枠の大きさは他人の利害に直結するが、枠の中身の入れ替えは枠を超えないから——という条文の書き分けになっています。ただし第3項のとおり、登記をしないまま元本が確定すると、その変更はなかったものとみなされます。

    e-Gov法令検索「民法」第398条の2第2項・第3項・第398条の4 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(2026年9月12日確認)

    4. 「元本確定」とは何が起きることか

    根抵当権の条文には「元本の確定前」「元本の確定後」という表現が繰り返し出てきます。元本確定=それ以降に生じる債権は、もうこの枠に入らなくなる時点のことです。出入り自由だった枠が締め切られ、中身が固定されます。

    あらかじめ期日を決めておく場合(第398条の6)

    • 第一項「根抵当権の担保すべき元本については、その確定すべき期日を定め又は変更することができる。」
    • 第三項「第一項の期日は、これを定め又は変更した日から五年以内でなければならない。」
    • 第四項「第一項の期日の変更についてその変更前の期日より前に登記をしなかったときは、担保すべき元本は、その変更前の期日に確定する。」

    請求で確定させる場合(第398条の19)

    • 第一項「根抵当権設定者は、根抵当権の設定の時から三年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができる。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時から二週間を経過することによって確定する。」
    • 第二項「根抵当権者は、いつでも、担保すべき元本の確定を請求することができる。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時に確定する。」
    • 第三項「前二項の規定は、担保すべき元本の確定すべき期日の定めがあるときは、適用しない。」

    担保を提供した側(根抵当権設定者)は設定から3年を待つ必要があり、確定まで2週間かかる。担保を取った側(根抵当権者)はいつでも請求でき、その場で確定する。条文は左右対称ではありません。そして確定期日が定めてある場合、この確定請求の規定は適用されません(第3項)。

    一定の事由が起きて確定する場合(第398条の20第1項)

    号元本が確定する場合(原文の要旨)
    一根抵当権者が抵当不動産について競売若しくは担保不動産収益執行又は第372条において準用する第304条の規定による差押えを申し立てたとき。ただし、競売手続若しくは担保不動産収益執行手続の開始又は差押えがあったときに限る。
    二根抵当権者が抵当不動産に対して滞納処分による差押えをしたとき。
    三根抵当権者が抵当不動産に対する競売手続の開始又は滞納処分による差押えがあったことを知った時から二週間を経過したとき。
    四債務者又は根抵当権設定者が破産手続開始の決定を受けたとき。
    民法第398条の20第1項第一号〜第四号(2026年9月12日確認)。同条第2項は、第三号の競売手続の開始・差押えまたは第四号の破産手続開始の決定の効力が消滅したときは確定しなかったものとみなす旨(ただし書あり)を定めています。

    相続・合併があった場合(第398条の8・第398条の9)

    第398条の8は、元本の確定前に根抵当権者や債務者について相続が開始したとき、相続開始の時に存する債権・債務のほか、合意により定めた相続人が相続開始後に取得・負担する債権債務も担保する、と定めます。ただし第4項は「第一項及び第二項の合意について相続の開始後六箇月以内に登記をしないときは、担保すべき元本は、相続開始の時に確定したものとみなす。」としています。

    合併の場合は第398条の9で、根抵当権設定者は元本の確定を請求でき(第3項)、その請求があったときは合併の時に確定したものとみなされます(第4項)。この請求は「根抵当権設定者が合併のあったことを知った日から二週間を経過したときは、することができない。合併の日から一箇月を経過したときも、同様とする。」(第5項)と期間が区切られています。

    e-Gov法令検索「民法」第398条の6・第398条の8・第398条の9・第398条の19・第398条の20 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(2026年9月12日確認)

    5. 確定の前と後で、できることが入れ替わる

    根抵当権の条文群は、「元本の確定前ならできる/できない」「元本の確定後ならできる」がはっきり書き分けられています。実査した条文を並べると次のとおりです。

    条文タイミング内容(原文の要旨)
    第398条の4第1項元本の確定前担保すべき債権の範囲の変更ができる。債務者の変更も同様
    第398条の7第1項元本の確定前根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない。債務者のために又は債務者に代わって弁済をした者も同様
    第398条の7第2項元本の確定前債務の引受けがあったとき、根抵当権者は引受人の債務について根抵当権を行使することができない
    第398条の11第1項元本の確定前根抵当権者は第376条第1項の規定による根抵当権の処分をすることができない(その根抵当権を他の債権の担保とすることは妨げない)
    第398条の12第1項元本の確定前根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権を譲り渡すことができる
    第398条の21第1項元本の確定後根抵当権設定者は、極度額を「現に存する債務の額」+「以後二年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務の不履行による損害賠償の額」に減額することを請求できる
    第398条の22第1項元本の確定後現に存する債務の額が極度額を超えるとき、物上保証人や抵当不動産について所有権等を取得した第三者は、極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して根抵当権の消滅請求ができる(その払渡し・供託は弁済の効力を有する)
    民法第398条の4・第398条の7・第398条の11・第398条の12・第398条の21・第398条の22(2026年9月12日確認)。

    第398条の7第1項は、抵当権との対比で効いてきます。ふつうの抵当権は債権にくっついて動きますが、根抵当権は元本が確定するまで特定の債権と結びついていないため、債権だけを譲り受けた人が根抵当権を使うことはできない、と条文が明言しています。

    逆に確定後は、枠が固定される代わりに設定者側の手当てが用意されます。第398条の21第1項の減額請求と、第398条の22第1項の消滅請求です。とくに後者は「極度額に相当する金額を払い渡し又は供託」すれば、現に存する債務の額が極度額を超えていても根抵当権を消せる、という構造になっています。

    なお、不動産を担保として提供する立場と、保証人になる立場は別の制度です(→保証人になる前に確認すること)。契約前に渡される書面そのものの確認は貸金業法16条の2・17条の書面交付義務にまとめています。

    e-Gov法令検索「民法」第398条の7・第398条の11・第398条の12・第398条の21・第398条の22 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(2026年9月12日確認)

    6. 手元の不動産がどちらの型か——登記事項証明書で確かめる

    抵当権と根抵当権は、登記に書かれる項目そのものが違います。不動産登記法を原文で見ると、こうなっています。

    条文登記事項(原文の要旨)
    第83条第1項先取特権、質権若しくは転質又は抵当権の登記の登記事項=第59条各号のほか、一 債権額(一定の金額を目的としない債権については、その価額)/二 債務者の氏名又は名称及び住所/三 所有権以外の権利を目的とするときは、その目的となる権利/四 二以上の不動産に関する権利を目的とするときは、当該二以上の不動産及び当該権利/五 外国通貨で第一号の債権額を指定した債権を担保する場合の本邦通貨で表示した担保限度額
    第88条第1項抵当権(根抵当権を除く)の登記事項=第59条各号及び第83条第1項各号のほか、一 利息に関する定めがあるときはその定め/二 民法第375条第2項に規定する損害の賠償額の定めがあるときはその定め/三 債権に付した条件があるときはその条件 ほか
    第88条第2項根抵当権の登記事項=第59条各号及び第83条第1項各号(第一号を除く。)のほか、一 担保すべき債権の範囲及び極度額/二 民法第370条ただし書の別段の定めがあるときはその定め/三 担保すべき元本の確定すべき期日の定めがあるときはその定め/四 民法第398条の14第1項ただし書の定めがあるときはその定め
    不動産登記法第83条・第88条(2026年9月12日確認)。第88条第1項の括弧書きは、根抵当権を「民法第398条の2第1項の規定による抵当権」と定義したうえで第1項の対象から除いています。

    注目したいのは第88条第2項の「第83条第1項各号(第一号を除く。)」という括弧書きです。第一号は「債権額」。根抵当権の登記事項からは、債権額が外されています。代わりに第2項第一号の「担保すべき債権の範囲及び極度額」が入る。だから登記の欄に「債権額」とあれば抵当権、「極度額」と「債権の範囲」が並んでいれば根抵当権、という読み方ができます。「確定期日」の欄(第2項第三号)が見えるのも根抵当権の側です。

    その登記を取る手続は、不動産登記法第119条が定めています。第1項は「何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる。」。第5項は「第一項の交付の請求は、法務省令で定める場合を除き、請求に係る不動産の所在地を管轄する登記所以外の登記所の登記官に対してもすることができる。」と定めています。第4項は手数料の納付方法を収入印紙(法務省令で定める方法で請求するときは現金も可)としています。

    手数料の額は登記手数料令が定めています。第2条第1項は「登記事項証明書……の交付についての手数料は、一通につき六百円とする。ただし、一通の枚数が五十枚を超えるものについては、六百円にその超える枚数五十枚までごとに百円を加算した額とする。」、第3条第1項は電子情報処理組織を使用して行う請求について「一通につき四百九十円(当該登記事項証明書の送付を求める場合にあつては、五百二十円)」と定めています。法務省が公表している「登記手数料について」(令和7年4月1日〜)の表も、書面請求600円/オンライン請求・送付520円/オンライン請求・窓口交付490円と、同じ額を示しています(2026年9月12日確認)。

    法務局「各種証明書請求手続」(ページ内の更新日=2026年2月2日)は、オンライン請求について「交付方法は、郵送又は窓口受取であり、電磁的な登記事項証明書等がオンラインで交付されるものではありません。」と明記しています。また「登記事項要約書は、証明書とは異なるもので、管轄登記所の窓口にしか請求できません。オンライン、郵送による請求はできませんので、インターネットで登記の内容を確認したい場合は、登記情報提供サービスをご利用ください」とも記載しています(2026年9月12日確認)。

    不動産担保ローンと総量規制の関係、および登記事項証明書が保存書類として挙がっている条文は不動産担保ローンと総量規制で扱っています。

    e-Gov法令検索「不動産登記法」(平成十六年法律第百二十三号)第83条・第88条・第119条 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123/同「登記手数料令」第2条・第3条 https://laws.e-gov.go.jp/law/324CO0000000140/法務省「登記手数料について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/TESURYO/index.html/法務局「各種証明書請求手続」 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/category_00002.html(いずれも2026年9月12日確認)

    7. カードローンの「極度額」とは、根拠法が違う

    「極度額」という言葉は、カードローンの説明でも見かけます。同じ言葉ですが、根拠法が違います。本記事の極度額は民法第398条の2第1項の根抵当権の極度額で、カードローンの極度額は貸金業法第2条第7項の「極度方式基本契約」の極度額です。同項の原文は次のとおりです(2026年9月12日確認)。

    「この法律において「極度方式基本契約」とは、貸付けに係る契約のうち、資金需要者である顧客によりあらかじめ定められた条件に従つた返済が行われることを条件として、当該顧客の請求に応じ、極度額の限度内において貸付けを行うことを約するものをいう。」

    一方は不動産に設定する担保権の枠(民法)、もう一方は貸付契約そのものの枠(貸金業法)で、登記されるかどうかも、変更に承諾が要るかどうかも別の条文で決まります。カードローン側の極度額についてはカードローンの極度額と利用限度額の違いにまとめています。年収の3分の1の枠組みは総量規制とはを参照してください。

    e-Gov法令検索「貸金業法」(昭和五十八年法律第三十二号)第2条第7項 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/同「民法」第398条の2 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(いずれも2026年9月12日確認)

    8. 申し込む前に確認しておくこと

    条文の読み分けができたら、次は相手方の確認です。金銭の貸付けを業として行うには貸金業の登録が要ります。登録の有無は金融庁の検索サービスで確認できます(→貸金業者の登録を確認する手順、登録番号チェッカー)。契約前後に交付される書面の記載事項は貸金業法16条の2・17条の書面交付義務に条番号つきで整理しています。

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    よくある質問

    根抵当権は、抵当権とは別の権利ですか?

    民法第398条の2第1項は「抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる」と定め、同条第2項が「前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)」と略称を与えています。条文上は第十章「抵当権」の第四節「根抵当」に置かれた21か条で規律されています(2026年9月12日確認)。

    登記を見て、抵当権か根抵当権かを見分けられますか?

    登記事項が違います。抵当権は不動産登記法第83条第1項第一号の「債権額」が登記事項ですが、根抵当権については第88条第2項が「第83条第1項各号(第一号を除く。)」としたうえで、第一号に「担保すべき債権の範囲及び極度額」を挙げています。第2項第三号には「担保すべき元本の確定すべき期日の定めがあるときは、その定め」も入ります(2026年9月12日確認)。

    「元本確定」とは、条文上どういう意味ですか?

    民法第398条の3第1項は、根抵当権者が「確定した元本」並びに利息その他の定期金及び損害賠償の全部について、極度額を限度として根抵当権を行使できると定めています。確定の時期は、あらかじめ定めた期日(第398条の6。定め・変更の日から五年以内)、確定請求(第398条の19。設定者は設定から三年経過後・請求から二週間、根抵当権者はいつでも・請求の時)、一定の事由(第398条の20第1項第一号〜第四号)によります(2026年9月12日確認)。

    極度額は後から変えられますか?

    民法第398条の5は「根抵当権の極度額の変更は、利害関係を有する者の承諾を得なければ、することができない」と定めています。また元本の確定後については、第398条の21第1項が、根抵当権設定者は極度額を「現に存する債務の額」と「以後二年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務の不履行による損害賠償の額」とを加えた額に減額することを請求できると定めています(2026年9月12日確認)。

    登記事項証明書はいくらで取れますか?

    登記手数料令第2条第1項は一通につき六百円、第3条第1項は電子情報処理組織を使用して行う請求について一通につき四百九十円(送付を求める場合は五百二十円)と定めています。法務省「登記手数料について」(令和7年4月1日〜)の表も、書面請求600円/オンライン請求・送付520円/オンライン請求・窓口交付490円と同じ額を示しています。請求できる者について、不動産登記法第119条第1項は「何人も」と定めています(2026年9月12日確認)。


    出典(主要):e-Gov法令検索「民法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089/同「不動産登記法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123/同「登記手数料令」 https://laws.e-gov.go.jp/law/324CO0000000140/同「貸金業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/法務省「登記手数料について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/TESURYO/index.html/法務局「各種証明書請求手続」 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/category_00002.html(いずれも2026年9月12日確認。各節末に節ごとの出典を記載)

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    最終更新:2026年9月12日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索が配信する民法・不動産登記法・登記手数料令・貸金業法の法令データ、法務省・法務局の公表ページ)のみを根拠に作成しています。条文は2026年9月12日時点で取得した版(民法=施行日2026年6月24日、不動産登記法=施行日2026年6月24日、登記手数料令=施行日2026年4月1日、貸金業法=施行日2025年10月1日)に基づくもので、改正されることがあります。確認できなかった項目は「記載なし」と明記し、推測で補っていません。本記事は法律上の助言ではなく、個別の登記・契約の判断は司法書士・弁護士等の専門家にご相談ください。また特定の金融商品を推奨するものではありません。

  • ビジネスローンとは|本記事で確認した4法令に「ビジネスローン」の定義はない——貸金業法と銀行法の見分け方

    ビジネスローンとは|本記事で確認した4法令に「ビジネスローン」の定義はない——貸金業法と銀行法の見分け方

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    先に結論:本記事で確認した4法令(貸金業法・貸金業法施行規則・銀行法・利息制限法)には、「ビジネスローン」という語も定義も出てきません。この記事のために4法令の条文本文をe-Gov法令検索から全文取得して語を数えたところ、「ビジネスローン」どころか「ローン」という語自体が4法令とも0件でした(2026年9月12日確認)。数えた範囲はこの4法令であり、日本のすべての法令を横断した結果ではありません。

    つまり「ビジネスローン」は各社が付けた商品名です。商品名が同じでも、その裏にある根拠法は同じとはかぎりません。貸金業法第2条第1項は「貸金業」を貸付けを業として行うものと定義したうえで、その第2号で「貸付けを業として行うにつき他の法律に特別の規定のある者が行うもの」を除いています。条文の上では、貸金業法第3条第1項の登録を受けた貸金業者が行う貸付けと、「他の法律に特別の規定のある者」(銀行法第4条第1項の免許を受けた銀行など)が行う貸付けがあるという書きぶりです。この記事は、そのうち貸金業法と銀行法の2つの見分け方だけを条文で扱い、目の前の商品がどちらなのかを登録番号と免許の一覧で確かめる手順に絞ってまとめた記録です。他の法律に特別の規定のある者が行う貸付けの個別の中身や、個社の金利・限度額・審査については扱いません。

    1. 確認した4法令の条文に「ローン」という語は1件もない

    e-Gov法令検索から4つの法令の本文(附則・別表を含む)を取得し、語の出現数を数えた結果は次のとおりです。

    法令(lawId)法令番号「ビジネスローン」「ローン」
    貸金業法(358AC1000000032)昭和五十八年法律第三十二号0件0件
    貸金業法施行規則(358M50000040040)昭和五十八年大蔵省令第四十号0件0件
    銀行法(356AC0000000059)昭和五十六年法律第五十九号0件0件
    利息制限法(329AC0000000100)昭和二十九年法律第百号0件0件
    e-Gov法令検索で取得した各法令の本文を対象に数えた(2026年9月12日確認)。数えた範囲はこの4法令であり、日本のすべての法令を横断した結果ではありません。

    条文が使っているのは「ローン」ではなく「貸付け」という語です。貸金業法第2条第1項は、金銭の貸付けや金銭の貸借の媒介を「以下これらを総称して単に『貸付け』という」と定めています。商品名は自由に付けられますが、規制の側は商品名ではなく「貸付けを業として行うか」で線を引いている、という構造です。

    金融庁も、貸金業法について「貸金業法とは、消費者金融などの貸金業者の業務等について定めている法律です」と説明し、平成18年12月に改正法が成立、平成22年6月18日に完全施行された旨を記載しています(同庁ページ・2026年9月12日確認)。ここでも主語は商品ではなく業者です。

    e-Gov法令検索「貸金業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/金融庁「多重債務者対策・貸金業法等について」 https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/index.html(いずれも2026年9月12日確認)

    2. 本記事が扱う2つ=貸金業法の「登録」と銀行法の「免許」

    条文の側から整理します。

    貸金業法のルート

    貸金業法第2条第1項は「貸金業」を、貸付けを業として行うものと定義したうえで、ただし書で5つを除いています。その第2号が「貸付けを業として行うにつき他の法律に特別の規定のある者が行うもの」です。同条第2項は「貸金業者」を「次条第一項の登録を受けた者」と定めています。

    その「次条」=第3条第1項が登録の条文で、2以上の都道府県に営業所等を置く場合は内閣総理大臣、1つの都道府県内だけなら都道府県知事の登録を受けなければならない、と定めます。なお同法第45条第1項は内閣総理大臣の権限を金融庁長官に委任し、第2項は金融庁長官が「政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる」と定めています。金融庁の事業者一覧が「貸金業者(財務局長登録)」という区分名を使っているのは、この委任の系列に沿った表記と読めます。第3条第2項は「前項の登録は、三年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う」。そして第11条第1項が「第三条第一項の登録を受けない者は、貸金業を営んではならない」=無登録営業の禁止です。

    銀行法のルート

    銀行法第2条第1項は「銀行」を「第四条第一項の内閣総理大臣の免許を受けて銀行業を営む者」と定義します。第4条第1項は「銀行業は、内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ、営むことができない」。そして第10条第1項は銀行が営める業務として「一 預金又は定期積金等の受入れ」「二 資金の貸付け又は手形の割引」「三 為替取引」を挙げています。

    銀行法第6条も見分けに使えます。第1項「銀行は、その商号中に銀行という文字を使用しなければならない」、第2項「銀行でない者は、その名称又は商号中に銀行であることを示す文字を使用してはならない」。商号に「銀行」が入っているかどうかは、条文が担保している数少ない手がかりです。

    貸金業法のルート銀行法のルート
    根拠となる資格第3条第1項の登録第4条第1項の免許
    与える者内閣総理大臣(第45条で金融庁長官へ、さらに財務局長・財務支局長へ委任可)または都道府県知事内閣総理大臣
    有効期間第3条第2項=三年ごとの更新本文に「更新」「有効期間」の語の記載なし
    資格なしで営むこと第11条第1項で禁止第4条第1項で「営むことができない」
    商号の縛り貸金業者の商号については記載なし第6条=商号中に「銀行」の文字
    貸金業法・銀行法の条文をそのまま対照した(2026年9月12日確認)。「記載なし」は、この表の項目について該当法令の条文に定めが見当たらなかったことを指します。商号の行は貸金業者の商号についての結果であり、同法が置く他の名称の規律まで確認したものではありません。

    銀行の商品と貸金業者の商品で適用される法律がどう違うかは、銀行カードローンと貸金業者の違いで条文ごとに整理しています。公的融資との比較は日本政策金融公庫の融資とビジネスローンの違いを参照してください。

    e-Gov法令検索「貸金業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/同「銀行法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/356AC0000000059(2026年9月12日確認)

    3. 目の前の商品がどちらなのかを確かめる手順

    手順1:広告・申込ページに登録番号があるか見る

    貸金業法第15条第1項は、貸付けの条件について広告をするとき等に表示すべき事項として「一 貸金業者の商号、名称又は氏名及び登録番号」「二 貸付けの利率」を挙げています。貸金業者が広告で貸付条件を示す場面では、登録番号が表示される建て付けです。登録番号には括弧書がついており、貸金業法施行規則は書面の記載事項について「登録番号の括弧書については、記載を省略することができる」と繰り返し定めています。括弧内の数字の読み方は貸金業の登録番号(1)(2)の意味にまとめました。

    手順2:金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」で照合する

    金融庁は登録貸金業者情報検索サービスを公開しています。検索入力ページの検索項目は登録番号・所在地・商号/名称・代表者名・電話番号で、「詳細検索へ」からさらに項目を増やせます(2026年9月12日確認)。同サービスの「ご利用上の注意」には次の記載があります(原文)。

    • 「このサービスで検索される情報は、貸金業者の登録を行っている各財務局・都道府県で閲覧できる貸金業者登録簿や、官報等の情報をもとに編集したものです。」
    • 「検索された情報は、各財務局・都道府県がデータの更新処理を行った時点のものであり、照会日現在のものではありません。」
    • 「このサービスで検索されない貸金業者は、各財務局・都道府県がデータ更新処理後に新規登録を行ったか、『貸金業法』に基づく登録を行っていない無登録業者(いわゆるヤミ金融)である可能性があります。」
    • 「金融庁、各財務局・都道府県は、利用者がこのサービスの情報を用いて行う一切の行為について、何ら責任を負うものではありません。」
    • 「本サービスにおいて一回の検索で表示される情報の上限は100件です。」

    検索して出てこなかった場合の読み方は、金融庁自身が上のとおり2通り(データ更新後の新規登録/無登録)を示しています。実際の操作手順は貸金業者の登録を確認する手順に、番号を貼って照合する道具は登録番号チェッカーに置いています。

    手順3:銀行なら金融庁の事業者一覧で確かめる

    金融庁「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」は、「預金取扱等金融機関」の欄に「銀行」(令和8年8月3日現在)、「金融会社」の欄に「貸金業者(財務局長登録)」(令和8年7月31日現在)を、それぞれ別の区分として掲載しています。同ページは「登録業者等を検索する場合は、該当のPDFファイル又はエクセルファイルを開き、検索機能(『Ctrl』キーと『F』キーを同時に押すと開きます)をご利用ください」と案内し、名称や電話番号から横断的に探せる「金融事業者一括検索機能」(https://search.fsa.go.jp/)へのリンクも置いています(2026年9月12日確認)。

    手順4:それでも判然としなければ、条文上の届け先に聞く

    登録貸金業者情報検索サービスの「ご利用上の注意」は、最新の情報や不明点について「登録番号欄に記載されている各財務局・都道府県にお問い合わせください」と案内しています。登録番号の頭に書かれた財務局名・都道府県名が、そのまま問い合わせ先になります。

    金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」 https://clearing.fsa.go.jp/kashikin//同「ご利用上の注意」 https://www.fsa.go.jp/ordinary/kensaku/chuui.html/同「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」 https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyo.html(いずれも2026年9月12日確認)

    4. 借り手が法人か個人事業主かで変わるのは総量規制

    同じ「事業資金」でも、借り手が法人か個人かで条文の当たり方が変わります。貸金業法第13条の2第1項は、返済能力の調査の結果「個人過剰貸付契約その他顧客等の返済能力を超える貸付けの契約」と認められるときは契約を締結してはならないと定め、第2項でその「個人過剰貸付契約」を定義しています(原文抜粋)。

    前項に規定する「個人過剰貸付契約」とは、個人顧客を相手方とする貸付けに係る契約(住宅資金貸付契約その他の内閣府令で定める契約…及び極度方式貸付けに係る契約を除く。)で、…当該個人顧客に係る個人顧客合算額…が当該個人顧客に係る基準額(その年間の給与及びこれに類する定期的な収入の金額として内閣府令で定めるものを合算した額に三分の一を乗じて得た額をいう。…)を超えることとなるもの…をいう。

    条文の主語は「個人顧客」です。「個人顧客」は貸金業法第13条第3項で「資金需要者である個人の顧客」と定義されています。年収の3分の1という基準そのものの整理は総量規制とはにあります。

    そのうえで、貸金業法施行規則第10条の23第1項は、法第13条の2第2項の「個人顧客の利益の保護に支障を生ずることがない契約」を列挙しています。事業者に関係するのは第4号と第5号です。第4号は「事業を営む個人顧客に対する貸付けに係る契約」で、イ「実地調査、当該個人顧客の直近の確定申告書の確認その他の方法により当該事業の実態が確認されていること」、ロ「当該個人顧客の事業計画、収支計画及び資金計画(この号に掲げる契約に係る貸付けの金額が百万円を超えないものであるときは、当該個人顧客の営む事業の状況、収支の状況及び資金繰りの状況。以下同じ。)に照らし、当該個人顧客の返済能力を超えない貸付けに係る契約であると認められること」のすべての要件に該当することを求めています。第5号は、現に事業を営んでいない個人顧客が新たな事業を行うために必要な資金の貸付けに係る契約を、同様に要件つきで挙げた号です。

    この例外貸付けの要件を1つずつ見る記事は個人事業主の借入れと総量規制に分けてあります。

    e-Gov法令検索「貸金業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/同「貸金業法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000040040(2026年9月12日確認)

    5. 商品名ではなく、交付される書面の項目で確かめる

    本記事で確認した4法令に商品名の定義が見当たらない以上、条件の比較は条文が交付・掲示を義務づけている項目で行うほかありません。貸金業法第17条第1項は、貸付けに係る契約を締結したときに遅滞なく交付する書面の記載事項として、次を挙げています。

    号記載事項(原文)
    一貸金業者の商号、名称又は氏名及び住所
    二契約年月日
    三貸付けの金額
    四貸付けの利率
    五返済の方式
    六返済期間及び返済回数
    七賠償額の予定に関する定めがあるときは、その内容
    八前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
    貸金業法第17条第1項各号(2026年9月12日確認)。第14条第1項は、営業所等の見やすい場所に「貸付けの利率」「返済の方式」「返済期間及び返済回数」「貸金業務取扱主任者の氏名」等を掲示することを定めています。

    利率については、利息制限法第1条が貸し手の業態ではなく「金銭を目的とする消費貸借」を対象に上限を定めています。原文は「元本の額が十万円未満の場合 年二割」「元本の額が十万円以上百万円未満の場合 年一割八分」「元本の額が百万円以上の場合 年一割五分」と定め、これを超える部分について「その超過部分について、無効とする」としています。加えて同法第3条は、礼金・割引金・手数料・調査料など名義を問わず債権者が受ける元本以外の金銭を利息とみなすと定めています(契約の締結・債務の弁済の費用を除く)。上限金利の全体像は上限金利の条文に、返済額の試算は返済シミュレーターにまとめています。

    なお貸金業法第16条第2項第1号は、広告・勧誘において「資金需要者等を誘引することを目的とした特定の商品を当該貸金業者の中心的な商品であると誤解させるような表示又は説明」を禁じています。商品名や見せ方の規律も、条文の側に置かれているということです。

    e-Gov法令検索「貸金業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/同「利息制限法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000100(2026年9月12日確認)

    6. この記事で確認できなかったこと

    項目確認結果
    法令上の「ビジネスローン」の定義取得した4法令の本文に語自体が存在せず、定義は確認できませんでした
    「ビジネスローン」と呼ばれる商品の一般的な金利・限度額一次情報に該当する記載なし。本記事では扱いません
    貸金業者・銀行の登録/免許の件数金融庁の一覧ページに件数の記載なし
    登録番号の括弧内の数字が表すもの施行規則は「括弧書」の存在のみを規定。数字の読み方は別記事へ
    2026年9月12日時点で確認できなかった項目。推測で補っていません。

    また、各社が自社サイトに掲げる手数料・スピード・金利は同社サイトの表記であり、当サイトはその内容を保証しません。申込みの前に、その会社の表記と交付される書面を直接確認してください。本記事は個社の審査難易度や優劣、順位付けを扱うものではありません。

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    よくある質問

    「ビジネスローン」という商品は法律で定められていますか?

    この記事で本文を取得した4つの法令(貸金業法・貸金業法施行規則・銀行法・利息制限法)には、「ビジネスローン」も「ローン」も1件も現れませんでした(2026年9月12日確認)。条文が用いているのは「貸付け」という語です。

    貸金業者と銀行では、何を確認すればよいですか?

    貸金業者は貸金業法第3条第1項の登録を受けた者で、同法第15条第1項第1号により広告等で商号・名称・氏名と登録番号を表示する建て付けです。銀行は銀行法第4条第1項の内閣総理大臣の免許を受けた者で、同法第6条第1項により商号中に「銀行」の文字を使います。金融庁は前者を登録貸金業者情報検索サービスで、後者を含む業者を「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」で公表しています。

    法人が借りる場合も年収の3分の1の制限がかかりますか?

    貸金業法第13条の2第2項が定める「個人過剰貸付契約」は「個人顧客を相手方とする貸付けに係る契約」を対象としています。「個人顧客」は同法第13条第3項で「資金需要者である個人の顧客」と定義されています。個人事業主向けについては、貸金業法施行規則第10条の23第1項第4号・第5号に要件つきの定めがあります。

    金融庁の検索サービスで会社名が出てこないときは?

    金融庁は「ご利用上の注意」で、検索されない貸金業者について「各財務局・都道府県がデータ更新処理後に新規登録を行ったか、『貸金業法』に基づく登録を行っていない無登録業者(いわゆるヤミ金融)である可能性があります」と記載しています。同ページは、最新の情報や不明点を登録番号欄に記載されている各財務局・都道府県へ問い合わせるよう案内しています。


    e-Gov法令検索「貸金業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/「貸金業法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000040040/「銀行法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/356AC0000000059/「利息制限法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000100/金融庁「多重債務者対策・貸金業法等について」 https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/index.html/金融庁「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」 https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyo.html/金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」 https://clearing.fsa.go.jp/kashikin//同「ご利用上の注意」 https://www.fsa.go.jp/ordinary/kensaku/chuui.html(いずれも2026年9月12日確認)

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    最終更新:2026年9月12日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索の条文本文、金融庁の公表ページ)のみを根拠に作成しています。確認できなかった項目は「記載なし」と明記し、推測で補っていません。

  • 不動産担保ローンでかかる費用|抵当権設定の登録免許税・契約書の印紙税と、事務手数料が「みなし利息」になるか

    不動産担保ローンでかかる費用|抵当権設定の登録免許税・契約書の印紙税と、事務手数料が「みなし利息」になるか

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    不動産担保ローンの見積もりを見ると、金利のほかに「登録免許税」「印紙代」「事務手数料」といった行が並びます。このうち税額が法令で決まっているものと、貸し手が決めるものは、性質がまったく違います。前者は誰が貸しても同じ額、後者は契約次第で、しかも法律上は「利息」として扱われる場合があります。

    先に結論:不動産担保ローンで動くお金は、①国に納める税金(登録免許税・印紙税)、②登記所などに払う実費(登記事項証明書の手数料)、③専門家や貸し手に払うお金(司法書士報酬・事務手数料)の3つに分かれます。①と②は利息制限法第3条ただし書と第6条第2項により利息から外れますが、③のうち貸し手が受け取る手数料・調査料は同法第3条本文で「利息とみなす」と書かれています。この記事は、その根拠をe-Gov法令検索と国税庁のページだけで並べた記録です(2026年9月12日確認)。

    1. 借入額以外に動くお金を、根拠で3つに分ける

    費用の名前ではなく、誰に払うお金かで分けると、条文との対応がはっきりします。

    区分具体例額を決めているもの利息制限法上の扱い
    ①国に納める税金抵当権設定登記の登録免許税、契約書の印紙税登録免許税法 別表第一/印紙税額の一覧表「公租公課の支払に充てられるべきもの」=利息から外れる(第6条第2項第1号)
    ②公の機関に払う実費登記事項証明書の交付手数料登記手数料令 第2条・第3条「公の機関が行う手続に関してその機関に支払うべきもの」に関する定めがある(第6条第2項第2号)
    ③貸し手・専門家に払うお金事務手数料、調査料、礼金、司法書士報酬各社・各事務所が定める(法令に額の定めなし)債権者が受ける元本以外の金銭は「利息とみなす」(第3条本文)
    利息制限法(昭和二十九年法律第百号)第3条・第6条、登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)別表第一、登記手数料令(昭和二十四年政令第百四十号)第2条・第3条の条文から整理(2026年9月12日確認)。司法書士報酬が第3条本文の「債権者の受ける元本以外の金銭」に当たるかは、誰に支払うかによって変わります。

    ③に入るお金の相場は、公表されている一次情報には存在しません(記載なし)。この記事でも金額は書きません。代わりに、それが利息として数えられるのかどうかという、条文で確かめられる側を扱います。

    e-Gov法令検索「利息制限法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000100(2026年9月12日確認)

    2. 抵当権設定登記の登録免許税は「債権金額の千分の四」

    不動産を担保に入れるときは、その不動産に抵当権(または根抵当権)の設定登記をします。この登記にかかる登録免許税の課税標準と税率は、登録免許税法第9条が「別表第一の課税標準欄に掲げる金額又は数量及び同表の税率欄に掲げる割合又は金額による」と定めています。

    別表第一の「一 不動産の登記」(五)は、次のとおりです(原文・2026年9月12日確認)。

    登記の種類課税標準税率
    (五)先取特権の保存、質権若しくは抵当権の設定、強制競売、担保不動産競売…に係る差押え、仮差押え、仮処分又は抵当付債権の差押えその他権利の処分の制限の登記債権金額、極度金額又は不動産工事費用の予算金額千分の四
    (十五)登記の抹消(土地又は建物の表題部の登記の抹消を除く。)不動産の個数一個につき千円(同一の申請書により二十個を超える不動産について登記の抹消を受ける場合には、申請件数一件につき二万円)
    登録免許税法 別表第一 一(五)(十五)(2026年9月12日確認)。「千分の四」は、同じ割合を百分率で書けば0.4%にあたります(この百分率表記は原文にはなく、当サイトによる書き換えです)。

    ここで押さえておきたいのは、課税標準が不動産の価格ではなく「債権金額」だという点です。根抵当権であれば極度金額が課税標準になります。つまり、担保に入れる不動産の評価額ではなく、設定する枠の大きさで税額が動きます。

    複数の不動産を同じ債権の担保にする場合

    登録免許税法第13条第1項は、一の登記官署等において同時の申請により同一の債権のために数個の不動産等に関する権利を目的とする抵当権の設定登記等を受ける場合には、これらを一の抵当権等の設定登記等とみなしてこの法律の規定を適用する、と定めています。

    さらに同条第2項は、同一の債権のための設定登記等でその申請が最初の申請以外のものであるときは、財務省令で定める書類を添付して申請するものに限り、課税標準及び税率は不動産等に関する権利の件数一件につき千五百円とする、としています。

    住宅取得資金の場合の軽減(措法75)

    国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」の「(3)住宅用家屋の軽減税率」には、住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記(措法75)の行があり、軽減税率は1,000分の1と記載されています。対象は「個人が、令和9年3月31日までの間に住宅用家屋の新築(増築を含む。)または住宅用家屋の取得をし、自己の居住の用に供した場合において、これらの住宅用家屋の新築または取得をするための資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記」です(原文)。

    備考には「登記申請に当たって、その家屋の所在する市町村等の証明書を添付する必要があります。なお、登記した後で証明書を提出しても軽減税率の適用を受けられませんので注意してください」とあり、表の(注)には「床面積が50平方メートル以上であることや、新築または取得後1年以内の登記であること等一定の要件を満たす必要があります」と書かれています(いずれも原文・2026年9月12日確認)。

    なお、No.7191の「不動産の登記(主なもの)」の表に掲載されているのは、土地の所有権の移転登記、建物の登記、住宅用家屋の軽減税率、配偶者居住権の設定登記です。住宅用家屋以外の一般の抵当権設定登記の税率は、同ページには載っていません。この記事の「千分の四」は、上に引いた登録免許税法 別表第一を根拠としています。

    e-Gov法令検索「登録免許税法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/342AC0000000035/国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm(いずれも2026年9月12日確認。同ページは「[令和8年4月1日現在法令等]」と表示されています)

    3. 金銭消費貸借契約書の印紙税は「第1号文書」

    借入れの契約書に貼る収入印紙の額は、国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」で確認できます。第1号文書の欄には、[消費貸借に関する契約書] 金銭借用証書、金銭消費貸借契約書などと明記されています(原文・2026年9月12日確認)。

    記載された契約金額印紙税額(1通または1冊につき)
    1万円未満(※)非課税
    1万円以上10万円以下200円
    10万円を超え50万円以下400円
    50万円を超え100万円以下1千円
    100万円を超え500万円以下2千円
    500万円を超え1千万円以下1万円
    1千万円を超え5千万円以下2万円
    5千万円を超え1億円以下6万円
    1億円を超え5億円以下10万円
    5億円を超え10億円以下20万円
    10億円を超え50億円以下40万円
    50億円を超えるもの60万円
    契約金額の記載のないもの200円
    国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)」第1号文書(2026年9月12日確認)。※印は原文の注記「第1号文書と第3号文書から第17号文書とに該当する文書で第1号文書に所属が決定されるものは、記載された契約金額が1万円未満であっても非課税文書となりません。」

    同ページの(注)では、平成26年4月1日から令和9年3月31日までに作成される「不動産の譲渡に関する契約書」のうち契約金額が一定額を超えるものについて税率が軽減されている、として国税庁コード7108が案内されています。軽減の対象として名前が挙がっているのは不動産の譲渡に関する契約書と建設工事の請負に関する契約書で、消費貸借に関する契約書は挙げられていません。

    契約書に金額が書かれていないとき

    国税庁「No.7100 課税文書に該当するかどうかの判断」は、文書の内容判断は「その文書の名称、呼称や形式的な記載文言によるのではなく、その文書に記載されている文言などの実質的な意味を汲み取って行います」としています。また「文書に取引金額そのものの記載はないが、文書に記載されている単価、数量、記号等により、当事者間において取引金額が計算できる場合は、それを記載金額とし」とも書かれています(原文)。上の表の「契約金額の記載のないもの 200円」は、その判断を経てなお金額が出てこない場合の扱いです。

    印紙を貼らなかったとき・消印しなかったとき

    国税庁「No.7131 印紙税を納めなかったとき」は、次のとおり記載しています(原文・2026年9月12日確認)。

    • 課税文書の作成の時までに納付しなかった場合は、納付しなかった印紙税の額とその2倍に相当する金額との合計額、すなわち当初に納付すべき印紙税の額の3倍に相当する過怠税が徴収される。
    • ただし、所轄税務署長に印紙税不納付事実申出書を提出し、その申出が調査があったことにより過怠税の決定があるべきことを予知してされたものでないときは、1.1倍に軽減される。
    • 貼り付けた印紙を所定の方法によって消印しなかった場合には、消印されていない印紙の額面に相当する金額の過怠税が徴収される。
    • 過怠税は、その全額が法人税の損金や所得税の必要経費には算入されない。

    なお、契約を電子的に締結した場合の印紙税の取扱いについては、今回確認した国税庁の4ページ(No.7191/No.7140/No.7131/No.7100)のいずれにも記載がありませんでした(記載なし)。

    国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7140.htm/同「No.7131 印紙税を納めなかったとき」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7131.htm/同「No.7100 課税文書に該当するかどうかの判断」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7100.htm(いずれも2026年9月12日確認)

    4. 登記事項証明書の手数料と、司法書士報酬の調べ方

    担保に入れる不動産の登記の内容を確かめるには、登記事項証明書を取ります。手数料は登記手数料令で決まっています(原文・2026年9月12日確認)。

    請求の方法手数料根拠
    登記事項証明書(登記簿の謄本・抄本を含む)の交付一通につき六百円(一通の枚数が五十枚を超えるものは、六百円にその超える枚数五十枚までごとに百円を加算)登記手数料令 第2条第1項
    登記事項要約書の交付一登記記録につき五百円登記手数料令 第2条第2項
    電子情報処理組織(オンライン)を使用して行う交付請求一通につき四百九十円(送付を求める場合は五百二十円)登記手数料令 第3条第1項
    登記手数料令(昭和二十四年政令第百四十号)第2条・第3条(2026年9月12日確認)。

    登記の申請を司法書士に依頼する場合の報酬額については、司法書士法施行規則第22条(報酬の基準を明示する義務)が次のとおり定めています(原文)。

    司法書士は、法第三条第一項各号に掲げる事務を受任しようとする場合には、あらかじめ、依頼をしようとする者に対し、報酬額の算定の方法その他の報酬の基準を示さなければならない。

    つまり、金額そのものは各事務所が定めるものですが、受任前に基準を示す義務が規則に書かれています。全国一律の報酬額を定めた一次情報は、今回の実査では見つかりませんでした(記載なし)。

    e-Gov法令検索「登記手数料令」 https://laws.e-gov.go.jp/law/324CO0000000140/同「司法書士法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/353M50000010055(いずれも2026年9月12日確認)

    5. 事務手数料は「利息」になるのか=利息制限法第3条と第6条

    ここがこの記事の本題です。利息制限法第3条(みなし利息)は、次のとおり定めています(原文)。

    前二条の規定の適用については、金銭を目的とする消費貸借に関し債権者の受ける元本以外の金銭は、礼金、割引金、手数料、調査料その他いかなる名義をもってするかを問わず、利息とみなす。ただし、契約の締結及び債務の弁済の費用は、この限りでない。

    本文で「手数料」「調査料」が名指しされている一方、ただし書で「契約の締結及び債務の弁済の費用」が除かれています。では、事務手数料は「契約の締結の費用」だから除かれるのか——ここに、営業として貸す相手向けの特則が置かれています。

    利息制限法第6条(みなし利息の特則)第2項は、営業的金銭消費貸借(第5条第1号により「債権者が業として行う金銭を目的とする消費貸借」)においては、次に掲げる契約の締結及び債務の弁済の費用に限り、第3条ただし書の規定の適用があるとしています(原文)。

    号第3条ただし書が適用される費用(原文)この記事で扱った例
    一公租公課の支払に充てられるべきもの抵当権設定登記の登録免許税、契約書の印紙税
    二強制執行の費用、担保権の実行としての競売の手続の費用その他公の機関が行う手続に関してその機関に支払うべきもの登記所に支払う手数料など
    三債務者が金銭の受領又は弁済のために利用する現金自動支払機その他の機械の利用料(政令で定める額の範囲内のものに限る。)返済に使うATMの利用料
    利息制限法 第6条第2項第1号〜第3号(2026年9月12日確認)。右列は本記事で扱った費目を当てはめたもので、条文そのものの例示ではありません。

    条文は「…に限り」と書いています。営業的金銭消費貸借では、第3条ただし書で利息から外れるのはこの3つの範囲であって、それ以外に債権者が受け取る元本以外の金銭は、名目が事務手数料でも調査料でも第3条本文に戻って「利息とみなす」という組み立てです。

    もう一つ、第6条第1項は逆向きの定めです。カードの再発行の手数料その他の債務者の要請により債権者が行う事務の費用として政令で定めるものについては、第3条本文を適用しない(=利息とみなさない)としています。

    そして、みなし利息を含めた利息が超えてはならない上限は、第1条です。元本の額が十万円未満の場合は年二割、十万円以上百万円未満の場合は年一割八分、百万円以上の場合は年一割五分。超えた部分はその超過部分について無効とされます(詳しくは上限金利の記事)。

    e-Gov法令検索「利息制限法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000100(2026年9月12日確認)

    6. 貸金業者から借りる場合=貸金業法にも同じ線引きがある

    不動産担保ローンを貸金業者から借りる場合、貸金業法にも同じ構造の規定があります。第12条の8(利息、保証料等に係る制限等)第1項は「貸金業者は、その利息(みなし利息を含む。…)が利息制限法…第一条に規定する金額を超える利息の契約を締結してはならない」と定め、第2項で「みなし利息」を次のように定義しています(原文)。

    前項に規定する「みなし利息」とは、礼金、割引金、手数料、調査料その他いかなる名義をもつてするかを問わず、金銭の貸付けに関し債権者の受ける元本以外の金銭(契約の締結及び債務の弁済の費用であつて、次に掲げるものを除く。)のうち、金銭の貸付け及び弁済に用いるため債務者に交付されたカードの再発行の手数料その他の債務者の要請により債権者が行う事務の費用として政令で定めるものを除いたものをいう。
    一 公租公課の支払に充てられるべきもの
    二 強制執行の費用、担保権の実行としての競売の手続の費用その他公の機関が行う手続に関してその機関に支払うべきもの
    三 債務者が金銭の受領又は弁済のために利用する現金自動支払機その他の機械の利用料(政令で定める額の範囲内のものに限る。)

    同条第4項は「貸金業者は、利息制限法第一条に規定する金額を超える利息を受領し、又はその支払を要求してはならない」としています。

    そして第14条第1項第1号は、掲示すべき「貸付けの利率」を「利息及び第十二条の八第二項に規定するみなし利息の総額(…)を内閣府令で定める方法によつて算出した元本の額で除して得た年率(当該年率に小数点以下三位未満の端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)を百分率で表示するもの」と定義しています。手数料の扱いが年率の表示に跳ね返る、という構造です(→実質年率の読み方)。

    書面での確認も条文にあります。第16条の2第1項は契約締結前に交付する書面の記載事項として、第1号から順に「貸金業者の商号、名称又は氏名及び住所」「貸付けの金額」「貸付けの利率」「返済の方式」「返済期間及び返済回数」「賠償額の予定(違約金を含む。以下同じ。)に関する定めがあるときは、その内容」を挙げ、第17条第1項も契約締結時の書面に「契約年月日」「貸付けの金額」「貸付けの利率」などを記載するよう定めています(→貸付契約の書面)。

    借入れの前に、その貸し手が登録貸金業者かどうかを確かめる手順は貸金業者の登録を確認する手順と登録番号チェッカーに、不動産担保ローンと総量規制の関係は不動産担保ローンと総量規制(制度の全体像は総量規制とは)にまとめています。

    e-Gov法令検索「貸金業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032(2026年9月12日確認)

    7. 契約前に見ておく順番

    ここまでの条文を、手元で確かめられる順に並べ替えると次のようになります。

    1. 設定する枠の大きさを見る。登録免許税の課税標準は債権金額(根抵当権なら極度金額)です。枠を大きく設定すれば、その分だけ登録免許税が動きます。
    2. 契約書の契約金額と印紙税額を突き合わせる。第1号文書の税額表(上記3)で、契約金額の区分と貼る印紙の額が一致しているか見ます。
    3. 見積書の各行を「誰に払うか」で仕分ける。国・登記所に行くお金か、貸し手・事務所に行くお金か。後者は利息制限法第3条本文の射程に入ります。
    4. 年率の表示に手数料が含まれているか確かめる。貸金業法第14条第1項第1号の「貸付けの利率」は、利息とみなし利息の総額から算出した年率です。返済総額の見え方は返済シミュレーターで確認できます。
    5. 司法書士に依頼するなら、受任前に報酬の基準を見せてもらう。司法書士法施行規則第22条が、あらかじめ示すよう定めています。

    逆に、この記事で確かめられなかったことも書いておきます。事務手数料・融資手数料の相場、不動産の鑑定・担保評価にかかる費用、火災保険料の水準については、公表されている一次情報に記載がありません(記載なし)。個別の見積もりで確認する項目です。

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    よくある質問

    抵当権設定登記の登録免許税は、不動産の評価額で決まるのですか?

    登録免許税法 別表第一 一(五)は、抵当権の設定の登記の課税標準を「債権金額、極度金額又は不動産工事費用の予算金額」、税率を「千分の四」と定めています(2026年9月12日確認)。所有権の移転登記のように「不動産の価額」を課税標準とする区分とは別の行です。

    複数の不動産をまとめて担保に入れると、その分だけ税額が増えますか?

    登録免許税法第13条第1項は、同一の登記官署等において同時の申請により同一の債権のために数個の不動産等に関する権利を目的とする抵当権の設定登記等を受ける場合、これらを一の抵当権等の設定登記等とみなしてこの法律の規定を適用するとしています。また同条第2項は、最初の申請以外の申請について、財務省令で定める書類を添付するものに限り件数一件につき千五百円とする旨を定めています(2026年9月12日確認)。

    契約書に収入印紙を貼り忘れると、どうなりますか?

    国税庁「No.7131 印紙税を納めなかったとき」は、課税文書の作成の時までに納付しなかった場合、当初に納付すべき印紙税の額の3倍に相当する過怠税が徴収されると記載しています。所轄税務署長に印紙税不納付事実申出書を提出し、調査があったことにより過怠税の決定があるべきことを予知してされたものでないときは1.1倍に軽減されます。また、貼り付けた印紙を消印しなかった場合は、消印されていない印紙の額面に相当する金額の過怠税が徴収されるとされています(2026年9月12日確認)。

    事務手数料は金利とは別物として考えていいのですか?

    利息制限法第3条本文は、債権者の受ける元本以外の金銭を「礼金、割引金、手数料、調査料その他いかなる名義をもってするかを問わず、利息とみなす」と定めています。同法第6条第2項は、営業的金銭消費貸借では第3条ただし書(契約の締結及び債務の弁済の費用)が適用されるのは①公租公課②公の機関に支払うもの③政令で定める額の範囲内のATM等の利用料に限るとしています。貸金業者については貸金業法第12条の8第2項が同じ構造で「みなし利息」を定義しています(いずれも2026年9月12日確認)。

    この記事に書かれた税額は、これからも同じですか?

    国税庁の税額表は「[令和8年4月1日現在法令等]」と表示されたページの内容です(2026年9月12日確認)。税額や軽減措置の適用期限は税制改正で変わることがありますので、契約の時点で国税庁のページと条文を見直してください。この記事の出典URLは各節末に記載しています。


    e-Gov法令検索「利息制限法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000100/「登録免許税法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/342AC0000000035/「貸金業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/「登記手数料令」 https://laws.e-gov.go.jp/law/324CO0000000140/「司法書士法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/353M50000010055/国税庁「No.7191」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm・「No.7140」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7140.htm・「No.7131」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7131.htm・「No.7100」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7100.htm(いずれも2026年9月12日確認)

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    最終更新:2026年9月12日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索・国税庁)のみを根拠に作成しています。条文・税額は2026年9月12日時点の記載に基づくもので、税制改正等により変更されることがあります。確認できなかった項目は「記載なし」と明記し、推測で補っていません。本記事は法律上・税務上の助言ではなく、また特定の金融商品を推奨するものではありません。個別の取扱いは、契約前に貸し手の交付する書面と、国税庁・法務局・司法書士等にご確認ください。

  • 不動産担保ローンの必要書類|登記事項証明書・固定資産評価証明書・印鑑証明書をどこで・いくらで取るか

    不動産担保ローンの必要書類|登記事項証明書・固定資産評価証明書・印鑑証明書をどこで・いくらで取るか

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    不動産を担保に借りる話になると、そこで初めて聞く書類名が出てきます。登記事項証明書、固定資産評価証明書、印鑑証明書。先に結論を書くと、この3通は根拠となる法律も、交付する人も、取りに行く場所も別です。そして手数料の決まり方も2種類あります。法務局で取るものは政令で全国一律の額が決まっており、市区町村で取るものは各自治体の条例で決まります。

    この記事は、その3通について「どの条文にもとづく書類か」「誰が請求できるか」「どこで、いくらか」を、法令の原文と官公庁の公表ページだけで並べた記録です。

    1. この記事で確認したこと・扱わないこと

    根拠にしたのは、e-Gov法令検索で取得した条文の原文と、法務省・法務局・地方公共団体情報システム機構(J-LIS)の公表ページだけです(いずれも2026年9月12日確認)。

    一方で、個々の貸し手が申込時に何を提出させるかは各社が定めるもので、公的に公表された一覧はありません(記載なし)。本記事は各社の提出書類リストを再現するものではなく、「公的な窓口で取れる書類そのもの」の話に限ります。事業資金の借入れで公的機関が公表している書類一覧は事業資金の借入れに必要な書類一覧にまとめています。

    法務局は「不動産、会社・法人の登記申請、登記事項証明書、印鑑証明書の請求など、法務局に関する主な手続は、インターネットを利用して行うことができます」と案内しています(原文・2026年9月12日確認)。

    法務局「オンライン申請のご案内」 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/category_00003.html、法務局「各種証明書請求手続」 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/category_00002.html(2026年9月12日確認)

    2. 3通は、根拠法も交付者も窓口も別

    書類根拠条文交付する人窓口
    登記事項証明書(不動産)不動産登記法第119条第1項登記官法務局(登記所)
    地図証明書・図面証明書不動産登記法第120条第1項・第121条第1項登記官法務局(登記所)
    固定資産評価証明書
    (固定資産課税台帳に記載をされている事項の証明書)
    地方税法第382条の3市町村長市区町村
    印鑑証明書(個人=印鑑登録証明書)不動産登記令第16条第2項の括弧書き「住所地の市町村長(略)が作成するもの」市町村長市区町村
    印鑑証明書(法人)商業登記法第12条第1項登記官法務局(登記所)
    各法令の条文(e-Gov法令検索・2026年9月12日確認)から整理。法人と個人で印鑑証明書の窓口が分かれる点が、最初につまずきやすいところです。

    不動産登記令第16条第2項は、登記申請書に添える印鑑に関する証明書を「住所地の市町村長(略)又は登記官が作成するものに限る」と定めています(原文)。個人は市区町村、会社は法務局、という分かれ方はこの括弧書きに由来します。

    e-Gov法令検索「不動産登記法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123、「不動産登記令」 https://laws.e-gov.go.jp/law/416CO0000000379、「地方税法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226、「商業登記法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125(2026年9月12日確認)

    3. 登記事項証明書:本人でなくても請求できる。額は政令で全国一律

    不動産登記法第119条第1項は「何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる」と定めています(原文)。所有者本人であることや、委任状は要件になっていません。同条第5項により、その不動産の所在地を管轄しない登記所の登記官に対しても請求できます。

    手数料の額は登記手数料令(昭和二十四年政令第百四十号)で決まっており、法務省も同じ額を「登記手数料について」のページに掲げています(表の見出しは「令和7年4月1日~」)。

    区分手数料額条文
    登記事項証明書(謄抄本) 書面請求600円登記手数料令第2条第1項
    同 オンライン請求・窓口交付490円同第3条第1項
    同 オンライン請求・送付520円同第3条第1項の括弧書き
    登記事項要約書の交付・登記簿等の閲覧500円同第2条第2項・第5条第1項
    登記識別情報に関する証明300円同第7条
    登記手数料令および法務省「登記手数料について」(2026年9月12日確認)。1通の枚数が50枚を超える場合は、その超える枚数50枚までごとに登記事項証明書は100円が加算されます(同令第2条第1項ただし書・法務省ページ※1)。

    オンライン請求できる証明書の種類は、法務省の案内に「全部事項証明書、現在事項証明書及び閉鎖事項証明書」と明記されています。同ページは「全国の全ての登記所において、登記事項証明書、地図証明書及び図面証明書のオンライン請求を行うことができます」としています。ただし同ページは「電子的な登記事項証明書等がオンラインにより交付されるものではありません」と注記しており、届くのは紙です。なお登記事項要約書は、オンラインでも郵送でも交付を請求できませんと記載されています(いずれも原文)。

    納付方法にも差があります。不動産登記法第119条第4項は「手数料の納付は、収入印紙をもってしなければならない」としたうえで、法務省令で定める方法で請求するときは現金でもよいと定めています。実務面では、法務局が「窓口受取を選択した場合でも、収入印紙等によって手数料を納付することはできません」と明記しており、オンライン請求分はインターネットバンキング等による電子納付になります。

    オンライン請求の受付時間は、登記・供託オンライン申請システムが平日8時30分から23時まで、休日8時30分から18時まで(12月29日から1月3日までの年末年始を除く)。ただし登記所での受付は平日8時30分から17時15分までで、それ以降に送信された請求は翌業務日の受付になります。法務局「登記事項証明書(土地・建物)、地図・図面証明書を取得したい方」(更新日2026年8月3日)は、オンライン交付請求の手順について「手順0~3で所要10分程度」と案内しています。

    e-Gov法令検索「登記手数料令」 https://laws.e-gov.go.jp/law/324CO0000000140、法務省「登記手数料について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/TESURYO/index.html、法務省「オンラインによる登記事項証明書等の交付請求(不動産登記関係)について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji73.html、法務局「登記事項証明書(土地・建物)、地図・図面証明書を取得したい方」 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/shomeisho_000001.html(2026年9月12日確認)

    4. 公図・地積測量図・建物図面は「地図証明書」「図面証明書」

    担保にする土地の形や境界の資料を求められたときに出てくるのが、この2つです。法務省は種類を次のように説明しています(原文)。

    • 地図証明書=「地図又は地図に準ずる図面(いわゆる公図)の証明書です。」
    • 図面証明書=「土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面及び各階平面図の証明書です。」
    区分手数料額条文
    地図等情報 書面請求500円登記手数料令第2条第4項・第5項
    同 オンライン請求・窓口交付440円同第3条第3項・第4項
    同 オンライン請求・送付470円同第3条第3項・第4項の括弧書き
    登記手数料令および法務省「登記手数料について」(2026年9月12日確認)。手数料の単位は、地図等の証明書が「1筆の土地又は1個の建物」、土地所在図の証明書が「1事件」です(同ページ※2)。

    不動産登記法第120条第1項・第121条第1項も、地図等・図面についてそれぞれ「何人も、登記官に対し、手数料を納付して(略)交付を請求することができる」と定めています(原文)。

    法務省「オンラインによる登記事項証明書等の交付請求(不動産登記関係)について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji73.html、e-Gov法令検索「登記手数料令」 https://laws.e-gov.go.jp/law/324CO0000000140(2026年9月12日確認)

    5. 固定資産評価証明書:請求できる人が政令で決まっている

    地方税法第380条第1項は「市町村は、固定資産の状況及び固定資産税の課税標準である固定資産の価格を明らかにするため、固定資産課税台帳を備えなければならない」と定めています。そのうえで第382条の3が「市町村長は、第二十条の十の規定によるもののほか、政令で定める者の請求があつたときは(略)固定資産課税台帳に記載をされている事項のうち政令で定めるものについての証明書を交付しなければならない」としています(いずれも原文)。「固定資産評価証明書」は、この条文にもとづく証明書の通称です。

    「政令で定める者」は地方税法施行令第52条の15に列挙されており、土地・家屋について対価が支払われる賃借権その他の使用又は収益を目的とする権利を有する者、固定資産の処分をする権利を有する者として総務省令で定める者、民事訴訟費用等に関する法律の別表に掲げる申立てをしようとする者の4区分です。これに加えて、地方税法第20条の10が「地方団体の徴収金と競合する債権に係る担保権の設定その他の目的で」証明書の交付を請求する者について、「その者に関するものに限り」交付する旨を定めています(原文)。

    手数料はどうか。地方税法にも同施行令にも、この証明書の額の定めは見当たりませんでした。額の根拠は地方自治法第227条・第228条第1項で、後者は「分担金、使用料、加入金及び手数料に関する事項については、条例でこれを定めなければならない」と定めています。つまり固定資産評価証明書の手数料は自治体ごとの条例で決まり、全国一律の額は法令に記載なしです。お住まいの市区町村の条例・公式ページで確認してください。

    コンビニ交付についても同じ注意が要ります。J-LISの案内は、取得できる証明書として「住民票の写し/住民票記載事項証明書/印鑑登録証明書/各種税証明書/戸籍証明書/戸籍の附票の写し」を挙げたうえで「市区町村により、取得できる証明書の種類が異なります」と明記しています。この一覧に「固定資産評価証明書」という名称の記載はありません(記載なし)。

    e-Gov法令検索「地方税法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226、「地方税法施行令」 https://laws.e-gov.go.jp/law/325CO0000000245、「地方自治法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000067、地方公共団体情報システム機構「コンビニ交付とは」 https://www.lg-waps.go.jp/01-00.html(2026年9月12日確認)

    6. 印鑑証明書:「作成後3月以内」と、法人の印鑑カード

    取る順番で差がつくのがこれです。不動産登記令第16条第3項は「前項の印鑑に関する証明書は、作成後三月以内のものでなければならない」と定めています。代理人の権限を証する書面に添える印鑑証明書についても、第18条第3項が同じく「作成後三月以内」としています(いずれも原文)。早く取りすぎた1通は使えなくなる、ということです。

    法人の場合は印鑑カードが要ります。商業登記規則第22条第2項は「前項の申請書を提出する場合には、印鑑カードを提示しなければならない」と定めており、法務省も「印鑑カードを添えて、登記所の窓口に提出してください」「代理人によって請求することもできます(印鑑カードは必要です。)」「郵便で印鑑証明書の交付を請求することもできますが、その場合でも、印鑑カードの提出が必要です」と案内しています(原文)。印鑑カードを持っていない会社は、先に印鑑カードの交付請求(商業登記規則第9条の4第1項)から始まります。

    区分手数料額根拠
    法人の印鑑証明書(登記所) 書面請求500円登記手数料令第10条第1項
    同 オンライン請求・窓口交付420円同第10条第2項
    同 オンライン請求・送付450円同第10条第2項の括弧書き
    個人の印鑑登録証明書(市区町村)記載なし(自治体により異なる)地方自治法第228条第1項=条例で定める
    登記手数料令・法務省「登記手数料について」・地方自治法(2026年9月12日確認)。個人の印鑑登録証明書の額を全国一律で定めた法令は、実査した範囲では見当たりませんでした。

    個人の印鑑登録証明書は、J-LISの案内ではコンビニ交付の対象に挙げられており、利用時間は「毎日6:30から23:00まで」(市区町村によっては制限される場合がある旨も併記)、用紙は「改ざん防止専用紙ではなく、A4サイズの普通紙」と説明されています(原文)。

    e-Gov法令検索「不動産登記令」 https://laws.e-gov.go.jp/law/416CO0000000379、「商業登記規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/339M50000010023、法務省「会社・法人の登記事項証明書等を請求される方へ」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji11.html、地方公共団体情報システム機構「コンビニ交付とは」 https://www.lg-waps.go.jp/01-00.html(2026年9月12日確認)

    7. 「登記情報提供サービス」は証明書ではない

    登記の内容を安く画面で見られる仕組みとして、登記情報提供サービスがあります。法務省はこれを「登記所が保有する登記情報を、インターネットを利用して、一般利用者が自宅又は事務所のパソコンで確認することができる制度」と説明しています。指定法人は一般財団法人民事法務協会(平成12年6月1日指定)です(原文)。

    提供される情報(1件当たり)利用料金
    登記記録の全部の情報(不動産、商業・法人)330円(登記手数料320円+指定法人手数料10円)
    所有者事項の情報(不動産)140円(登記手数料130円+指定法人手数料10円)
    地図及び図面が記録されたファイルの情報360円(登記手数料350円+指定法人手数料10円)
    登録費用(個人/法人)300円/740円
    法務省「登記情報提供サービスの利用料金等一覧」(ページ表示:令和8年4月1日/「令和8年4月1日からの利用料金です」と明記。2026年9月12日確認)。登記手数料部分の額は登記手数料令第12条と一致します。

    安い代わりに、これは証明書ではありません。法務省は照会番号について「行政機関等に対するオンライン申請等において登記事項証明書の代わりに照会番号を添付する申請等を受け付けた行政機関等は、この照会番号に基づきインターネットで登記情報の確認を行います」「この確認をすることができる期間は、発行日から100日間」としたうえで、「行政機関等に対する申請等において照会番号を利用することができるかどうかについては、個々の手続ごとに異なりますので、当該行政機関等に御確認ください」と注記しています(原文)。民間の貸し手がこれを受け付けるかどうかを定めた公的な記載はありません(記載なし)。提出先に確認してください。

    法務省「登記情報提供制度の概要について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji25.html、法務省「登記情報提供サービスの利用料金等一覧」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji25-1.html(2026年9月12日確認)

    8. 担保に入れる段階でかかるもの/収入と本人確認の書類は別

    書類を揃えた先、抵当権の設定登記に進むと登録免許税がかかります。登録免許税法の別表第一 第一号(五)は、抵当権の設定の登記について、課税標準を「債権金額、極度金額又は不動産工事費用の予算金額」、税率を「千分の四」と定めています(原文)。この税率をそのまま当てると、債権金額1,000万円なら4万円という計算になります(算術)。租税特別措置法などによる軽減の適用可否は本記事では扱いません。

    なお、登録免許税法附則第7条は、別表第一 第一号の不動産の登記について、課税標準となる不動産の価額を「当分の間(略)固定資産課税台帳に登録された当該不動産の価格を基礎として政令で定める価額によることができる」と定めています。所有権に関する登記で評価額が効いてくるのはこの条文によるもので、抵当権の設定登記の課税標準は上記のとおり債権金額・極度金額です。

    もう1つ、登記の場面で出てくるのが登記識別情報です。不動産登記法第21条により登記完了時に登記名義人へ通知され、第22条は「登記権利者及び登記義務者が共同して権利に関する登記の申請をする場合(略)申請人は、その申請情報と併せて登記義務者(略)の登記識別情報を提供しなければならない」と定めています(原文)。ただし書で、提供できないことにつき正当な理由がある場合の例外も置かれています。

    ここまでが「不動産側」の書類です。収入や本人確認の書類は別系統で、カードローン等で収入証明書として使える書面はカードローンの収入証明書として使える書類に条文ベースでまとめています。不動産担保ローンが総量規制とどう関係するかは不動産担保ローンと総量規制を参照してください。借入先の登録の有無は申込みの前に確認できます(→貸金業者の登録を確認する手順、登録番号チェッカー)。返済額の見当は返済シミュレーターで先に出しておくと、書類を集める前に条件の当たりがつきます。不動産担保ローンを扱う業者の公的データの読み方は丸の内AMS株式会社を公的データで確認するも参考になります。

    e-Gov法令検索「登録免許税法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/342AC0000000035、「不動産登記法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123(2026年9月12日確認)

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    よくある質問

    登記事項証明書は、所有者本人でないと取れませんか?

    不動産登記法第119条第1項は「何人も、登記官に対し、手数料を納付して(略)交付を請求することができる」と定めています(原文・2026年9月12日確認)。同条第5項により、その不動産の所在地を管轄しない登記所の登記官に対しても請求できます。

    窓口とオンラインで手数料は変わりますか?

    変わります。登記手数料令では、登記事項証明書の交付は書面請求が1通600円(第2条第1項)、オンライン請求は窓口交付490円・送付520円(第3条第1項)です。法務省「登記手数料について」も同じ額を掲げています(2026年9月12日確認)。

    印鑑証明書はいつ取ればよいですか?

    不動産登記令第16条第3項は、登記申請書に添える印鑑に関する証明書について「作成後三月以内のものでなければならない」と定めています。代理人の権限を証する書面に添えるものも同令第18条第3項で同じ扱いです(原文・2026年9月12日確認)。

    固定資産評価証明書はいくらですか?

    地方税法・同施行令には額の定めが見当たりませんでした(記載なし)。地方自治法第228条第1項が「手数料に関する事項については、条例でこれを定めなければならない」としており、額は自治体ごとに異なります。お住まいの市区町村の条例・公式ページで確認してください(2026年9月12日確認)。

    登記情報提供サービスの画面を証明書の代わりに出せますか?

    法務省は同制度を登記情報を「確認することができる制度」と説明しており、証明書の交付制度とは別のものです。照会番号の利用可否についても「個々の手続ごとに異なりますので、当該行政機関等に御確認ください」と注記しています(原文・2026年9月12日確認)。民間の提出先で使えるかどうかを定めた公的な記載はありません(記載なし)。


    e-Gov法令検索「登記手数料令」 https://laws.e-gov.go.jp/law/324CO0000000140/「不動産登記法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123/「不動産登記令」 https://laws.e-gov.go.jp/law/416CO0000000379/「地方税法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226/「地方税法施行令」 https://laws.e-gov.go.jp/law/325CO0000000245/「地方自治法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000067/「商業登記法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125/「商業登記規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/339M50000010023/「登録免許税法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/342AC0000000035(いずれも2026年9月12日確認)

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    最終更新:2026年9月12日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索の条文原文、法務省、法務局、地方公共団体情報システム機構)のみを根拠に作成しています。手数料額・条文は上記各ページの2026年9月12日時点の記載に基づくもので、改正・改定により変更されることがあります。確認できなかった項目は「記載なし」と明記し、推測で補っていません。本記事は法律上・税務上の助言ではなく、また特定の金融商品を推奨するものではありません。手続の可否・必要書類・費用は、提出先および管轄の官公庁にご確認ください。

  • 不動産業(宅地建物取引業者)がビジネスローンを借りる前に確認すること|免許の有効期間・営業保証金・公的融資の条件を一次情報で確かめる手順

    不動産業(宅地建物取引業者)がビジネスローンを借りる前に確認すること|免許の有効期間・営業保証金・公的融資の条件を一次情報で確かめる手順

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    先に結論:不動産業の資金計画は、金利を比べる前に「免許の残り期間」と「事務所を増やしたときに動く供託金・分担金の額」を数えるところから始まります。宅地建物取引業法第3条第2項は免許の有効期間を五年と定め、同法施行令第2条の4は営業保証金の額を主たる事務所につき千万円・その他の事務所につき事務所ごとに五百万円と定めているからです。この記事は、宅地建物取引業者が借入れを検討する前に自分で確認できる公表情報だけを、条文と公式ページの表記のまま順に並べた記録です。個別の金融機関や各社のビジネスローンの審査に関する話は、公的データに存在しないため扱いません。

    1. 確認する順番(借入れの前に5つ)

    順確かめること一次情報の当て先
    ①免許の有効期間が、返済期間の途中で切れないか宅地建物取引業法 第3条第2項・第3項/同施行規則 第3条
    ②その資金使途(事務所の新設・移転)で、供託金や分担金がいくら動くか宅地建物取引業法 第25条・第26条・第64条の9/同施行令 第2条の4・第7条
    ③公表されている自社の掲載情報が、いまの実態と合っているか国土交通省 企業情報の閲覧システム/宅地建物取引業法 第8条・第10条
    ④公的融資の公表条件(限度額・期間・利率)日本政策金融公庫 一般貸付・金利情報
    ⑤信用保証の利用条件に、許認可の要件が入っていないか全国信用保証協会連合会 ご利用条件
    いずれも、借入先に問い合わせる前に自分で確認できる項目(2026年9月12日確認)。

    2. ①免許の有効期間は五年、更新の申請は「90日前から30日前まで」

    宅地建物取引業法第3条第1項は、二以上の都道府県の区域内に事務所を設置する場合は国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ事務所を設置する場合は当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事の免許を受けなければならないと定めています。そして同条第2項は「前項の免許の有効期間は、五年とする」と定め、第3項は「前項の有効期間の満了後引き続き宅地建物取引業を営もうとする者は、免許の更新を受けなければならない」と定めています(原文・2026年9月12日確認)。

    更新の申請時期は条文ではなく省令にあります。宅地建物取引業法施行規則第3条は「法第三条第三項の規定により同項の免許の更新を受けようとする者は、免許の有効期間満了の日の九十日前から三十日前までの間に免許申請書を提出しなければならない」と定めています(原文・2026年9月12日確認)。

    申請が間に合った場合の取り扱いも条文にあります。法第3条第4項は、更新の申請があった場合に有効期間の満了の日までに処分がなされないときは「従前の免許は、同項の有効期間の満了後もその処分がなされるまでの間は、なお効力を有する」と定め、第5項は更新されたときの有効期間を「従前の免許の有効期間の満了の日の翌日から起算する」と定めています。

    手数料も明文です。法第3条第6項を受けた施行令第2条第1項は、国土交通大臣免許の更新申請の手数料を「三万三千円(…電子情報処理組織を使用する方法により行う場合にあつては、二万六千五百円)」と定め、同条第2項は収入印紙で納付すると定めています(原文・2026年9月12日確認)。都道府県知事免許の手数料は各地方公共団体の定めによるため、この政令には記載なしです。

    借入れの検討では、ここが最初の突き合わせ点になります。返済期間が5年・7年・10年と伸びるほど、その途中に免許の更新が1回か2回は挟まります。更新の申請月と、返済計画上の資金繰りが薄い月が重ならないかを、先にカレンダーで見ておくと段取りが崩れにくくなります。

    e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」(昭和二十七年法律第百七十六号)第3条 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176/同「宅地建物取引業法施行令」(昭和三十九年政令第三百八十三号)第2条 https://laws.e-gov.go.jp/law/339CO0000000383/同「宅地建物取引業法施行規則」(昭和三十二年建設省令第十二号)第3条 https://laws.e-gov.go.jp/law/332M50004000012(いずれも2026年9月12日確認)

    3. ②事務所を1つ増やすと、借入れとは別に動くお金がある

    不動産業の設備投資で金額が大きくなりやすいのは、事務所の新設・移転です。ここは資金計画に直結する条文がそろっています。

    営業保証金の額は政令に書いてある

    法第25条第1項は「宅地建物取引業者は、営業保証金を主たる事務所のもよりの供託所に供託しなければならない」と定め、第2項はその額を政令に委ねています。受けている施行令第2条の4は、次のとおり定めています(原文・2026年9月12日確認)。

    「法第二十五条第二項に規定する営業保証金の額は、主たる事務所につき千万円、その他の事務所につき事務所ごとに五百万円の割合による金額の合計額とする。」

    そして法第26条第1項は「事業の開始後新たに事務所を設置したとき(第七条第一項各号の一に該当する場合において事務所の増設があつたときを含むものとする。)は、当該事務所につき前条第二項の政令で定める額の営業保証金を供託しなければならない」と定めています。支店を1つ開けば、内装や敷金とは別に500万円の供託が発生するという構造です。

    順序にも規定があります。法第25条第4項は供託したときに供託書の写しを添えて免許権者へ届け出ることを求め、第5項は「前項の規定による届出をした後でなければ、その事業を開始してはならない」と定めています。開業日を先に決めて動くと、届出が間に合わないまま開けられない期間が生じます。

    保証協会の社員なら「分担金」という別の額になる

    宅地建物取引業保証協会に加入している場合は、扱いが変わります。法第64条の13は「宅地建物取引業保証協会の社員は、第六十四条の八第一項の規定により国土交通大臣の指定する弁済業務開始日以後においては、宅地建物取引業者が供託すべき営業保証金を供託することを要しない」と定めています。代わりに法第64条の9第1項が弁済業務保証金分担金の納付を定め、その額は施行令第7条にあります(原文・2026年9月12日確認)。

    「法第六十四条の九第一項に規定する弁済業務保証金分担金の額は、主たる事務所につき六十万円、その他の事務所につき事務所ごとに三十万円の割合による金額の合計額とする。」

    納付の期限も条文にあります。法第64条の9第2項は、社員が新たに事務所を設置したときは「その日から二週間以内に…弁済業務保証金分担金を…納付しなければならない」と定め、第3項は期間内に納付しないときは「その地位を失う」と定めています。

    事務所の区分営業保証金(施行令 第2条の4)弁済業務保証金分担金(施行令 第7条)
    主たる事務所1,000万円60万円
    その他の事務所(1か所ごと)500万円30万円
    いずれも条文の原文から転記した額(2026年9月12日確認)。どちらの仕組みに拠るかで、事務所1か所あたりの資金負担は大きく変わる。

    「事務所」に当たるかどうかも政令で決まっている

    額を数える前提として、どの拠点が「事務所」に当たるかが問題になります。施行令第1条の2は、法第3条第1項の事務所を「一 本店又は支店(商人以外の者にあつては、主たる事務所又は従たる事務所)」「二 前号に掲げるもののほか、継続的に業務を行なうことができる施設を有する場所で、宅地建物取引業に係る契約を締結する権限を有する使用人を置くもの」と定めています(原文・2026年9月12日確認)。

    あわせて人の要件もあります。法第31条の3第1項は事務所等ごとに省令で定める数の専任の宅地建物取引士を置くことを求め、施行規則第15条の5の3は、事務所についてその数を「当該事務所において宅地建物取引業者の業務に従事する者の数に対する…宅地建物取引士…の数の割合が五分の一以上となる数」と定めています。法第31条の3第3項は、既存の事務所等が抵触するに至ったときは「二週間以内に…必要な措置を執らなければならない」と定めています。増員を伴う出店では、人の手当ても同じ表の中で数えることになります。

    都道府県をまたぐと免許そのものが替わる

    法第7条第1項は、知事免許を受けた者が二以上の都道府県の区域内に事務所を有することとなったとき等に、新しい免許を受けると「その者に係る従前の…免許は、その効力を失う」と定めています(いわゆる免許換え)。県外出店の資金を検討する場合、費用は供託だけで終わらない可能性があるということです。

    なお、還付があって保証金が不足したときは、法第28条第1項が「法務省令・国土交通省令で定める日から二週間以内にその不足額を供託しなければならない」と定めています。逆に事務所を減らして超過が生じた場合の取戻しは、法第30条第2項が「六月を下らない一定期間内に申し出るべき旨を公告し、その期間内にその申出がなかつた場合でなければ、これをすることができない」と定めています。入れるときは即時、戻すときは公告を経る——この非対称は、手元資金の計画に効きます。

    e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」第7条・第25条・第26条・第28条・第30条・第31条の3・第64条の9・第64条の13 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176/同「宅地建物取引業法施行令」第1条の2・第2条の4・第7条 https://laws.e-gov.go.jp/law/339CO0000000383/同「宅地建物取引業法施行規則」第15条の5の3 https://laws.e-gov.go.jp/law/332M50004000012(いずれも2026年9月12日確認)

    4. ③自社について公表されている情報を、先に自分で見ておく

    宅地建物取引業者の情報は、法律上も公開が前提になっています。法第8条第1項は国土交通省及び都道府県に宅地建物取引業者名簿を備えると定め、同条第2項は登載事項として「一 免許証番号及び免許の年月日」「四 第六十五条の規定による処分を受けたことがあるときは、当該処分の年月日及び内容」等を挙げています。法第10条は、この名簿等を「一般の閲覧に供しなければならない」と定め、施行規則第5条第1項は閲覧所を設けるべきことを定めています(原文・2026年9月12日確認)。

    オンラインでは、国土交通省が宅地建物取引業者等の企業情報を閲覧できるシステム(etsuran2.mlit.go.jp/TAKKEN/)を運用しています。同システムの画面には次の表記があります(2026年9月12日確認)。

    • 「掲載情報については、許可等行政庁が登録した情報を提供しております。個別業者の掲載情報については、許可等行政庁にお問い合わせ下さい。」
    • 「建設業者・宅建業者は月2回、マンション管理業者・賃貸住宅管理業者・住宅宿泊管理業者は月1回の頻度で掲載情報の更新作業を行っております」
    • 「2025/4/1更新 「宅地建物取引業者」について、業者概要内に従事者及び専任の宅地建物取引士の総数について追加しました。さらに、事務所毎の政令使用人氏名、専任の宅地建物取引士の人数の記載を追加しました。」

    つまり、事務所数・従事者数・専任の宅地建物取引士の人数といった項目は、取引先や金融機関も同じ画面で見ることができます。出店計画を説明する前に、公表されている自社の数字と手元の実態がずれていないかを見ておくと、説明の前提がそろいます。

    もう一つ、国土交通省は「ネガティブ情報等検索サイト」を運用しており、事業分野「不動産の売買・管理」の区分に「宅地建物取引業者」が掲載されています(2026年9月12日確認)。行政処分の調べ方の一般的な手順は行政処分の履歴を公的サイトで調べる手順にまとめています。

    e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」第8条・第10条 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176/同「宅地建物取引業法施行規則」第5条 https://laws.e-gov.go.jp/law/332M50004000012/国土交通省 企業情報の閲覧システム https://etsuran2.mlit.go.jp/TAKKEN//国土交通省「ネガティブ情報等検索サイト」 https://www.mlit.go.jp/nega-inf/(いずれも2026年9月12日確認)

    5. ④公庫の公表条件を見る(不動産業専用の制度は掲載されていない)

    日本政策金融公庫(国民生活事業)の「一般貸付」は、公式ページで「ほとんどの業種の中小企業の方にご利用いただけます(業種や経営内容等によってはご利用いただけない場合がございます)」と説明され、条件が次のとおり公表されています(2026年9月12日確認)。

    項目公表されている内容
    融資限度額運転資金 4,800万円/設備資金 4,800万円/特定設備資金 7,200万円
    ご返済期間運転資金 5年以内(特に必要な場合7年以内)<うち据置期間1年以内>/設備資金 10年以内<うち据置期間2年以内>/特定設備資金 20年以内<うち据置期間2年以内>
    利率(年)基準利率(ご返済期間または担保の有無によって異なる利率が適用されます)
    担保・保証人お客さまのご希望を伺いながらご相談させていただきます
    併用できる特例制度経営者保証免除特例制度/創業支援貸付利率特例制度/賃上げ貸付利率特例制度
    日本政策金融公庫「一般貸付」(国民生活事業)の公表内容(2026年9月12日確認)。同ページには「審査の結果、お客さまのご希望に沿えないことがございます。」との記載もある。

    基準利率の実数も公表されています。同公庫の金利情報ページによれば、令和8年9月1日現在、無担保で融資を利用し税務申告を2期終えている方の基準利率は年3.80〜5.40%、税務申告を2期終えていない方は年3.75〜5.35%、有担保の場合の基準利率は年2.80〜5.00%と掲載されています。遅延損害金の割合は「年9.10%(令和8年4月1日から令和9年3月31日までの貸付け)」と記載されています(2026年9月12日確認)。同ページは「融資制度、お使いみち、ご融資期間、担保の有無などによって異なる利率が適用されます」「利率は、金融情勢によって変動しますので、お借入金利(固定)は、記載されている利率とは、異なる場合があります」と注記しています。

    業種専用の制度についてです。同公庫「融資制度のご案内(国民生活事業)」のページには、業種で区切った入口として「生活衛生関係営業を営む方」「卸・小売、飲食サービス、食品関係の(製造)小売業を営む方 等」「観光に関する事業を営む方」「保育・介護や社会的課題の解決を目的とした事業を営む方」が掲載されていますが、不動産業・宅地建物取引業だけを対象とする制度は同ページに記載なしでした(2026年9月12日確認・同ページ本文に「不動産」の語は掲載されていません)。一般貸付は「事業を営むほとんどの業種の方(他の制度に該当しない方)」の区分に置かれています。自治体の制度融資については本記事では実査しておらず、各自治体の公式ページで確認してください。制度融資そのものの仕組みは制度融資とは、公庫と民間ローンの違いは日本政策金融公庫の融資とビジネスローンの違いにまとめています。

    日本政策金融公庫「一般貸付」 https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/jiyusij_m.html/同「金利情報 小規模事業者/個人事業主の方【国民生活事業】」 https://www.jfc.go.jp/n/rate//同「事業資金 小規模事業者/個人事業主の方【国民生活事業】(融資制度のご案内)」 https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/index_k.html(いずれも2026年9月12日確認)

    6. ⑤信用保証の利用条件には「許認可を受けていること」が入っている

    金融機関の融資に信用保証を付ける場合、利用条件が公表されています。全国信用保証協会連合会の「ご利用条件」ページは、業種について次のとおり記載しています(2026年9月12日確認)。

    「大半の商工業の業種は保証対象となりますが、農業、林業(素材生産業及び素材生産サービス業を除く)、漁業、金融・保険業(一部の金融・保険業を除く)の業種は保証対象外となります。また、許認可・届出等を要する事業を営んでいる(または、営む)場合は、当該事業に係る許認可等を受けている(または、受ける)ことが必要です。」

    ここで挙げられている保証対象外の業種に、不動産業は含まれていません。そして後段の一文は、宅地建物取引業者にそのまま当てはまります。宅建業の免許が有効であることが、信用保証の利用条件の側にも書かれているということです。第2節で免許の残り期間を最初に確認する理由は、ここにもあります。

    同ページはあわせて、次の点を記載しています。

    • 対象:「信用保証制度は、原則として中小企業信用保険法に定める中小企業・小規模事業者の方を対象としています」(資本金または常時使用する従業員数のいずれか一方が該当すれば対象。不動産業がどの規模区分に当たるかは同ページに明示がなく、本記事では扱いません)
    • 資金:「保証対象となる資金は、事業経営に必要な資金(運転資金および設備資金)に限られています」
    • 限度額:「普通保険の限度額2億円(組合4億円)と無担保保険の限度額8,000万円(組合も同額)を合わせた2億8,000万円(組合4億8,000万円)」
    • 区域:「原則として、各信用保証協会の管轄区域で事業を営んでいる必要があります」
    • 保証人:「連帯保証人が必要となる場合があります。ただし、法人代表者以外の連帯保証人は原則必要ありません。なお、個人事業者の場合、連帯保証人は原則必要ありません」

    制度の全体像は信用保証協会の保証とはに、申込時にそろえる資料の一般的な一覧は事業資金の借入れに必要な書類一覧にまとめています。

    一般社団法人 全国信用保証協会連合会「ご利用条件」 https://www.zenshinhoren.or.jp/guarantee-system/riyojoken/(2026年9月12日確認)

    7. 民間のビジネスローンを見るときに、条文で確かめられること

    公的融資と並行して民間のビジネスローンを検討する場合、貸し手が貸金業者であれば貸金業法が適用されます。借りる前に自分で確かめられるのは、次の3点です。

    法人ではなく個人事業主として借りる場合の総量規制の扱いは個人事業主の借入れと総量規制に、自社の不動産を担保に出す形の借入れにおける総量規制の条文上の整理は不動産担保ローンと総量規制にまとめています。手数料・スピード・金利については、各社サイトの表記を各社サイトで確認してください。当サイトはその内容を保証しません。

    e-Gov法令検索「貸金業法」(昭和五十八年法律第三十二号)第16条の2(契約締結前の書面の交付)・第17条(契約締結時の書面の交付) https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」 https://clearing.fsa.go.jp/kashikin/(いずれも2026年9月12日確認)

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    よくある質問

    支店を1つ出すのに、営業保証金はいくら要りますか?

    宅地建物取引業法施行令第2条の4は、営業保証金の額を「主たる事務所につき千万円、その他の事務所につき事務所ごとに五百万円の割合による金額の合計額」と定めています。宅地建物取引業保証協会の社員である場合は、施行令第7条により弁済業務保証金分担金が「主たる事務所につき六十万円、その他の事務所につき事務所ごとに三十万円」と定められています(2026年9月12日確認)。どちらの仕組みに拠るかで額が変わるため、自社がどちらかを先に確定させてから資金計画を立てることになります。

    免許の有効期間が切れそうです。借入れとどちらを先に進めますか?

    順序を定めた規定は、実査した一次情報には記載なしです。事実として確認できるのは、宅地建物取引業法第3条第2項の有効期間が五年であること、同法施行規則第3条が更新の申請期間を「有効期間満了の日の九十日前から三十日前までの間」と定めていること、同法第3条第4項が満了日までに処分がなされないときは従前の免許がなお効力を有すると定めていることです。また、全国信用保証協会連合会のご利用条件には、許認可・届出等を要する事業について当該許認可等を受けていることが必要と記載されています(2026年9月12日確認)。

    不動産業専用の公的融資はありますか?

    日本政策金融公庫(国民生活事業)の融資制度のご案内ページには、業種で区切った入口として生活衛生関係営業、卸・小売、飲食サービス、食品関係の(製造)小売業、観光に関する事業、保育・介護等が掲載されていますが、不動産業・宅地建物取引業だけを対象とする制度は同ページに記載なしでした(2026年9月12日確認)。一般貸付は「事業を営むほとんどの業種の方(他の制度に該当しない方)」の区分に置かれ、「ほとんどの業種の中小企業の方にご利用いただけます(業種や経営内容等によってはご利用いただけない場合がございます)」と説明されています。自治体の制度融資は本記事で実査していないため、各自治体の公式ページで確認してください。

    事務所を減らしたら、供託した営業保証金はすぐ戻りますか?

    宅地建物取引業法第30条第1項は、一部の事務所を廃止して営業保証金の額が政令で定める額を超えることとなったときの超過額について取戻しができると定めています。ただし同条第2項は、取戻しは権利を有する者に対し「六月を下らない一定期間内に申し出るべき旨を公告し、その期間内にその申出がなかつた場合でなければ、これをすることができない」と定めています(発生から十年を経過したときを除く)。手元資金として当てにする時期は、この公告期間を踏まえて見ておくことになります(2026年9月12日確認)。

    記事に載っている公庫の利率は、いま申し込んでも同じですか?

    本記事の数字は、日本政策金融公庫の金利情報ページに「令和8年9月1日現在」として掲載されていた表記を2026年9月12日に確認したものです。同ページは「利率は、金融情勢によって変動しますので、お借入金利(固定)は、記載されている利率とは、異なる場合があります」と注記しています。最新の数字は同ページで確認してください。

    各社のビジネスローンで、不動産業は通りやすいですか?

    個別の事業者の審査に関する情報は公的データに存在しないため、当サイトでは扱いません。公表情報から確認できるのは、登録の実在・法律上の上限金利・契約前に交付される書面の記載事項までです。


    e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176/「宅地建物取引業法施行令」 https://laws.e-gov.go.jp/law/339CO0000000383/「宅地建物取引業法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/332M50004000012/国土交通省 企業情報の閲覧システム https://etsuran2.mlit.go.jp/TAKKEN//国土交通省「ネガティブ情報等検索サイト」 https://www.mlit.go.jp/nega-inf//日本政策金融公庫「一般貸付」 https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/jiyusij_m.html・「金利情報」 https://www.jfc.go.jp/n/rate//全国信用保証協会連合会「ご利用条件」 https://www.zenshinhoren.or.jp/guarantee-system/riyojoken/(いずれも2026年9月12日確認)

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    最終更新:2026年9月12日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索・国土交通省・日本政策金融公庫・全国信用保証協会連合会)のみを根拠に作成しています。確認できなかった項目は「記載なし」と明記し、推測で補っていません。本記事は法律上の助言ではなく、また特定の金融商品を推奨するものではありません。

  • 不動産担保ローンの業者を借りる前に確認する手順|貸金業登録・宅建業免許・抵当権の登記を公的データで照合する

    不動産担保ローンの業者を借りる前に確認する手順|貸金業登録・宅建業免許・抵当権の登記を公的データで照合する

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    不動産担保ローンは、担保に出すものが「自宅」や「持っている土地」です。カードローンのように借入残高だけの問題では終わらないので、申込みの前に相手が何者かを確かめておく価値が、他の借入れより大きくなります。

    先に結論:確かめる窓口は3つの公的データベースと、担保に出す不動産の登記です。いずれも無料か、数百円で自分で開けます。この記事は、その4つを開く順番と、それぞれが何を答えてくれるのかを、条文と検索画面の実測だけで整理した記録です。個々の会社の優劣・審査の難易度には触れません。

    1. 照合に使う窓口と、それぞれが答えること

    3つのデータベースは、答えてくれる問いが違います。1つで足りるものではなく、別々の問いに別々の窓口が答える、という関係です。

    窓口答えてくれる問い根拠となる条文
    金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」その相手は、貸金業の登録を受けているか貸金業法第3条・第9条・第11条
    国税庁「法人番号公表サイト」その法人は実在するか。商号・所在地は変わっていないか―(国税庁長官が法人番号を指定・公表)
    国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」不動産の売買・仲介まで持ちかけられたとき、その免許はあるか宅地建物取引業法第2条第2号・第3条・第8条・第12条
    登記事項証明書(法務局)担保に出す不動産に、すでに何の担保が付いているか不動産登記法第59条・第83条・第88条・第119条
    2026年9月12日に実際に開いて確認した4つの窓口。

    e-Gov法令検索「貸金業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/「宅地建物取引業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176/「不動産登記法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123(いずれも2026年9月12日確認)

    2. 手順1:貸金業の登録を、金融庁の検索サービスで照合する

    貸金業法第3条第1項は、貸金業を営もうとする者は、二以上の都道府県の区域内に営業所又は事務所を設置する場合は内閣総理大臣の、一の都道府県の区域内にのみ設置する場合はその所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない、と定めています。同条第2項は「前項の登録は、三年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う」と書いています。

    そして第9条が「内閣総理大臣又は都道府県知事は、貸金業者登録簿を一般の閲覧に供しなければならない」と定めていて、その閲覧をウェブ上で行えるようにしたものが金融庁の検索サービスです。第11条第1項は、登録を受けない者が貸金業を営むことを禁じ、第2項で貸金業を営む旨の表示・広告と貸付けの契約の締結についての勧誘も禁じています。

    2026年9月12日に検索入力ページを開いたところ、入力欄は次の5種類でした(画面のラベルどおり)。

    • 登録番号(「第  号」の前後に分かれた2つの欄)
    • 所在地(都道府県を第一候補〜第三候補まで選べる)
    • 商号・名称
    • 代表者名(漢字・カタカナ/記入例:貸金 太郎)
    • 電話番号(半角/記入例:0312345678)

    ページ下部の「詳細検索へ」を押すと、さらに登録先・登録(更新)日・人格(個人/法人)・郵便番号・本店(主たる営業所)・日本貸金業協会会員番号・行政処分中の貸金業者(チェックボックス)が加わります。

    同じ日に商号欄だけで1回検索して結果画面の構造を確認したところ、結果は次の項目が横1列に並ぶ形でした。

    登録番号/登録(更新)日/人格/行政処分/商号・名称/代表者名/代表者名(フリガナ)/郵便番号/本店(主たる営業所)/電話番号/データ更新日/広告用電話番号/日本貸金業協会会員番号

    結果画面には注記が2つ付いています(原文)。「(注1)貸金業登録は3年ごとの更新のため、基本的に「登録(更新)日」から3年間登録有効です。」「(注2)「日本貸金業協会会員番号」欄に記載のある業者については、自主規制機関である日本貸金業協会に加入しています。」

    照合するときは、相手が名乗った登録番号・商号・電話番号・所在地の4点が、同じ1行の中で揃っているかを見ます。番号だけ一致して所在地や電話番号が違う場合、それは同じ行ではないかもしれません。手順の細部は貸金業者の登録を確認する手順、番号そのものの読み方は登録番号の見方、入力の補助には登録番号チェッカーを使えます。

    金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」 https://clearing.fsa.go.jp/kashikin//e-Gov法令検索「貸金業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032(いずれも2026年9月12日確認)

    3. このデータベースには「いつ時点か」という限界が書いてある

    金融庁は同サービスの「ご利用上の注意」で、データの性格を自分から明記しています(原文・2026年9月12日確認)。

    • 「このサービスで検索される情報は、貸金業者の登録を行っている各財務局・都道府県で閲覧できる貸金業者登録簿や、官報等の情報をもとに編集したものです。」
    • 「検索された情報は、各財務局・都道府県がデータの更新処理を行った時点のものであり、照会日現在のものではありません。」
    • 「このサービスで検索されない貸金業者は、各財務局・都道府県がデータ更新処理後に新規登録を行ったか、「貸金業法」に基づく登録を行っていない無登録業者(いわゆるヤミ金融)である可能性があります。」
    • 「本サービスにおいて一回の検索で表示される情報の上限は100件です。」
    • 「最新の情報やご不明な点は、登録番号欄に記載されている各財務局・都道府県にお問い合わせください。」

    つまり「出てこない=ヤミ金」と即断する道具ではなく、「出てこない=登録先の窓口に電話して確かめる段階に入った」という道具です。結果画面の各行に付く「データ更新日」が、その行の鮮度を示しています。

    さらに金融庁は「違法な金融業者にご注意!」のページで、番号そのものについてこう書いています(原文)。「登録番号を答えない業者は、無登録業者の可能性が高いです。」「登録番号があったとしても、架空の登録番号を使うなど登録業者を装う無登録業者もいますので、注意が必要です。」「疑わしい場合には、主たる営業所等の所在地を管轄する財務局又は都道府県の貸金業担当課に問い合わせ、登録されているか確認してください。」

    番号を名乗ることと、番号が登録簿にあることは別だ、と行政側が明言している——これが、わざわざ検索して照合する理由です。同じページは「借入れの前に利息計算・返済方法・返済期間・手数料・遅延損害金などを問い合わせ、具体的にきちんと説明できない業者からは借りないことです」「契約書を渡さない業者からは、借りないことです。」とも書いています。見分け方の型はヤミ金の見分け方、処分歴の調べ方は貸金業者の行政処分歴の調べ方にまとめています。

    金融庁「登録貸金業者情報検索サービス ご利用上の注意」 https://www.fsa.go.jp/ordinary/kensaku/chuui.html/金融庁「違法な金融業者にご注意!」 https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/index.html(いずれも2026年9月12日確認)

    4. 手順2:法人の実在と変更履歴を、国税庁の法人番号公表サイトで照合する

    国税庁の法人番号公表サイトは、「法人番号の指定を受けた法人等の基本3情報を検索することができます」と説明しています。基本3情報とは「1.商号又は名称、2.本店又は主たる事務所の所在地、3.法人番号」のことです。法人番号は「株式会社などの法人等が持つ13桁の番号」であり、同サイトは利用範囲の制約がなく自由に利用できると説明しています(いずれも2026年9月12日確認)。

    ここで見る価値が大きいのは、基本3情報そのものよりも変更履歴です。同サイトは基本3情報以外に公表する情報として「名称、所在地の変更履歴など」を挙げていて、検索条件にも「公表以後の変更履歴を検索対象に含める」というチェックがあります。加えて「登記記録の閉鎖等が生じた法人を検索対象に含める」「検索対象除外法人を検索対象に含める」という絞り込みも用意されています。

    照合の実務としては、公式サイトに書かれている所在地と、法人番号公表サイトに載っている登記上の所在地を突き合わせます。所在地の検索は「都道府県」「市区町村」「丁目番地等」で行い、注記に「例えば「三丁目」を検索する場合には「三」を算用数字の「3」に、「1番1号」を検索する場合には「1番1号」を「1-1」に置き換えて入力してください」とあります。法人種別の絞り込みには「株式会社・有限会社のみの検索はできません」という制約が明記されています。

    同名の法人が複数出てきたときは、所在地で切り分けます。この照合を個別の会社に当てた例は丸の内AMS株式会社を公的データで確認するとクレジットのニチデンの運営会社を公的データで確認するにあります。

    国税庁「法人番号公表サイト」 https://www.houjin-bangou.nta.go.jp//同「法人番号とは」 https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/setsumei/(いずれも2026年9月12日確認)

    5. 手順3:不動産の売買・仲介まで持ちかけられたら、宅建業の免許を照合する

    ここは誤解が起きやすいところなので、条文から順に置きます。宅地建物取引業法第2条第2号は「宅地建物取引業」を、「宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うもの」と定義しています。

    この定義に「お金を貸す」という行為は入っていません。したがって、不動産を担保に取って貸し付けること自体は、条文上この定義に当たる行為として書かれていません。宅建業の免許を持っていないことが、そのまま不動産担保ローンの問題になるわけではない、ということです。

    照合が意味を持つのは、話が貸付けの外側に伸びたときです。「担保の物件をうちで買い取る」「売却を仲介する」といった提案が同じ相手から出てきた場合、その部分は第2条第2号の売買・媒介に当たりうるため、免許の有無が問題になります。第3条第1項は、宅地建物取引業を営もうとする者は、二以上の都道府県に事務所を設置する場合は国土交通大臣の、一の都道府県にのみ設置する場合は都道府県知事の免許を受けなければならないと定め、第2項で「前項の免許の有効期間は、五年とする」としています。第12条は、免許を受けない者が宅地建物取引業を営むこと、および営む旨の表示・広告をすることを禁じています。

    第8条は「国土交通省及び都道府県に、それぞれ宅地建物取引業者名簿を備える」と定め、その登載事項の第1号に「免許証番号及び免許の年月日」、第4号に「第六十五条の規定による処分を受けたことがあるときは、当該処分の年月日及び内容」を挙げています。第10条は、この名簿を「一般の閲覧に供しなければならない」と定めています。

    ウェブ側の窓口が、国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムです。2026年9月12日に「宅地建物取引業者 検索」画面を開いて確認した入力欄は次のとおりでした。

    入力欄(画面のラベル)画面に書かれている注記
    商号又は名称(全角カナ検索)※商号又は名称は株式会社・有限会社等を除いた名称で入力してください。
    商号又は名称(漢字検索)
    AND条件/OR条件上の2つの欄の組み合わせ方
    免許番号(免許 第○号~第○号)免許行政庁をプルダウンで選ぶ。選択肢は「信託会社等」「00 国土交通大臣」「01 北海道」〜「47 沖縄県」ほか
    所在地検索指定都道府県を選択。事務所種別の選択肢は「本店」のみで、※本店選択メニュー 空欄時は事務所所在地も検索対象となります。
    結果をソート/検索結果表示昇順・降順の指定と、1ページあたりの表示件数
    国土交通省「宅地建物取引業者 検索」画面の入力欄(2026年9月12日確認)。

    画面の補足説明には「宅地建物取引業者については、国土交通大臣が免許をした業者と都道府県知事が免許をした業者の情報を掲載しております」とあります。ユーザマニュアル(全30ページ)は、詳細画面が「業者概要タブ:業者の基本情報」「事務所タブ:業者の事務所情報」に分かれていると説明しています。メニュー画面の「おしらせ」(2025/4/1更新)には、業者概要内に「従事者及び専任の宅地建物取引士の総数」、事務所ごとに「政令使用人氏名、専任の宅地建物取引士の人数」の記載を追加した、と書かれています。

    ただし鮮度には限界があります。同じ「おしらせ」に「建設業者・宅建業者は月2回…の頻度で掲載情報の更新作業を行っておりますが、更新のタイミングによっては、実際の情報とタイムラグが生じることもありますので、予めご了承下さい」「掲載情報については、許可等行政庁が登録した情報を提供しております」と明記されています。

    処分歴の側は、国土交通省のネガティブ情報等検索サイトに「不動産の売買・管理」という事業分野があり、その中に「宅地建物取引業者(デベロッパーやまちの不動産屋さんなど)」が置かれています。

    e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176/国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」 https://etsuran2.mlit.go.jp/TAKKEN//同 ユーザマニュアル https://etsuran2.mlit.go.jp/TAKKEN/manual/manual.pdf/国土交通省「ネガティブ情報等検索サイト」 https://www.mlit.go.jp/nega-inf/(いずれも2026年9月12日確認)

    6. 手順4:担保に出す不動産の登記を、申込みの前に自分で取る

    ここまでの3つは「相手を調べる」手順でした。4つ目は「自分が差し出すものを調べる」手順です。

    民法第369条第1項は、抵当権を「抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する」と定義しています。占有は移らない——つまり住み続けられる——代わりに、優先弁済の順番が生まれる仕組みです。

    その順番は登記で決まります。第373条は「同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による」と定めています。第374条第2項は、順位の変更は「その登記をしなければ、その効力を生じない」としています。第177条は、不動産に関する物権の変動は登記をしなければ第三者に対抗できない、と定めています。

    そして不動産登記法第119条第1項が「何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる」と定めています。何人も——請求できる人は所有者本人に限られません。第5項により、請求はその不動産の所在地を管轄する登記所以外の登記官に対してもできます。

    抵当権の登記に何が載るかは、第83条第1項と第88条に書かれています。第83条第1項は「債権額」「債務者の氏名又は名称及び住所」「二以上の不動産に関する権利を目的とするときは、当該二以上の不動産及び当該権利」などを、第88条第1項は「利息に関する定めがあるときは、その定め」「民法第三百七十五条第二項に規定する損害の賠償額の定めがあるときは、その定め」などを挙げています。根抵当権の場合は第88条第2項により「担保すべき債権の範囲及び極度額」が登記事項になります(根抵当権そのものは民法第398条の2第1項に「一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保する」ものとして定められています)。第59条は、権利に関する登記に共通の登記事項として「登記の目的」「申請の受付の年月日及び受付番号」「登記原因及びその日付」などを挙げています。

    手数料は法務省が公表しています(令和7年4月1日~)。

    取り方手数料
    登記事項証明書 書面請求600円
    登記事項証明書 オンライン請求・送付520円
    登記事項証明書 オンライン請求・窓口交付490円
    登記事項要約書の交付・登記簿等の閲覧500円
    法務省「登記手数料について」(令和7年4月1日~)より、不動産登記に関する主な手数料。1通の枚数が50枚を超える場合、超える枚数50枚までごとに登記事項証明書は100円が加算されると注記されている(2026年9月12日確認)。

    証明書ではなく画面で見るだけなら、登記情報提供サービスという選択肢もあります。法務省が公表している利用料金は、令和8年4月1日から登記記録の全部の情報(不動産、商業・法人)が1件330円(登記手数料320円+指定法人手数料10円)、所有者事項の情報(不動産)が140円、地図及び図面が記録されたファイルの情報が360円です。登録費用は個人300円・法人740円で、決済方法は個人がクレジットカード、法人が銀行預金口座からの引き落としと明記されています。

    申込みの前にこれを1通取っておくと、すでに付いている抵当権・根抵当権と、その順位・債権額・債務者が分かります。追加で担保に入れるという話であれば、自分が何番目の順位になるのかが、話を聞く前に見えている状態になります。担保と総量規制の条文上の関係は不動産担保ローンと総量規制に整理しています。

    e-Gov法令検索「民法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089/「不動産登記法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123/法務省「登記手数料について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/TESURYO/index.html/法務省「登記情報提供サービスの利用料金等一覧」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji25-1.html(いずれも2026年9月12日確認)

    7. 相手の側に法律が義務づけている「表示」を見る

    照合と並行して、相手が法律上出すことになっているものが揃っているかも見られます。

    貸金業法第14条第1項は、貸金業者に対し、営業所又は事務所ごとに、顧客の見やすい場所に、①貸付けの利率②返済の方式③返済期間及び返済回数④その営業所に置かれる貸金業務取扱主任者の氏名⑤内閣府令で定める事項、を掲示する義務を課しています。同条第2項は、第4号を除く事項を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供しなければならない——つまりウェブサイトに載せる——と定めています(事業の規模が著しく小さい場合などの例外あり)。公式サイトに貸付条件のページがあるかどうかは、この条文に対応する表示として見られます。

    第16条第1項は、広告・勧誘において「貸付けの利率その他の貸付けの条件について、著しく事実に相違する表示若しくは説明をし、又は実際のものよりも著しく有利であると人を誤認させるような表示若しくは説明をしてはならない」と定め、第2項では「借入れが容易であることを過度に強調することにより、資金需要者等の借入意欲をそそるような表示又は説明」などを禁じています。

    契約に進んだ場合は、第17条第1項により、遅滞なく、商号・名称・住所、契約年月日、貸付けの金額、貸付けの利率、返済の方式、返済期間及び返済回数、賠償額の予定に関する定めの内容などを記載した書面が交付されます。書面の中身の読み方は貸付契約の書面、金利の上限は金利の上限は法律でこう決まっている、返済額の見当は返済シミュレーターで確かめられます。

    e-Gov法令検索「貸金業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032(2026年9月12日確認)

    8. この手順では分からないこと

    正直に範囲を書いておきます。

    • 審査の結果は、この手順では何も分かりません。公的データベースは登録・免許・登記の事実を示すだけで、貸すかどうかを示すものではありません。
    • 金利や手数料の水準を公的に定めた一覧はありません(記載なし)。各社の表記は各社サイトで確認することになり、当サイトはその内容を保証しません。
    • 登録番号や免許証番号のカッコ内の数字の意味は、今回実査した条文には定義が見当たりませんでした(記載なし)。貸金業については第3条第2項の「三年ごとの更新」と、検索結果画面の注記(「登録(更新)日」から3年間登録有効)までが確認できた事実です。
    • データの鮮度は、金融庁側が「照会日現在のものではありません」、国土交通省側が「更新のタイミングによっては、実際の情報とタイムラグが生じることもあります」と、それぞれ自ら明記しています。最終的な確認先は、金融庁が案内している登録先の財務局・都道府県の貸金業担当課、国土交通省が案内している許可等行政庁です。

    金融庁「登録貸金業者情報検索サービス ご利用上の注意」 https://www.fsa.go.jp/ordinary/kensaku/chuui.html/国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」 https://etsuran2.mlit.go.jp/TAKKEN/(いずれも2026年9月12日確認)

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    よくある質問

    不動産担保ローンの会社に宅建業の免許は要りますか?

    宅地建物取引業法第2条第2号の「宅地建物取引業」の定義は、宅地・建物の売買・交換と、売買・交換・貸借の代理・媒介を業として行う行為です。この定義に貸付けは含まれていません。免許の有無が問題になるのは、担保物件の買取りや売却の仲介など、定義に当たりうる話が同じ相手から出てきた場合です。その場合は国土交通省の検索システムで免許番号・免許行政庁から照合できます(2026年9月12日確認)。

    登記事項証明書は、自分の持ち物でなくても取れますか?

    不動産登記法第119条第1項は「何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面…の交付を請求することができる」と定めています。手数料は法務省の公表で、書面請求600円、オンライン請求・送付520円、オンライン請求・窓口交付490円です(令和7年4月1日~・2026年9月12日確認)。

    金融庁の検索サービスに出てこない会社は、ヤミ金ですか?

    金融庁の「ご利用上の注意」は、検索されない貸金業者について「各財務局・都道府県がデータ更新処理後に新規登録を行ったか、「貸金業法」に基づく登録を行っていない無登録業者(いわゆるヤミ金融)である可能性があります」と両方の可能性を書いています。同庁は「最新の情報やご不明な点は、登録番号欄に記載されている各財務局・都道府県にお問い合わせください」とも案内しています(2026年9月12日確認)。

    登録番号を教えてもらえれば、それで確認は終わりますか?

    金融庁は「違法な金融業者にご注意!」で「登録番号があったとしても、架空の登録番号を使うなど登録業者を装う無登録業者もいますので、注意が必要です」と明記しています。番号を聞いたうえで、その番号・商号・所在地・電話番号が検索結果の同じ行で揃っているかを照合し、疑わしい場合は登録先の財務局または都道府県の貸金業担当課に問い合わせる、という手順が案内されています(2026年9月12日確認)。

    すでに住宅ローンの抵当権が付いている家でも担保にできますか?

    民法第373条は「同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による」と定めており、複数の抵当権が設定されうること自体は条文に書かれています。個別の可否は各社の判断であり、公的な一次情報には定めがありません(記載なし)。先に登記事項証明書を取れば、すでに設定されている抵当権の債権額・債務者・順位を確認できます(2026年9月12日確認)。


    金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」 https://clearing.fsa.go.jp/kashikin//金融庁「違法な金融業者にご注意!」 https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/index.html/国税庁「法人番号公表サイト」 https://www.houjin-bangou.nta.go.jp//国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」 https://etsuran2.mlit.go.jp/TAKKEN//法務省「登記手数料について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/TESURYO/index.html/e-Gov法令検索(貸金業法・宅地建物取引業法・民法・不動産登記法)(いずれも2026年9月12日確認)

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    最終更新:2026年9月12日/このページは公表されている一次情報(金融庁・国税庁・国土交通省・法務省・e-Gov法令検索)のみを根拠に作成しています。条文は2026年9月12日時点でe-Gov法令検索から取得した原文に基づき、手数料・検索画面の仕様は各公式ページの同日時点の記載に基づくもので、変更されることがあります。確認できなかった項目は「記載なし」と明記し、推測で補っていません。本記事は法律上の助言ではなく、特定の事業者を評価・推奨するものでもありません。

  • クレジットのニチデン(株式会社日電社)の運営会社を公的データで確認する|登録貸金業者は大阪と奈良の2社

    クレジットのニチデン(株式会社日電社)の運営会社を公的データで確認する|登録貸金業者は大阪と奈良の2社

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    先に結論:「ニチデン」の名で貸付けを行う株式会社日電社は、金融庁の登録貸金業者情報検索サービスに2件登録されています。大阪府知事(6)第12923号(代表者 木村 茂・本店 大阪府大東市北条1115番地)と、奈良県知事(7)第01139号(代表者 西川 正洋・本店 奈良県奈良市三条町606番地19)で、商号は完全に同一ですが登録番号も代表者も本店も別です。国税庁の法人番号公表サイトでも、この2社はそれぞれ別の法人番号を持っています。この記事は、2026年9月10日にその2つの公表データベースを検索し、公式サイト3つの表記と突き合わせた記録です。審査や商品の優劣は扱いません。

    1. 金融庁の登録貸金業者情報検索サービスでの検索結果

    商号「日電社」で検索すると2件が表示されました(2026年9月10日)。どちらも人格は「法人」、行政処分の欄は空欄です。

    項目1件目2件目
    登録番号大阪府知事(6)第12923号奈良県知事(7)第01139号
    登録(更新)日2024/07/302025/05/18
    商号・名称株式会社日電社株式会社日電社
    代表者名木村 茂(キムラ シゲル)西川 正洋(ニシカワ マサヒロ)
    郵便番号/本店574-0011/大阪府大東市北条1115番地630-8244/奈良県奈良市三条町606番地19
    電話番号07287674430742234444
    日本貸金業協会会員番号第002388号第002169号
    データ更新日2026/06/05 現在2026/07/06 現在
    金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」の検索結果(2026年9月10日)。商号が同一でも、登録は別々の2件です。

    結果画面には「(注1)貸金業登録は3年ごとの更新のため、基本的に『登録(更新)日』から3年間登録有効です。」「(注2)『日本貸金業協会会員番号』欄に記載のある業者については、自主規制機関である日本貸金業協会に加入しています。」と併記されています。

    登録先が「知事」である点は条文どおりです。貸金業法第3条第1項は、二以上の都道府県の区域内に営業所又は事務所を設置して事業を営もうとする場合は内閣総理大臣の登録、一の都道府県の区域内にのみ設置する場合はその所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならないと定めています。上の2件はいずれも知事登録なので、公表データから読めるのは「登録上の営業所又は事務所が1つの都道府県内に収まっている法人が2つある」ということです。同条第2項は「前項の登録は、三年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う」と定めています(→貸金業の登録番号(1)(2)の意味)。

    金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」 https://clearing.fsa.go.jp/kashikin//e-Gov法令検索「貸金業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032(いずれも2026年9月10日確認)

    2. 「広告用電話番号」を開くと、どの店舗がどちらの法人かが分かる

    検索結果の各行には「広告用電話番号を表示する」というリンクがあります。ここを開くと、その登録業者が広告に使う電話番号の一覧が表示されます。2件を開いた結果は次のとおりでした(2026年9月10日)。

    登録番号広告用電話番号の件数公式サイトの店舗表記と一致した番号
    大阪府知事(6)第12923号19件0663456677=06-6345-6677(梅田店)/0663821111=06-6382-1111(吹田店)/0663452341=06-6345-2341(梅田店FAX)/0663192627=06-6319-2627(吹田店FAX)
    奈良県知事(7)第01139号1件0742234444=0742-23-4444(奈良ニチデン)
    「広告用電話番号を表示する」画面の表示(2026年9月10日)。この画面のURLは検索のたびに変わるため、検索入力ページから辿り直す形でしか再現できません。

    ここが実務上いちばん使える確認点です。公式サイトに載っている店舗の電話番号が、どちらの登録業者の広告用電話番号として届け出られているかが分かるため、「サイトに書かれた店舗」と「登録簿の法人」を番号で結べます。大阪側の一覧に梅田店・吹田店の番号が、奈良側の一覧に奈良ニチデンの番号が入っていました(→貸金業者の登録を確認する手順)。

    金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」検索結果内「広告用電話番号を表示する」 https://clearing.fsa.go.jp/kashikin/(2026年9月10日確認)

    3. 国税庁 法人番号公表サイトでの検索結果

    商号「日電社」で部分一致検索すると7件が該当しました(2026年9月10日・登記記録の閉鎖等を含める条件)。

    法人番号商号又は名称本店又は主たる事務所の所在地
    3122001015755株式会社日電社大阪府大東市大字北条1115番地
    4250001002149株式会社日電社山口県防府市警固町1丁目6番51号
    5150001007743株式会社日電社奈良県奈良市三条町606番地19
    5300002001135有限会社日電社佐賀県佐賀市嘉瀬町大字中原385番地10
    6021001013561株式会社日電社神奈川県相模原市南区文京1丁目15番37号
    7500001010206株式会社日電社愛媛県新居浜市郷3丁目6番9号
    4010101011271株式会社日電社エナジーシステム東京都江東区有明3丁目7番26号
    「株式会社日電社」という商号の法人は全国に5件あります。うち貸金業の登録があるのは第1節の2件だけで、残り3件が何を営む法人かは、この画面からは分かりません。

    該当する2社の詳細画面の表示は次のとおりです(どちらも画面注記は「令和8年9月10日10時59分時点の情報です。」)。変更履歴はいずれも「公表以後の変更履歴について表示しています。」との注記つきで、記録は法人番号が指定された平成27年10月5日の「新規」1件のみでした。それ以前の商号変更や本店移転は確認できません(記載なし)。この画面に表示されるのは商号又は名称・フリガナ・本店又は主たる事務所の所在地・法人番号・最終更新年月日で、資本金や役員は表示されません。

    項目大阪奈良
    法人番号31220010157555150001007743
    最終更新年月日平成30年6月25日令和8年7月13日
    変更履歴「新規」(平成27年10月5日)の1件のみ「新規」(平成27年10月5日)の1件のみ
    国税庁「法人番号公表サイト」の変更履歴画面(2026年9月10日)。

    国税庁「法人番号公表サイト」 https://www.houjin-bangou.nta.go.jp//同「株式会社日電社の情報」(法人番号 3122001015755) https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/henkorireki-johoto.html?selHouzinNo=3122001015755/同(法人番号 5150001007743) https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/henkorireki-johoto.html?selHouzinNo=5150001007743(いずれも2026年9月10日確認)

    4. 2つのデータベースの照合結果

    照合項目大阪:金融庁 登録簿大阪:国税庁 法人番号結果
    商号株式会社日電社株式会社日電社一致
    所在地大阪府大東市北条1115番地大阪府大東市大字北条1115番地「大字」の有無だけ相違・番地は一致
    法人番号(掲載項目にない)3122001015755—
    貸金業登録番号大阪府知事(6)第12923号(掲載項目にない)—
    2026年9月10日時点。奈良側は「奈良県奈良市三条町606番地19」で両サイトの表記が完全に一致しました。

    両サイトを直接結ぶ公的な項目は存在しません(記載なし)。共通するのは商号と所在地だけなので、照合はその2つで行うことになります。今回の場合は商号が同一の法人が全国に5件あるため、商号だけでは特定できず、所在地の番地まで見て初めて1件に絞れました。逆に言えば、番地を見ずに商号だけで「登録がある会社だ」と判断すると、別の都道府県の同名法人と取り違えます(→貸金業者の登録を確認する手順、道具:登録番号チェッカー)。

    金融庁 https://clearing.fsa.go.jp/kashikin//国税庁 https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/(いずれも2026年9月10日確認)

    5. 公式サイトの表記と、貸金業法第14条の掲示事項

    「ニチデン」の名前で運用されている公式サイトは3つあり、いずれもフッタに株式会社日電社の貸金業登録番号が掲示されています。

    サイト掲げている内容(2026年9月10日確認)
    nichidensya.co.jp大阪梅田店・吹田店と奈良店の共通サイト。フッタに両方の登録番号(大阪府知事(06)第12923号/奈良県知事(7)第01139号)と協会会員番号(第002388号/第002169号)
    nichidensha.com梅田店・吹田店のサイト。会社概要あり=商号 株式会社日電社/代表者 代表取締役 木村 茂/本社 大阪府大東市大字北条1115番地/創業 1967年/資本金 30,000,000円/登録番号 大阪府知事(06)第12923号
    nichidensya-nara.com奈良ニチデンのサイト。「JR奈良駅徒歩1分! 創業50余年の実績」、住所 奈良県奈良市三条町606-19 奈良NDビル、電話 0742-23-4444。取得したページのいずれにも代表者名の記載なし
    会社概要が載っているのは nichidensha.com だけで、そこに書かれた代表者名・本社所在地は登録簿および法人番号公表サイトの大阪側の表示と対応します。

    貸金業法第14条第1項は、営業所等ごとに掲示すべき事項として①貸付けの利率 ②返済の方式 ③返済期間及び返済回数 ④貸金業務取扱主任者の氏名 ⑤その他内閣府令で定める事項を挙げ、同条第2項が④を除く各号を「電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供しなければならない」としています。貸金業法施行規則第11条第6項はその方法を「当該貸金業者のウェブサイトに掲載する方法」と具体化し、同条第3項第1号が⑤をイ 賠償額の予定に関する定めをする場合の賠償額の元本に対する割合/ロ 担保を供することが必要な場合の担保に関する事項/ハ 主な返済の例としています。共通サイトの「貸付条件」ブロックの並びは、この規定と対応しています。

    商品項目同社サイトの表記(2026年9月10日確認)
    フリーローンご融資額50万円迄(要審査)※担保・保証人は原則不要
    ご融資対象者収入のある方(会社員、自営業、パート、アルバイト、年金 等)
    お利息実質年率7.3%~17.52%
    遅延損害金年率20.0%
    ご返済方法5年以内(1ヶ月~60ヶ月)1~60回。元利定額リボルビング方式・一括払い
    不動産担保ローン対象不動産土地・建物・マンション・ビル等 未登記・共有名義分 借地上の建物 第二順位以下でも可
    お利息実質年率/4.8%~14.6%(但し要審査)/遅延損害金 年率20.0%
    ご返済方法・対応エリア20年以内(1ヶ月~240ヶ月)。1~240回。/大阪・奈良 ・和歌山・滋賀・三重・京都・兵庫
    事業者ローンお利息実質年率/4.8%~17.52%(但し要審査)/遅延損害金 年率20.0%
    ご返済方法20年以内(1ヶ月~240ヶ月)。1~240回。元金一括払・元金均等払・元利均等払・ボーナス併用返済(ご相談)
    共通サイトの「貸付条件」の転記(主な返済例の一部・返済金額の区分は割愛)。金利・返済期間・手続きの速さは同社サイトの表記であり、当サイトは内容を保証しません。

    数字の意味は法律の側で決まっています。利息制限法第1条は、元本10万円未満は年2割、10万円以上100万円未満は年1割8分、100万円以上は年1割5分を超える利息の契約はその超過部分を無効とし、同法第7条第1項は営業的金銭消費貸借の賠償額の予定を年2割までとしています。上の表の遅延損害金「年率20.0%」はこの上限と同じ水準の表記です。どの利息の上限が当たるかは契約ごとの元本額で決まるため、条件は契約前に交付される書面で確認します(→消費者金融・貸金業者の金利の上限、遅延損害金の上限、実質年率とは、契約書面は2回もらえる、道具:返済シミュレーター)。

    申込みや手続きに関する表記も同社サイトにあります。共通サイトのポイント欄は「初めての方なら100日間利息が0円!」「審査も最短10分 即日融資も可能」「お借り入れも来店不要!スマホで簡単」「午後2時までのお申し込みなら即日お振込みも可能」「ご指定の場所へ(訪問貸付)お届けも可能」と並び、店舗案内のページには「【ご注意】誠に恐れいりますがご融資対象地域を、「大阪府・京都府・兵庫県・和歌山県・奈良県・滋賀県・三重県」と限定させていただいております」との注記があります。これらも同社サイトの表記であり、当サイトは内容を保証しません。

    苦情の窓口は条文に紐づいています。共通サイトの「指定紛争解決機関に関するお知らせ」は「ニチデンは、貸金業法第12条の2の2に基づき、貸金業務に係る指定紛争解決機関:『日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター』との間で手続実施基本契約を締結いたしました。」と記載しています。同条第1項第1号は、指定紛争解決機関が存在する場合に「一の指定紛争解決機関との間で手続実施基本契約を締結する措置」を講じなければならないと定め、同条第2項はその相手方の商号又は名称を公表しなければならないとしています。つまりこの掲載自体が法律上の義務の履行にあたります。

    株式会社日電社(共通サイト) https://www.nichidensya.co.jp//同「フリーローン」 https://www.nichidensya.co.jp/free.html/同「不動産担保ローン」 https://www.nichidensya.co.jp/fudosan.html/同「事業者ローン」 https://www.nichidensya.co.jp/jigyo.html/同「お問い合わせ・店舗のご案内」 https://www.nichidensya.co.jp/shop.html/同「指定紛争解決機関に関するお知らせ」 https://www.nichidensya.co.jp/sitei.html/ニチデン 梅田店・吹田店 https://www.nichidensha.com//奈良ニチデン https://www.nichidensya-nara.com/about/e-Gov「貸金業法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000040040/同「利息制限法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000100(いずれも2026年9月10日確認)

    6. 「不動産担保ローンは総量規制の対象外」という表記の条文上の根拠

    共通サイトの不動産担保ローンのページには「総量規制の対象外 年収の3分の1以上の借入も可能(※自宅以外の担保の場合)。」と書かれています。この但し書きの位置は、条文の括弧書きと対応しています。

    貸金業法第13条の2第2項は「個人過剰貸付契約」を、個人顧客合算額が年間の給与等の額に3分の1を乗じて得た額(基準額)を超えることとなる契約と定義し、同条第1項がその締結を禁じています。そのうえで、同条第2項の括弧書きが「住宅資金貸付契約その他の内閣府令で定める契約」を除いており、これを受けた貸金業法施行規則第10条の21第1項第6号が不動産を担保とする貸付けに係る契約を挙げています。ただしその括弧の中で、「個人顧客若しくは担保を提供する者の居宅、居宅の用に供する土地若しくは借地権又は当該個人顧客若しくは担保を提供する者の生計を維持するために不可欠なものを除く」と定められています。同号はさらに「当該個人顧客の返済能力を超えないと認められるもの」で、かつ「貸付けの金額が…当該不動産の価格の範囲内であるものに限る」としています。

    同条第2項第5号は、この類型の契約についてイ 当該不動産の価格の算出の根拠を記載した書面/ロ 当該不動産の登記事項証明書/ハ 担保権が実行された場合には、当該不動産が売却される可能性があることについての当該個人顧客又は担保を提供する者の同意書を保存すべきものとしています。ハの同意書が要求されていること自体が、この枠組みの性格を示しています(→不動産担保ローンと総量規制、総量規制とは、対象外となる借入れ、丸の内AMS株式会社を公的データで確認する)。

    収入証明の線引きも条文が決めています。貸金業法第13条第3項は、その貸金業者からの借入額の合計が50万円を超える場合などに、源泉徴収票その他の資力を明らかにする書面等の提出を受けなければならないと定めています。また同条第2項は、個人と貸付けの契約を締結しようとする場合に指定信用情報機関が保有する信用情報を使用しなければならないとしており、共通サイトが「加盟指定信用情報機関 株式会社日本信用情報機構(JICC)」と掲示しているのはこの枠組みに対応する表記です(→収入証明書として使える書類、指定信用情報機関とは、個人事業主の借入れと総量規制)。

    株式会社日電社「不動産担保ローン」 https://www.nichidensya.co.jp/fudosan.html/e-Gov法令検索「貸金業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/同「貸金業法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000040040(いずれも2026年9月10日確認)

    7. 3つのサイトで登録番号のカッコ内が揃っていない

    対象出どころ表記(2026年9月10日確認)
    大阪の法人金融庁 登録簿大阪府知事(6)第12923号(登録(更新)日 2024/07/30)
    nichidensya.co.jp フッタ大阪府知事(06)第12923号
    nichidensha.com 会社概要・フッタ大阪府知事(06)第12923号
    nichidensya-nara.com 下部大阪府知事(05)第12923号
    奈良の法人金融庁 登録簿奈良県知事(7)第01139号(登録(更新)日 2025/05/18)
    nichidensya.co.jp フッタ奈良県知事(7)第01139号
    nichidensya-nara.com(取得したページのいずれも)奈良県知事(6)第01139号/掲示された「貸金業者登録票」の登録有効期限は令和4年5月17日~令和7年5月17日
    番号本体(第12923号/第01139号)と登録先(大阪府知事/奈良県知事)はすべて一致しています。異なるのはカッコ内の数字だけです。

    カッコ内が何かは公的資料に説明があります。財務省中国財務局の資料は、登録番号の形式を「○○財務局長(○)第○○○○○号」または「○○○知事(○)第○○○○○号」と示したうえで、「カッコ内の数字(○)は登録更新回数を表しております。貸金業者は、3年に1度登録を更新することになっているので、初めて登録を受けた時は(1)となり、3年後の登録更新時には(2)といったように、3年毎に数字が増えていきます」と説明しています。つまり更新のたびに1つ増えます。

    奈良側について、公表データから読めるのはここまでです。奈良ニチデンのサイトに掲示された登録票の有効期限は令和7年5月17日まで、登録簿の登録(更新)日は2025年5月18日、現在の登録簿の表示は(7)。この3つが並んでいるという事実だけで、どのページがいつ時点のものかについての説明は同社サイトに記載なしでした。大阪側の(05)と(06)の差についても同様に説明は記載なしです。

    ここから引ける実務上の結論は1つです。広告やサイトの番号と登録簿の番号が「カッコ内まで」一致するかどうかを、確認の合否条件にしない。照合するのは登録先(知事か財務局長か)・番号本体・商号・所在地・電話番号です。逆にこれらが食い違うときは、その番号を根拠に判断しないでください。中国財務局は「登録番号が表示がされていても、虚偽の番号であるなど、登録詐称の場合があります」と注意喚起しており、金融庁も、検索された情報は「各財務局・都道府県がデータの更新処理を行った時点のものであり、照会日現在のものではありません」と明記しています(→無登録業者(ヤミ金)の見分け方、貸金業者の行政処分歴の調べ方、「無審査」をうたう融資広告はなぜ違法か)。

    なお、同じ共通サイトの中でも数字が揃っていない箇所があります。トップページの本文は「初めての方なら100日間利息が0円!」ですが、同じページのHTMLに書かれた説明文(meta description)は「最大90日間金利0円!」でした。無利息の期間が何日なのかは、契約前に交付される書面で確かめる項目です。

    財務省中国財務局「ヤミ金融の見分け方(詳細)」 https://lfb.mof.go.jp/chugoku/kinyusyouken/kin3/kashikin/yamikinteguti.pdf/金融庁「ご利用上の注意」 https://www.fsa.go.jp/ordinary/kensaku/chuui.html/株式会社日電社(共通サイト) https://www.nichidensya.co.jp//奈良ニチデン https://www.nichidensya-nara.com/about/ニチデン 梅田店・吹田店 https://www.nichidensha.com/(いずれも2026年9月10日確認)

    8. 扱っていないことと、自分で同じ確認をする手順

    • 2社の資本関係・グループ関係:公表データに項目がないため扱いません。書けるのは「同じ商号で別々に登録されている」という事実までです。
    • 審査に関する情報:公的データに存在しないため扱いません。
    • 行政処分の履歴:登録簿の「行政処分」欄は2件とも空欄でしたが、同欄がどの範囲・時点を反映するかの説明は記載なしです。
    • 日本貸金業協会の会員検索での再照合:未実施です(会員番号は登録簿の表示を根拠にしています)。
    • 奈良の法人の代表者名と創業年:公式サイトに記載なしです(「創業50余年の実績」とあるのみ)。大阪の「創業 1967年」は別法人のサイトの表記なので、奈良側に当てはめていません。
    1. 広告や公式サイトから登録番号・商号・電話番号・所在地の4点を控える。
    2. 金融庁の検索サービスで商号または登録番号を検索して照合する(検索項目は所在地・商号・名称・代表者名・電話番号)。
    3. 同じ語で複数社がヒットする前提で商号を最後まで読み、代表者名と本店まで見る(「日電社」では登録簿に2件、しかも商号は同一でした)。
    4. 結果行の「広告用電話番号を表示する」を開き、サイトに載っている店舗の番号が入っているかを見る。ここで店舗と法人が結びつきます。
    5. 国税庁の法人番号公表サイトで商号を検索し、番地まで一致するかを見る(「日電社」では全国7件、うち同一商号の株式会社が5件でした)。
    6. カッコ内の数字は登録番号チェッカーで読み解き、返済額は返済シミュレーターで試算する。極度額と利用限度額の違いはこちらで確認できます。

    貸金業法第11条第1項は「第三条第一項の登録を受けない者は、貸金業を営んではならない」と定め、第2項で無登録者が貸金業を営む旨の表示・広告や勧誘を禁じています。さらに同条第3項は「貸金業者は、貸金業者登録簿に登録された営業所又は事務所以外の営業所又は事務所を設置して貸金業を営んではならない」としています。登録の実在を先に確かめる意味はこの条文にあります(同じ手順の記録=キャッシング「セントラル」の運営会社を公的データで確認する、キャッシング「フタバ」の運営会社を公的データで確認する)。

    登録と法人番号を確認したうえで、公式サイトの条件を見る

    貸付条件は、この記事で金融庁登録簿と国税庁法人番号公表サイトを照合した株式会社日電社(クレジットのニチデン)の公式サイトに書かれています。本文の登録番号と申込先の表記が一致しているかを見てから進んでください。

    公式サイトを見る(ニチデン)広告/不動産担保・事業者・フリーローン。当サイトは審査の通りやすさを評価しません

    本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の申込により報酬を受け取る場合があります。広告先の表示内容を当サイトが保証するものではありません。

    よくある質問

    株式会社日電社は登録貸金業者として実在しますか?

    2026年9月10日の検索では、金融庁の登録簿に「株式会社日電社」が2件表示されました。大阪府知事(6)第12923号(本店 大阪府大東市北条1115番地・代表者 木村 茂)と、奈良県知事(7)第01139号(本店 奈良県奈良市三条町606番地19・代表者 西川 正洋)です。国税庁の法人番号公表サイトでも、同じ所在地の法人がそれぞれ法人番号 3122001015755 と 5150001007743 として表示されました。両サイトを直接結ぶ共通項目はないため、照合したのは商号と所在地です。

    なぜ同じ「株式会社日電社」が2つあるのですか?

    公表データから分かるのは、登録番号・代表者名・本店・日本貸金業協会会員番号がいずれも別の2法人が、同じ商号で登録されているという事実だけです。2社の関係についての説明は公表データにも公式サイトにも記載なしでした。どちらの法人と契約することになるのかは、契約前に交付される書面に記載された商号・登録番号で確認してください。

    金利や返済期間はいくらですか?

    同社サイトの「貸付条件」の表記では、フリーローンが実質年率7.3%~17.52%、不動産担保ローンが実質年率4.8%~14.6%、事業者ローンが実質年率4.8%~17.52%、遅延損害金はいずれも年率20.0%です(2026年9月10日確認)。返済は不動産担保ローンと事業者ローンが20年以内(1~240回)、フリーローンが5年以内(1~60回)と記載されています。これらは同社サイトの表記であり、当サイトは内容を保証しません。

    不動産担保ローンなら年収の3分の1を超えて借りられますか?

    同社サイトには「総量規制の対象外 年収の3分の1以上の借入も可能(※自宅以外の担保の場合)」と記載されています。条文の側では、貸金業法施行規則第10条の21第1項第6号が不動産を担保とする貸付けの契約を個人過剰貸付契約から除いていますが、その括弧書きで「個人顧客若しくは担保を提供する者の居宅、居宅の用に供する土地若しくは借地権又は…生計を維持するために不可欠なものを除く」としています。返済能力を超えないと認められること、貸付けの金額が不動産の価格の範囲内であることも同号の条件です。

    どのエリアが対象ですか?

    同社サイトの店舗案内には「ご融資対象地域を、『大阪府・京都府・兵庫県・和歌山県・奈良県・滋賀県・三重県』と限定させていただいております」と記載があり、不動産担保ローンのページの対応エリアも「大阪・奈良 ・和歌山・滋賀・三重・京都・兵庫」と表記されています(2026年9月10日確認・同社サイトの表記)。


    金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」 https://clearing.fsa.go.jp/kashikin//国税庁「法人番号公表サイト」 https://www.houjin-bangou.nta.go.jp//e-Gov法令検索「貸金業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/財務省中国財務局 https://lfb.mof.go.jp/chugoku/kinyusyouken/kin3/kashikin/yamikinteguti.pdf(いずれも2026年9月10日確認)

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    登録と法人番号を確認したうえで、公式サイトの条件を見る

    貸付条件は、この記事で金融庁登録簿と国税庁法人番号公表サイトを照合した株式会社日電社(クレジットのニチデン)の公式サイトに書かれています。本文の登録番号と申込先の表記が一致しているかを見てから進んでください。

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    最終更新:2026年9月10日/このページは公表されている一次情報(金融庁 登録貸金業者情報検索サービス・国税庁 法人番号公表サイト・e-Gov法令検索・財務省中国財務局・株式会社日電社の公式サイトの表記)のみを根拠に作成しています。掲載内容は同日に検索・取得した結果で、その後変更されている可能性があります。金利・返済期間・手続きの速さは同社サイトの表記であり、当サイトは保証しません。確認できなかった項目は「記載なし」と明記し、推測で補っていません。特定の事業者を推奨・非推奨するものではなく、順位付けや優劣の比較も行っていません。

  • カードローンの極度額と利用限度額の違い|条文にある言葉は「極度額」だけ——貸金業法2条7項・13条の3を原文で確認

    カードローンの極度額と利用限度額の違い|条文にある言葉は「極度額」だけ——貸金業法2条7項・13条の3を原文で確認

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    カードローンの説明を読んでいると、「極度額」と「利用限度額」という2つの言葉が出てきます。同じものなのか、違うものなのか。申込前に調べても、はっきりしないまま契約書に進むことになりがちです。

    先に結論:貸金業法とその施行規則の条文に出てくるのは「極度額」だけでした。「利用限度額」という語は、法令の全文を検索して0件です。そして法律は、その「極度額」と、貸金業者が別に提示する「極度額を下回る額」を、契約書面の記載事項として書き分けています。

    この記事は、e-Gov法令検索が配信する貸金業法・貸金業法施行規則の法令データと、金融庁が公表している「貸金業法Q&A」だけを根拠に、条文がどの言葉をどう使っているかを確認した記録です。各社の商品説明で「利用限度額」が何を指すかは各社が定めるものなので、当サイトでは「極度額と利用限度額は同じ意味です」とは断定しません。枠が増える・減る条件も、条文には書かれていないため扱いません。

    1. 条文にある言葉は「極度額」——「利用限度額」「途上与信」は0件

    貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)第2条第7項は、カードローンの土台になる契約を次のように定義しています(原文・2026年9月5日確認)。

    「この法律において『極度方式基本契約』とは、貸付けに係る契約のうち、資金需要者である顧客によりあらかじめ定められた条件に従つた返済が行われることを条件として、当該顧客の請求に応じ、極度額の限度内において貸付けを行うことを約するものをいう。」

    続く第8項は「『極度方式貸付け』とは、極度方式基本契約に基づく貸付けをいう」と定めています。つまり法律の組み立ては、枠を決める契約(極度方式基本契約)とその枠から実際に引き出す貸付け(極度方式貸付け)の2階建てです。

    では「利用限度額」はどこに出てくるのか。e-Gov法令検索が配信する法令データの全文を機械的に数えると、結果は次のとおりでした(2026年9月5日確認)。

    語貸金業法(本則)貸金業法施行規則(本則)
    極度額20回27回
    極度方式基本契約53回154回
    利用限度額0回0回
    限度額0回0回
    途上与信0回0回
    与信0回0回
    e-Gov法令検索の法令データ(貸金業法 lawId=358AC1000000032/貸金業法施行規則 lawId=358M50000040040)の本文テキストを連結して文字列カウントした結果。「本則」は附則を除いた部分。附則を含む全文でも、利用限度額・限度額・途上与信・与信はいずれも0回でした(2026年9月5日確認)。

    よく使われる「途上与信」も、条文の言葉ではありません。後述する第13条の3が定めているのは「調査」という語で、業界や解説で使われる呼び名が条文に載っているわけではない、というだけのことです。

    ここから言えるのは、次の1点に限られます。法律用語は「極度額」であり、「利用限度額」は法令に定義のない表記である。各社サイトの「利用限度額」が極度額と同じ額を指すのか、後述する「極度額を下回る額」を指すのかは、その会社の表記によります。契約前書面と契約書面に何と書かれているかが、確認できる唯一の一次情報です。

    e-Gov法令検索「貸金業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/同「貸金業法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000040040(いずれも2026年9月5日確認)

    2. 法律は「極度額」と「それを下回る額」を書き分けている

    ここが、この記事でいちばん実務的な部分です。貸金業法第16条の2第2項は、極度方式基本契約を結ぶ前に交付される書面の記載事項を並べていますが、その第2号は次のようになっています(原文・2026年9月5日確認)。

    「二 極度額(貸金業者が極度方式基本契約の相手方となろうとする者に対し貸付けの元本の残高の上限として極度額を下回る額を提示する場合にあつては、当該下回る額及び極度額)」

    第17条第2項第3号も、契約を結んだときに交付される書面について、ほぼ同じ書きぶりです(「当該下回る額及び極度額」)。

    つまり法律は、1つの契約に「極度額」と「貸金業者が提示した、それを下回る額」という2つの数字が併存しうることを前提にしています。しかも「下回る額」だけでなく「及び極度額」=両方を書面に書け、と定めています。手元の書面に金額が2つ並んでいたとしても、それは誤記ではなく条文どおりの記載です。

    条文いつの書面か金額の記載事項
    貸金業法 第16条の2第2項第2号極度方式基本契約を締結するまで極度額(下回る額を提示する場合は、当該下回る額及び極度額)
    貸金業法 第17条第2項第3号極度方式基本契約を締結したとき(遅滞なく)極度額(下回る額を提示する場合は、当該下回る額及び極度額)
    いずれの条文も、ほかに貸金業者の商号・名称・住所、貸付けの利率、返済の方式、賠償額の予定の定めがあるときはその内容などを記載事項として挙げています(2026年9月5日確認)。書面の記載事項の全体像は別記事にまとめています。

    2回もらえる書面のチェックリストは貸付契約の書面は「契約前」と「契約時」の2回もらえるに、利率の表示の読み方は実質年率とはに整理しています。

    e-Gov法令検索「貸金業法」第16条の2・第17条 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032(2026年9月5日確認)

    3. 申込みのとき:50万円・100万円で収入証明の提出義務が生じる

    枠の数字が効いてくる最初の場面が、申込時の調査です。貸金業法第13条第1項は「貸金業者は、貸付けの契約を締結しようとする場合には、顧客等の収入又は収益その他の資力、信用、借入れの状況、返済計画その他の返済能力に関する事項を調査しなければならない」と定め、第2項は個人が相手方の場合に「指定信用情報機関が保有する信用情報を使用しなければならない」としています。

    そのうえで第3項は、次のいずれかに当たるとき、源泉徴収票などの資力を明らかにする書面等の提出または提供を受けなければならないと定めています(原文・2026年9月5日確認)。

    • 第1号:当該貸金業者合算額が五十万円を超える場合。ここで合算される「貸付けの金額」は、極度方式基本契約にあつては極度額(貸金業者が元本残高の上限として極度額を下回る額を提示する場合は、当該下回る額)と明記されています。
    • 第2号:他社分を含む個人顧客合算額が百万円を超える場合(第1号に当たる場合を除く)。他社分は「指定信用情報機関から提供を受けた信用情報により判明した」残高の合計額です。

    注目したいのは第1号の書きぶりです。判定に使われるのは実際に借りた残高ではなく、枠そのもの(極度額、または提示された下回る額)です。1円も引き出していなくても、枠を設定した時点で50万円の線を越えることがある、という構造になっています。

    金融庁も「貸金業法Q&A」で同じ内容を、利用者向けの言葉で説明しています(原文・2026年9月5日確認)。

    「規制上は、個人がお金を借りる場合(リボルビング契約の借入枠を設定する場合も含む)、(1) ある貸金業者から50万円を超えて借りるとき (2) 他の貸金業者から借りている分も合わせて100万円を超えて借りるとき のどちらかに当てはまれば、『年収を証明する書類』の提出が必要となります。それ以外の借入れであれば、自己申告に基づき年収を確認することとなります。」

    ここでも、条文が「極度額」と呼ぶものを、金融庁のQ&Aは「借入枠」と呼んでいます。同じ対象を指す言葉が、法令・監督官庁の解説・各社の商品説明で三者三様になっている——それが「極度額と利用限度額はどう違うのか」という疑問の正体です。

    なお同Q&Aは「年収を証明する書類」として、源泉徴収票・支払調書・給与の支払明細書・確定申告書・青色申告決算書・収支内訳書・納税通知書・納税証明書・所得証明書・年金証書・年金通知書の11種類を挙げています(2026年9月5日確認)。

    e-Gov法令検索「貸金業法」第13条 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/金融庁「貸金業法Q&A」 https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/qa.html(いずれも2026年9月5日確認)

    4. 「年収の3分の1」=基準額と、枠の扱い

    貸金業法第13条の2第2項は、締結してはならない「個人過剰貸付契約」を定義するなかで、基準額を「その年間の給与及びこれに類する定期的な収入の金額として内閣府令で定めるものを合算した額に三分の一を乗じて得た額」と定めています(原文・2026年9月5日確認)。これがいわゆる総量規制です。

    同項でひとつ見落とされやすいのが、個人過剰貸付契約の定義から「極度方式貸付けに係る契約を除く」と書かれている点です。枠から1回引き出すたびに個別に判定するのではなく、枠のほうを別の条文(第13条の3)で見る建て付けになっています。その第13条の3は、この記事の5章で扱います。

    金融庁のQ&Aは、この規制の効果を具体的な数字で説明しています(原文・2026年9月5日確認)。

    • 「貸金業者からの借入残高が年収の3分の1を超える場合は、新たな借入れはできなくなる…例えば、年収300万円の方は、貸金業者から100万円までしか借りることができない」
    • 「複数の貸金業者から借りている場合、全ての貸金業者からの借入れの合計が、年収の3分の1以内であることが必要です。…例えば、年収300万円の方が、貸金業者Aに80万円の借入れがある場合、貸金業者Bからは、20万円(300万円×1/3-80万円=20万円)までしか借りることができません」
    • 「貸金業者からの借入残高のデータは、厳格な情報管理のもと、『指定信用情報機関』に集められることとなっています」

    総量規制そのものの条文は総量規制とは、対象から外れる貸付けは総量規制の対象外となる借入れ、個人事業主の扱いは個人事業主の借入れと総量規制、記録される情報の枠組みは指定信用情報機関とはにまとめています。

    e-Gov法令検索「貸金業法」第13条の2 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/金融庁「貸金業法Q&A」 https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/qa.html(いずれも2026年9月5日確認)

    5. 利用中に枠が調べ直される仕組み——第13条の3と施行規則10条の24・10条の25

    契約したあとも、枠は放置されません。貸金業法第13条の3は、2種類の調査を貸金業者に義務づけています(原文・2026年9月5日確認)。

    第1項は、極度方式貸付けの「時期、金額その他の状況を勘案して内閣府令で定める要件に該当するとき」に、指定信用情報機関の保有する信用情報を使用して、その契約が「基準額超過極度方式基本契約」に当たるかどうかを調査しなければならない、と定めます。第2項は、それとは別に「内閣府令で定める期間ごとに」同じ調査をしなければならない、と定めています(ただし残高が少額である場合その他の内閣府令で定める場合を除く)。

    「内閣府令で定める要件」「内閣府令で定める期間」の中身は、貸金業法施行規則にあります。数字はすべて原文どおりです(2026年9月5日確認)。

    根拠条文内容(原文の数値)
    施行規則 第10条の24第1項第1号契約期間を一月ごとの期間に区切り、その期間内の極度方式貸付けの金額の合計額が五万円を超え、かつ、その期間の末日の極度方式貸付けの残高の合計額が十万円を超えること(他の極度方式基本契約に基づく金額・残高を含む)
    施行規則 第10条の24第1項第2号第10条の25第3項第3号などの措置を解除しようとする場合であること
    施行規則 第10条の24第2項上記の基準を満たした場合、その期間の末日から三週間を経過する日までに、指定信用情報機関に個人信用情報の提供の依頼をしなければならない
    施行規則 第10条の25第1項法第13条の3第2項の「内閣府令で定める期間」は三月以内とする
    施行規則 第10条の25第2項その期間の末日から三週間を経過する日までに、指定信用情報機関に個人信用情報の提供の依頼をしなければならない
    施行規則 第10条の25第3項定期調査が不要となる場合=①期間の末日の残高の合計額が十万円以下 ②第10条の28第4項第2号等の措置が講じられている ③元本または利息の支払の遅延その他の合理的な理由により新たな極度方式貸付けの停止措置が講じられている ④一定の類型の契約である場合
    貸金業法施行規則(昭和五十八年大蔵省令第四十号)第10条の24・第10条の25(2026年9月5日確認)。第10条の24第1項は「次に掲げる基準のいずれかを満たすこと」と定めており、2つの基準は並列です。

    調査の対象となる「基準額超過極度方式基本契約」の中身は、第13条の3第5項が定義しています。合算されるのは次の3つです。

    1. 当該極度方式基本契約の極度額(貸金業者が元本残高の上限として極度額を下回る額を提示している場合は、当該下回る額)
    2. 同じ貸金業者との他の貸付けに係る契約の残高(極度方式基本契約は極度額または下回る額)の合計額(住宅資金貸付契約等を除く)
    3. 指定信用情報機関から提供を受けた信用情報で判明した、他の貸金業者の貸付けの残高の合計額(住宅資金貸付契約等を除く)

    ここでも第1号は残高ではなく枠です。第3項は、この極度方式個人顧客合算額が百万円を超えるときは、調査に際して源泉徴収票などの提出・提供を受けなければならない(すでに受けている場合を除く)と定め、第4項は調査に関する記録を作成し、保存しなければならないと定めています。

    ここで条文は終わります。第13条の3が課しているのは「調べる義務」と「記録を残す義務」までで、その結果として枠をいくらに変えるか、どんな場合に増やすかという判断基準は、貸金業法にも施行規則にも記載なしです。増減は各社の審査によるものであり、当サイトでは条件を推測しません。

    利用者側から見える形での説明として、金融庁のQ&Aには次の記載があります(原文・2026年9月5日確認)。質問は「現在、借入枠は設定されていますが、借入残高はありません。『年収を証明する書類』を提出する必要がありますか?」で、回答はこうです。

    「『年収を証明する書類』を提出しない場合、個々の貸金業者の判断で、借入枠(キャッシング枠)が減額される場合があります。」

    e-Gov法令検索「貸金業法」第13条の3 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/同「貸金業法施行規則」第10条の24・第10条の25 https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000040040/金融庁「貸金業法Q&A」 https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/qa.html(いずれも2026年9月5日確認)

    6. 銀行のカードローンは、この枠組みの外にある

    ここまでの条文は、すべて貸金業法のものです。金融庁のQ&Aは、貸金業者の範囲と銀行の扱いを次のように説明しています(原文・2026年9月5日確認)。

    • 「お金を貸す業務を行っており、財務局又は都道府県に登録をしている業者のことを、『貸金業者』といいます。具体的には、消費者金融、クレジットカード会社などが貸金業者です…銀行や、信用金庫、信用組合、労働金庫なども、様々な融資を行っていますが、これらは『貸金業者』ではありません。」
    • 「総量規制は、貸金業者からの借入れを対象としており、銀行の貸付けは貸金業法の規制(総量規制)の対象外です。…また、銀行のカードローンも、一般の銀行等の借入れ同様、総量規制の対象とはなりません。」
    • クレジットカードについては、「クレジットカードで現金を借りる場合(キャッシング)」は「貸金業法」が適用され、「クレジットカードで商品やサービスを購入する場合(ショッピング)」には適用されない(リボ払い・分割払い・ボーナス払いには別途「割賦販売法」が適用される)。

    したがって、同じ「カードローン」という商品名でも、貸し手が貸金業者なのか銀行なのかで、適用される法律そのものが変わります。第13条の3の調査義務も、貸金業者に課されたものです。適用法令の違いは銀行カードローンと貸金業者の違いにまとめています。

    なお貸金業法は、平成18年12月に改正法が成立し、総量規制などを含むすべての規定が平成22年6月18日に施行されました(金融庁の記載・2026年9月5日確認)。

    金融庁「貸金業法Q&A」 https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/qa.html/同「多重債務者対策・貸金業法等について」 https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/index.html(いずれも2026年9月5日確認)

    7. 申し込む前・利用中に、自分の側で確認できること

    枠の増減は各社の審査によりますが、条文と公的な仕組みに沿って、利用者側で確認・実行できることははっきりしています。

    確認すること根拠・方法
    相手が登録を受けた貸金業者か金融庁のQ&Aは、貸金業者を「財務局又は都道府県に登録をしている業者」と説明しています。手順は貸金業者の登録を確認する手順、番号の形は登録番号チェッカーで確認できます
    書面に金額がいくつ書かれているか貸金業法第16条の2第2項第2号・第17条第2項第3号は「当該下回る額及び極度額」の記載を定めています(→貸付契約の書面)
    毎月いくら返すことになるか金融庁は計画的な借入れの注意点として「本当に借入れが必要か。(必要としない借入れは行わない。)」「無理なく確実な返済が可能か。(借入れ前に毎月の返済額等を計算してみる。)」を挙げています。計算は返済シミュレーター、数式の意味は返済シミュレーションの読み方
    新たな借入れを自分で止めたい金融庁は「日本貸金業協会または全国銀行個人信用情報センターのどちらかへ申告することで、浪費やギャンブル等のための資金を新たに借り入れられないようにすることができる『貸付自粛制度』があります」と案内しています
    返済が苦しくなってきた公的な相談先を電話番号つきで借入の相談窓口一覧に整理しています。登録のない業者の見分け方は無登録業者(ヤミ金)の見分け方
    金融庁「多重債務者対策・貸金業法等について」および「貸金業法Q&A」の記載に基づく(2026年9月5日確認)。

    金融庁「多重債務者対策・貸金業法等について」 https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/index.html(2026年9月5日確認)

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    よくある質問

    極度額と利用限度額は同じ意味ですか?

    貸金業法および貸金業法施行規則の条文に出てくるのは「極度額」で、「利用限度額」という語は本則・附則を通じて0回でした(2026年9月5日確認)。各社サイトの「利用限度額」が何を指すかは各社が定める表記であるため、当サイトでは同じ意味だと断定しません。ただし法律は、契約前の書面(第16条の2第2項第2号)と契約時の書面(第17条第2項第3号)で「極度額」と「貸金業者が提示した、極度額を下回る額」の両方を記載事項としています。手元の書面の表記が、確認できる一次情報です。

    使っていないのに枠が減ることはありますか?

    金融庁「貸金業法Q&A」は、借入枠は設定されているが残高がない場合について「『年収を証明する書類』を提出しない場合、個々の貸金業者の判断で、借入枠(キャッシング枠)が減額される場合があります」と記載しています(2026年9月5日確認)。減額の判断は個々の貸金業者によるものとされており、その基準は条文には定められていません(記載なし)。

    どのくらいの頻度で枠が調べ直されるのですか?

    貸金業法第13条の3第2項の「内閣府令で定める期間」は、貸金業法施行規則第10条の25第1項により三月以内とされています。これとは別に、同規則第10条の24第1項第1号は、一月ごとの期間内の極度方式貸付けの合計額が五万円を超え、かつその期間の末日の残高の合計額が十万円を超えるときを、法第13条の3第1項の調査の要件としています。いずれも期間の末日から三週間を経過する日までに指定信用情報機関へ個人信用情報の提供を依頼することとされています(2026年9月5日確認)。

    枠が増える条件は法律に書いてありますか?

    書かれていません(記載なし)。貸金業法第13条の3が定めているのは、指定信用情報機関の信用情報を使って基準額超過極度方式基本契約に当たるかどうかを調査する義務(第1項・第2項)、極度方式個人顧客合算額が百万円を超えるときに源泉徴収票等の提出・提供を受ける義務(第3項)、そして調査に関する記録を作成・保存する義務(第4項)までです。調査の結果として枠をどう扱うかの基準は、貸金業法にも施行規則にも定めがありません。

    銀行のカードローンにも同じ条文が当てはまりますか?

    当てはまりません。金融庁「貸金業法Q&A」は「銀行のカードローンも、一般の銀行等の借入れ同様、総量規制の対象とはなりません」と記載しています(2026年9月5日確認)。本記事で扱った第13条の3の調査義務も、貸金業法が貸金業者に課しているものです。適用される法律の違いは銀行カードローンと貸金業者の違いにまとめています。


    e-Gov法令検索「貸金業法」(昭和五十八年法律第三十二号) https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/e-Gov法令検索「貸金業法施行規則」(昭和五十八年大蔵省令第四十号) https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000040040/金融庁「貸金業法Q&A」 https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/qa.html/金融庁「多重債務者対策・貸金業法等について」 https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/index.html(いずれも2026年9月5日確認)

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    最終更新:2026年9月5日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索が配信する貸金業法・貸金業法施行規則の法令データ、金融庁の公表ページ)のみを根拠に作成しています。用語の出現回数は、2026年9月5日にe-Gov法令検索から取得した法令データの本文テキストを機械的に数えた結果です。条文・記載は改正や更新により変わることがあります。確認できなかった項目は「記載なし」と明記し、推測で補っていません。本記事は法律上の助言ではなく、特定の金融商品を推奨するものでもありません。手数料・金利・限度に関する各社の条件は各社サイトの表記によるもので、当サイトは保証しません。

  • 飲食店がビジネスローンを借りる前に確認すること|食品衛生法の営業許可・厚労省の営業規制と、公庫「生活衛生新企業育成資金」の公表条件を一次情報で確かめる手順

    飲食店がビジネスローンを借りる前に確認すること|食品衛生法の営業許可・厚労省の営業規制と、公庫「生活衛生新企業育成資金」の公表条件を一次情報で確かめる手順

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    先に結論:飲食店の資金調達は、金利を比べる前に「許可か、届出か」を自分の営業形態で確定させるところから始まります。飲食店営業は食品衛生法第55条第1項の許可が要る営業で、生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律第2条第1項第1号も、この法律が適用される営業の第1号を「飲食店、喫茶店、食肉の販売又は氷雪の販売に係る営業で食品衛生法第五十五条第一項の許可を受けて営むもの又は同法第五十七条第一項の規定による届出をして営むもの」と定めているからです。日本政策金融公庫が公表している生活衛生貸付の条件は、第6節に同社サイトの表記のまま並べています。

    この記事は、e-Gov法令検索の条文、厚生労働省が公表している営業規制の資料、日本政策金融公庫が公式サイトで公表している条件と利率だけを根拠に、確認の順番を並べた記録です。各社のビジネスローンの手数料・スピード・限度額は各社が定めるもので、公的データには存在しません(記載なし)。金利や条件は同社サイトの表記であり、当サイトが保証するものではありません。

    また、営業許可の要否・区分・施設基準は自治体の条例と運用によって差があります(食品衛生法第54条は施設の基準を都道府県の条例に委ねています)。当サイトは個別の可否を判定しません。最終的な確認先は管轄の保健所です。

    1. 飲食店営業は「許可」がいる営業(食品衛生法第55条)

    食品衛生法第55条第1項は、こう定めています(原文・2026年9月5日確認)。

    「前条に規定する営業を営もうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。」

    同条第2項は、施設が基準に合うと認めるときは許可をしなければならないとしたうえで、次のいずれかに当たるときは許可を与えないことができる、と列挙しています。

    • この法律またはこの法律に基づく処分に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者(第1号)
    • 第59条から第61条までの規定により許可を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者(第2号)
    • 法人であつて、その業務を行う役員のうちに前2号のいずれかに該当する者があるもの(第3号)

    そして第3項は「都道府県知事は、第一項の許可に五年を下らない有効期間その他の必要な条件を付けることができる」と定めています。これは知事が条件を付けることができるとする規定で、法令上は「五年を下らない」という下限だけが書かれています。実際に付される有効期間は許可を出す都道府県知事等が定めるため、更新の時期は資金計画の中で自分で管理する項目になります。

    許可が要らない営業でも、第57条第1項によりあらかじめ都道府県知事へ届け出る義務があります(第54条に規定する営業、公衆衛生に与える影響が少ない営業で政令で定めるもの、食鳥処理の事業を除く)。

    違反した場合の条文も明記されています。第55条第1項に違反した者は二年以下の拘禁刑または二百万円以下の罰金(第82条第1項)。第57条第1項の届出をせず、または虚偽の届出をした者は五十万円以下の罰金(第85条第3号)です。

    e-Gov法令検索「食品衛生法」(昭和22年法律第233号) https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000233(2026年9月5日確認)

    2. 許可が要る営業は32区分、届出でよい営業は29区分

    「前条に規定する営業」(第54条)の中身は、食品衛生法施行令第35条が列挙しています。第一号から第三十二号まで、32区分です。飲食店営業は第一号に置かれています。

    号営業(施行令第35条)
    一飲食店営業
    二調理の機能を有する自動販売機により食品を調理し、調理された食品を販売する営業(自動洗浄装置等を有するものを除く)
    三〜五食肉販売業/魚介類販売業/魚介類競り売り営業
    六〜九集乳業/乳処理業/特別牛乳搾取処理業/食肉処理業
    十〜十四食品の放射線照射業/菓子製造業/アイスクリーム類製造業/乳製品製造業/清涼飲料水製造業
    十五〜十九食肉製品製造業/水産製品製造業/氷雪製造業/液卵製造業/食用油脂製造業
    二十〜二十四みそ又はしょうゆ製造業/酒類製造業/豆腐製造業/納豆製造業/麺類製造業
    二十五〜二十八そうざい製造業/複合型そうざい製造業/冷凍食品製造業/複合型冷凍食品製造業
    二十九〜三十二漬物製造業/密封包装食品製造業/食品の小分け業/添加物製造業
    食品衛生法施行令 第35条(営業の指定)の第一号〜第三十二号を号順に整理(2026年9月5日確認)。各号の定義と除外は条文本文に記載があります。

    飲食店営業の定義は、同施行令第34条の2第2号に置かれています。「食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業をいう」。

    厚生労働省は、この制度改正について「実態に応じた営業許可業種への見直しや、営業許可業種以外の事業者の届出制度の創設を行いました」「HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理が制度化されることに伴い、食品等事業者を把握できるよう、営業の届出制度を創設しました」と説明しています(2026年9月5日確認)。申請の窓口については「『食品衛生申請等システム』で営業許可申請や営業届出をすることができます」と記載されています。

    テイクアウト・デリバリーはどちらに入るか

    ここが飲食店にとって分かれ目になります。厚生労働省の通知「営業届出業種の設定について」(薬生食監発0331第2号・令和2年3月31日)は、届出業種を日本標準産業分類を参考に別紙1の番号1〜29に分類したうえで、別紙2で各業種の範囲を示しています。その別紙2の「弁当販売業」の欄には、こう書かれています(原文)。

    「主として弁当を小売する営業をいう。ただし、客の注文によって調理し、提供(持ち帰り又は配達)する営業は、「飲食店営業」に分類されるため、許可の取得が必要。」

    同じ但し書きは「料理品小売業【5895】」の欄にも置かれています。つまり、注文を受けてから調理して渡す・届ける形態は、店内飲食の有無にかかわらず飲食店営業の側に入るという整理です。

    なお同通知は、届出の対象外となる「公衆衛生に与える影響が少ない営業」として、①食品又は添加物の輸入をする営業、②食品又は添加物の貯蔵のみをし、又は運搬のみをする営業(食品の冷凍又は冷蔵業を除く)、③容器包装に入れられ、又は容器包装で包まれた食品又は添加物のうち、冷凍又は冷蔵によらない方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質の劣化により食品衛生上の危害の発生のおそれがないものの販売をする営業、④器具又は容器包装(合成樹脂以外の原材料が使用されたものに限る)の製造をする営業、⑤器具又は容器包装の輸入をし、又は販売をする営業――の5類型を挙げています。

    e-Gov法令検索「食品衛生法施行令」 https://laws.e-gov.go.jp/law/328CO0000000229/厚生労働省「営業規制(営業許可、営業届出)に関する情報」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/kigu/index_00010.html/同「営業届出業種の設定について」(薬生食監発0331第2号) https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000624120.pdf(いずれも2026年9月5日確認)

    3. 申請書・届出書に書く項目と、食品衛生責任者

    許可の申請書に何を書くかは、食品衛生法施行規則第67条が7項目を列挙しています。提出先は「その施設の所在地を管轄する都道府県知事等」です。

    #許可申請書の記載事項(施行規則第67条)
    一申請者の氏名・生年月日・住所(法人は名称、所在地、代表者の氏名)
    二施設の所在地(自動車で調理する営業は自動車登録番号)および名称・屋号・商号
    三申請する営業の種類、形態、主として取り扱う食品または添加物に関する情報
    四食品衛生管理者または食品衛生責任者の氏名、資格の種類、受講した講習会
    五施設の構造および設備を示す図面(水道水以外の飲用に適する水を使う場合は水質検査の結果を証する書類の写しを含む)
    六重要な工程を管理するための取組または取り扱う食品の特性に応じた取組の種別(更新時等)
    七第55条第2項各号(欠格事由)のいずれかに該当することの有無と、該当するときはその内容
    食品衛生法施行規則 第67条(2026年9月5日確認)。届出の場合は第70条の2第1項が4項目(届出者、施設、営業の形態と取扱品、食品衛生責任者の氏名)を定めています。

    食品衛生責任者については、同規則の別表第17(第66条の2第1項関係)の一に「営業者は、食品衛生責任者を定めること」と書かれています。該当するのは次のいずれかです(原文の要旨)。

    • 法第30条の食品衛生監視員または法第48条の食品衛生管理者の資格要件を満たす者
    • 調理師、製菓衛生師、栄養士、管理栄養士、船舶料理士、と畜場法第7条の衛生管理責任者もしくは同法第10条の作業衛生責任者、食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律第12条の食鳥処理衛生管理者
    • 都道府県知事等が行う講習会または都道府県知事等が適正と認める講習会を受講した者

    別表第17は、責任者が「都道府県知事等が行う講習会又は都道府県知事等が認める講習会を定期的に受講し、食品衛生に関する新たな知見の習得に努めること」、営業者が「食品衛生責任者の意見を尊重すること」も定めています。ふぐを処理する営業者については、都道府県知事等が認める者に処理させるか、その者の立会いの下で処理させる旨が同表ヘに置かれています。

    資金の話に入る前に、この4号・5号(責任者の氏名と施設図面)が用意できているかどうかは、そのまま設備資金の見積りの精度に直結します。公庫や信用保証協会に出す書類の一覧は事業資金の借入れに必要な書類一覧にまとめています。

    e-Gov法令検索「食品衛生法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/323M40000100023(2026年9月5日確認)

    4. 居抜き・事業譲渡・法人成りのときの承継

    既存店を買う、親族から引き継ぐ、個人事業を法人に変える。いずれも資金調達と同時に起きやすい場面です。食品衛生法第56条第1項は、許可を受けた者が営業を譲渡したとき、または許可営業者について相続、合併もしくは分割(当該営業を承継させるものに限る)があったときは、譲り受けた者・相続人・合併後存続する法人または合併により設立された法人・分割により営業を承継した法人が、許可営業者の地位を承継すると定めています。

    そのうえで同条第2項は、地位を承継した者は「遅滞なく、その事実を証する書面を添えて、その旨を都道府県知事に届け出なければならない」としています。第57条第2項により、この規定は届出営業者にも準用されます。

    個人事業のまま借りるか、法人にしてから借りるかで手続きの順番が変わる点は、個人事業主の借入れと総量規制もあわせて確認してください。

    e-Gov法令検索「食品衛生法」第56条・第57条第2項 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000233(2026年9月5日確認)

    5. 飲食店は「生活衛生関係営業」に当たる

    ここが飲食店の資金調達で見落とされやすい接続点です。生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律(昭和32年法律第164号)第2条第1項は、この法律が適用される営業の第1号として次を挙げています(原文)。

    「飲食店、喫茶店、食肉の販売又は氷雪の販売に係る営業で食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第五十五条第一項の許可を受けて営むもの又は同法第五十七条第一項の規定による届出をして営むもの」

    第2号以下は理容業、美容業、興行場営業(映画・演劇・演芸)、旅館業、浴場業、クリーニング業です。つまり飲食店は、この法律上の「生活衛生関係営業」であり、その前提として食品衛生法の許可または届出があることが条文に書き込まれています。第1節・第2節の確認が終わっていない状態では、次の第6節の制度は土台が揃いません。

    e-Gov法令検索「生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律」 https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC1000000164(2026年9月5日確認)

    6. 日本政策金融公庫が公表している生活衛生貸付の条件

    生活衛生新企業育成資金

    日本政策金融公庫(国民生活事業)は、公式サイトで次のように説明しています。「日本政策金融公庫国民生活事業の生活衛生貸付では、生活衛生関係の事業を創業する方または創業後おおむね7年以内の方を『生活衛生新企業育成資金』にて支援しております」(2026年9月5日確認)。

    項目振興計画認定組合の組合員の方上記以外の方
    資金のお使いみち設備資金および運転資金設備資金
    融資限度額振興事業貸付の設備・運転それぞれの限度額に上乗せ1,500万円(設備資金 1億6,500万円〜7億3,500万円/運転資金 7,200万円)一般貸付の限度額に上乗せ1,500万円(設備資金 8,700万円〜4億9,500万円)
    ご返済期間設備資金 20年以内/運転資金 10年以内(うち据置期間5年以内)設備資金 20年以内(うち据置期間5年以内)
    利率(年)[基準利率][特別利率A][特別利率B][特別利率C][基準利率][特別利率A][特別利率B][特別利率C]
    担保・保証人「お客さまのご希望を伺いながらご相談させていただきます。」
    日本政策金融公庫「生活衛生新企業育成資金」の同社サイトの表記(2026年9月5日確認)。限度額は「業種によって異なります」と注記されています。当サイトは条件を保証しません。

    同ページの留意事項には、次の記載があります(原文)。「ご利用にあたっては、振興計画認定組合の組合員の方は、振興計画認定組合の長が発行する『振興事業に係る資金証明書』等、それ以外の方は都道府県知事の『推せん書』(設備資金の申込金額が500万円以下の場合は不要)が必要となります。」「お使いみち、ご返済期間または担保の有無などによって異なる利率が適用されます。」「審査の結果、お客さまのご希望に沿えないことがございます。」

    組合員以外の方の要件は「新たに営もうとする事業について、適正な事業計画を策定しており、当該計画を遂行する能力が十分あると認められる方」とされ、「創業計画書のご提出等をいただき、事業計画の内容を確認させていただきます」と注記されています。利率の区分については、「女性の方、35歳未満または55歳以上の方」など該当者に[特別利率A]が適用される旨(土地にかかる資金を除く)、また運転資金について「標準営業約款に登録している方は、[特別利率A]の利率が適用されます」(都道府県生活衛生営業指導センターの理事長が発行する証明書が要る)と記載されています。

    生活衛生改善貸付

    小規模な飲食店向けには、別の制度が公表されています。「生活衛生改善貸付(生活衛生関係営業経営改善資金特別貸付)は、生活衛生同業組合などの経営指導を受けている生活衛生関係の事業を営む小規模事業者の方が経営改善に必要な資金を無担保・無保証人で利用できる制度です」(同社サイトの表記・2026年9月5日確認)。

    項目同社サイトの表記
    ご利用いただける方生活衛生関係の事業を営む小規模事業者であって生活衛生同業組合等の長の推薦を受けた方で、常時使用する従業員数が5人(旅館業および興行場営業を営む方は20人)以下の会社または個人
    資金のお使いみち経営指導に基づく経営改善のために必要な設備資金及び運転資金(注)/(注)「その他公衆浴場業の方は、運転資金のみ対象となります。」
    融資限度額2,000万円
    ご返済期間10年以内(うち据置期間2年以内)
    利率(年)[特別利率F]
    担保・保証人無担保・無保証人
    日本政策金融公庫「生活衛生改善貸付」の同社サイトの表記(2026年9月5日確認)。申込みの手続きについて「生活衛生同業組合が結成されていない場合は、都道府県の生活衛生営業指導センターにご相談ください」と記載されています。

    公表されている利率(令和8年9月1日現在)

    [基準利率][特別利率A〜F]の実際の数字は、公庫の「金利情報」ページに「令和8年9月1日現在」と明記された表で公表されています(2026年9月5日確認)。利率は改定されるため、申込みの直前に同ページで日付ごと読み直す前提の数字です。

    利率名称無担保・税務申告を2期終えている方無担保・2期終えていない方有担保
    基準利率年3.80〜5.40%年3.75〜5.35%年2.80〜5.00%
    特別利率A年3.40〜5.00%年3.35〜4.95%年2.40〜4.60%
    特別利率B年3.15〜4.75%年3.10〜4.70%年2.20〜4.35%
    特別利率C年2.90〜4.50%年2.85〜4.45%年2.15〜4.10%
    特別利率F(生活衛生改善貸付・マル経融資)年2.90%
    日本政策金融公庫「金利情報 小規模事業者/個人事業主の方【国民生活事業】」(令和8年9月1日現在の表・2026年9月5日確認)。同ページは「利率は、金融情勢によって変動しますので、お借入金利(固定)は、記載されている利率とは、異なる場合があります」と注記しています。

    同ページには「遅延損害金の割合は年9.10%です。(令和8年4月1日から令和9年3月31日までの貸付け)」、経営者保証免除特例制度について「各種融資制度に定める利率(上乗せ利率はありません。)」との記載もあります。

    公庫と民間ビジネスローンの制度上の違いは日本政策金融公庫の融資とビジネスローンの違い、信用保証協会の枠組みは信用保証協会の保証付き融資とはで整理しています。返済の重さを月次で確かめるなら返済シミュレーターと返済比率・返済負担の考え方が使えます。

    日本政策金融公庫「生活衛生新企業育成資金」 https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/seikatsueisei.html/同「生活衛生改善貸付」 https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/34_eiseikaizen_m.html/同「金利情報 小規模事業者/個人事業主の方【国民生活事業】」 https://www.jfc.go.jp/n/rate/(いずれも2026年9月5日確認)

    7. 民間のビジネスローンを見る前に確認できること

    民間の貸し手が示す手数料・スピード・限度額は各社が定めるもので、公的に公表された一覧はありません(記載なし)。一方で、法令の側から確認できることはあります。

    • 貸金業者から借りるなら、その貸し手が登録貸金業者かどうかを金融庁の検索サービスで照合できます(→貸金業者の登録を確認する手順、登録番号チェッカー)。
    • 個人事業主が事業資金として借りる場合の「例外貸付け」は、貸金業法施行規則第10条の23第1項第4号が2つの要件を並べています。イ「実地調査、当該個人顧客の直近の確定申告書の確認その他の方法により当該事業の実態が確認されていること。」、ロ「当該個人顧客の事業計画、収支計画及び資金計画(この号に掲げる契約に係る貸付けの金額が百万円を超えないものであるときは、当該個人顧客の営む事業の状況、収支の状況及び資金繰りの状況。)に照らし、当該個人顧客の返済能力を超えない貸付けに係る契約であると認められること。」(原文)(→総量規制とは、個人事業主の借入れと総量規制)。
    • 契約の内容は、契約締結前の書面と契約締結時の書面で確認できます(→貸付契約の書面)。表示された金利の正体は実質年率とはで整理しています。
    • 融資の前に保証金や手数料の振込を求められた場合の型は融資保証金詐欺とはにまとめています。公的な相談先は借入の相談窓口一覧から選べます。

    e-Gov法令検索「貸金業法施行規則」(昭和58年大蔵省令第40号)第10条の23第1項第4号 https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000040040(2026年9月6日確認)

    順位でも優劣でもなく、飲食店の場合は「許可・届出の区分 → 食品衛生責任者と施設図面 → 生活衛生貸付の要件(推せん書や組合の推薦の要否) → 公表利率の確認日」という順番で、確定した事実から先に埋めていく形になります。

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    よくある質問

    テイクアウト専門の店でも営業許可が要りますか?

    厚生労働省の通知「営業届出業種の設定について」の別紙2は、弁当販売業および料理品小売業【5895】の欄に「ただし、客の注文によって調理し、提供(持ち帰り又は配達)する営業は、『飲食店営業』に分類されるため、許可の取得が必要」と記載しています(2026年9月5日確認)。個別の営業形態がどちらに当たるかの判断は自治体の運用によります。管轄の保健所にご確認ください。

    営業許可に期限はありますか?

    食品衛生法第55条第3項は「都道府県知事は、第一項の許可に五年を下らない有効期間その他の必要な条件を付けることができる」と定めています(2026年9月5日確認)。実際に付される有効期間は許可を出す都道府県知事等が定めるもので、法令上は「五年を下らない」という下限のみが書かれています。

    店を居抜きで買った場合、許可も一緒に引き継げますか?

    食品衛生法第56条第1項は、許可営業者が営業を譲渡したとき、または相続・合併・分割があったときは、譲り受けた者等が「許可営業者の地位を承継する」と定め、同条第2項で「遅滞なく、その事実を証する書面を添えて、その旨を都道府県知事に届け出なければならない」としています(2026年9月5日確認)。手続きの様式や添付書類の扱いは自治体の運用によります。

    公庫の生活衛生貸付を使うのに、組合への加入は要りますか?

    「生活衛生新企業育成資金」のページは、振興計画認定組合の組合員の方とそれ以外の方の両方について条件を公表しています。組合員以外の方には都道府県知事の「推せん書」(設備資金の申込金額が500万円以下の場合は不要)が要る旨が留意事項に記載されています。一方「生活衛生改善貸付」は「生活衛生同業組合等の長の推薦を受けた」方が対象で、「生活衛生同業組合が結成されていない場合は、都道府県の生活衛生営業指導センターにご相談ください」と記載されています(いずれも同社サイトの表記・2026年9月5日確認)。

    記事に載っている公庫の利率は、いま申し込んでも同じですか?

    本記事の利率は、公庫の「金利情報」ページに「令和8年9月1日現在」と明記された表を2026年9月5日に確認して転記したものです。同ページは「利率は、金融情勢によって変動しますので、お借入金利(固定)は、記載されている利率とは、異なる場合があります」と注記しています。申込みの直前に同ページで日付ごと読み直してください。


    e-Gov法令検索「食品衛生法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000233/「食品衛生法施行令」 https://laws.e-gov.go.jp/law/328CO0000000229/「食品衛生法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/323M40000100023/「貸金業法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000040040(2026年9月6日確認)/「生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律」 https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC1000000164/厚生労働省「営業規制(営業許可、営業届出)に関する情報」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/kigu/index_00010.html/同「営業届出業種の設定について」 https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000624120.pdf/日本政策金融公庫「生活衛生新企業育成資金」 https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/seikatsueisei.html/同「生活衛生改善貸付」 https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/34_eiseikaizen_m.html/同「金利情報【国民生活事業】」 https://www.jfc.go.jp/n/rate/(いずれも2026年9月5日確認)

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    最終更新:2026年9月6日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索・厚生労働省・日本政策金融公庫)のみを根拠に作成しています。条文は2026年9月5日(貸金業法施行規則のみ2026年9月6日)時点でe-Gov法令検索に掲載されている内容、公庫の条件・利率は同社サイトの同日時点の表記(利率の表は「令和8年9月1日現在」)に基づくもので、変更されることがあります。営業許可の要否・区分・施設基準は自治体の条例と運用によって差があり、当サイトは個別の可否を判定しません。確認できなかった項目は「記載なし」と明記し、推測で補っていません。本記事は法律上の助言ではなく、特定の金融商品を推奨するものでもありません。

  • 制度融資とは|自治体・信用保証協会・金融機関の三者の仕組みを東京都の公表ページで確かめる

    制度融資とは|自治体・信用保証協会・金融機関の三者の仕組みを東京都の公表ページで確かめる

    PR:本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。掲載内容は公表されている一次情報をもとに当サイトが確認したものです。

    先に結論:東京都の公表ページで確かめた範囲では、制度融資は自治体・信用保証協会・金融機関の三者が関わる融資の型です。お金を貸すのは指定金融機関、債務を保証するのは信用保証協会、利用条件を定めて信用保証料の一部を補助するのが自治体(東京都)——役割が分かれています。他の自治体の制度融資は一次情報を取得できていないため、この記事は東京都の例として書いています。

    この記事は、東京都産業労働局が公表している「東京都中小企業制度融資」のページ群、e-Gov法令検索の信用保証協会法、一般社団法人全国信用保証協会連合会の公表資料、日本政策金融公庫の金利情報だけを根拠に、この仕組みを分解した記録です。

    重要な前提:制度融資は自治体ごとに別物です。この記事で数字を挙げるのも、三者の役割分担を説明するのも東京都の制度を「例」としてであり、他の都道府県・市区町村の制度融資については一次情報を取得していないため、金額も料率も条件も仕組みの説明も書いていません。お住まいの地域の制度は、その自治体の公表ページで確認してください。

    1. 制度融資とは何か——「三者協調」という書き方

    東京都産業労働局は、東京都中小企業制度融資について次のように記載しています(原文・2026年9月5日確認)。

    東京都の制度融資は、東京都と東京信用保証協会と指定金融機関の三者協調のうえに成り立っている融資制度で、都内の中小企業者が金融機関から融資を受けやすくするための制度です。東京都の制度融資を受けるには東京信用保証協会の保証が必要になります。東京信用保証協会は、経営者の人物、資金使途、返済能力等を総合的に判断して保証の諾否や保証金額を決定します。

    ここに、制度融資の性格がほぼ全部入っています。

    • 貸すのは金融機関(自治体が直接お金を出すのではない)
    • 保証協会の保証が前提(保証が付かなければ制度融資として実行されない)
    • 諾否を決めるのは保証協会(判断材料として「経営者の人物、資金使途、返済能力等」が挙げられている)

    つまり制度融資は「自治体からもらうお金」ではありません。返済義務のある借入れです。同ページにはお問い合わせ先として、東京都産業労働局金融部金融課(東京都新宿区西新宿2-8-1/電話 03(5320)4877)と記載されています。

    東京都産業労働局「東京都中小企業制度融資」 https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/chushou/kinyu/yuushi/yuushi/(2026年9月5日確認)

    2. 保証をするのは誰か——信用保証協会法の条文

    信用保証協会は、信用保証協会法(昭和二十八年法律第百九十六号)という単独の法律に根拠を持つ法人です。e-Gov法令検索で条文を確認しました(2026年9月5日確認)。

    第一条(目的)は次のとおりです(原文)。

    この法律は、中小企業者等が銀行その他の金融機関から貸付等を受けるについてその貸付金等の債務を保証することを主たる業務とする信用保証協会の制度を確立し、もつて中小企業者等に対する金融の円滑化を図ることを目的とする。

    第二十条(業務)第一項第一号は、協会が行える業務の筆頭に次を置いています(原文)。

    中小企業者等が銀行その他の金融機関から資金の貸付け又は手形の割引を受けること等により金融機関に対して負担する債務の保証

    同条第二項第一号では「前項各号の債務の保証に係る中小企業者に対する経営の改善発達に係る助言その他の支援」も業務として挙げられています。保証だけでなく支援も条文に書かれている、という点は覚えておいて損がありません。

    そしてこの記事の後半につながるのが第二十条第四項です。同項は「中小企業者」を、「協会の主たる事務所の所在地の属する都道府県の区域を越えない区域(以下この項において『協会の区域』という。)内において商業、工業、鉱業、運送業、サービス業その他の事業を行う中小規模の事業者で、定款で定めるもの」と定義しています。協会には区域がある——制度融資が地域単位で分かれている法的な理由がここにあります。

    e-Gov法令検索「信用保証協会法」(昭和二十八年法律第百九十六号) https://laws.e-gov.go.jp/law/328AC0000000196(2026年9月5日確認)

    3. 申込みの入口は2つある

    全国信用保証協会連合会は、保証委託の申込方式を2つの用語に分けています。同会の用語解説を当サイトで要約すると次のとおりです(2026年9月5日確認)。

    用語連合会の説明の要約(当サイト作成)
    協会斡旋保証都道府県・市(区)町村・商工会議所・信用保証協会などの窓口へ、事業者の側から保証委託を申し込む方式。
    金融機関経由保証事業者が金融機関に借入れを申し込み、その借入れについて金融機関から保証協会へ保証を依頼してもらう方式。
    保証承諾申込みを受けた保証協会が応諾し、金融機関に信用保証書を交付すること。
    一般社団法人全国信用保証協会連合会「信用保証協会用語」(2026年9月5日確認)の記載を当サイトで要約したものです。定義の言い回しそのものは同会のページでご確認ください。

    制度融資で「自治体の窓口に申し込む」と言われるのは、前者の型です。実際、東京都は融資申込受付機関として指定金融機関/保証協会/東京都中小企業団体中央会/商工会議所/商工会/東京都商工会連合会/公益財団法人東京都中小企業振興公社/東京都各支庁/東京都産業労働局金融部金融課を表で示しており、融資メニューごとに「○=申込可」「×=申込不可」を分けています(2026年9月5日確認)。

    取扱指定金融機関については「都制度融資を取扱っている金融機関で、下記の93金融機関が指定されています。(令和7年10月1日現在)」と記載され、普通銀行・信用金庫・信用組合・政府系金融機関(商工組合中央金庫)・漁協/農協系統金融機関に区分されています。

    なお、必要書類のページは冒頭で「申込書・計画書等は、各申込窓口にあります。」と書いており、書類の様式も「保証協会及びあっせん機関から申し込む場合は、融資あっせん用を使用のこと」と、入口によって異なることが明記されています。共通書類として挙がっているのは、法人の場合で信用保証委託申込書・信用保証委託契約書・個人情報の取扱いに関する同意書・印鑑証明書・商業登記簿謄本・確定申告書(決算書)の写し(原則直近2期分)2部・法人税又は事業税の納税の確認ができる書類・見積書又は契約書の写し(設備資金の場合のみ)です。書類の全体像は事業資金の借入れに必要な書類一覧にまとめています。

    全国信用保証協会連合会「信用保証協会用語」 https://www.zenshinhoren.or.jp/guarantee-system/kyokaiyogo//東京都産業労働局「融資申込受付機関・取扱指定金融機関」 https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/chushou/kinyu/yuushi/yuushi/uketsuke//同「必要書類」 https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/chushou/kinyu/yuushi/yuushi/syorui/(いずれも2026年9月5日確認)

    4. 自治体が足しているもの——東京都の例

    「三者協調」のうち自治体が担っている部分は、東京都の「お申込み条件」ページを読むと具体的に見えます(以下すべて東京都の記載・2026年9月5日確認。他の自治体の制度がこうだという話ではありません)。

    利用条件

    「中小企業者又は組合で、次の条件を全て満たすことが必要です」として、次が挙げられています(原文の要点)。

    • 都内に事業所(住居)があり、保証協会の保証対象となる業種を営んでいること(ただし、一定の業歴要件が必要となる場合があります)
    • 事業税その他租税の未申告、滞納がないこと(ただし、完納の見通しが立つ場合などはこの限りではない)
    • 許可、認可、登録、届出等が必要な業種にあっては、当該許認可等を受けている(又は、受ける)こと
    • 現在かつ将来にわたって、暴力団員等に該当しないこと等

    また「※創業を計画している方にご利用いただける制度は、創業融資です」「※極度型融資については、引き続き2年以上同一事業を営んでいることが必要です」との注記があります。

    中小企業者の範囲

    業種資本金従業員数
    製造業等(建設業、不動産業、運送業、出版業などを含む。)3億円以下300人以下(※ゴム製品製造業は900人以下)
    卸売業1億円以下100人以下
    小売業(飲食業を含む。)5千万円以下50人以下
    サービス業5千万円以下100人以下(※旅館業は200人以下)
    医療法人(条件なし)300人以下
    東京都産業労働局「お申込み条件」(2026年9月5日確認)。資本金・従業員数のいずれかを満たせばよいと記載されています。ゴム製品製造業の除外業種等の細目は原文をご確認ください。

    担保と連帯保証人

    • 物的担保:「既存の保証付融資残高と新規の保証付融資額の合計が8,000万円以下の場合は、原則として無担保とします。合計が8,000万円を超える場合は、物的担保が必要となります。」
    • 連帯保証人:「必要となる場合があります。ただし、法人代表者(実質的な経営権を持っている者等を含む。)を除き連帯保証人は不要です。」
    • 「令和6年3月15日から、信用保証料の上乗せにより経営者保証を提供しないことを選択できる保証制度が始まっています(資格要件あり)。」

    保証人になることの意味そのものは保証人になる前に確認することで条文から整理しています。

    信用保証料——ここが自治体の効いてくる場所

    東京都は「都制度融資の信用保証料率は、一般的な信用保証料率よりも低く設定されており、さらに、東京都が信用保証料の一部を保証協会に対して補助することを通じて、利用者の負担軽減を図っています」と記載しています。掲載されている料率(年率)は次のとおりです。

    区分(残高を含む合計額)責任共有制度の対象責任共有制度の対象外
    500万円以下0.27% ~ 1.19%0.30% ~ 1.38%
    1,000万円以下0.33% ~ 1.33%0.37% ~ 1.54%
    1,000万円超・有担保0.35% ~ 1.39%0.40% ~ 1.62%
    1,000万円超・無担保0.45% ~ 1.49%0.50% ~ 1.72%
    東京都産業労働局「お申込み条件」(2026年9月5日確認)。セーフティネット保証等の特例保証が適用される場合は0.34%~0.80%、「企業再生(法的整理型)」を利用する場合は保証協会の定めるところによる、と注記されています。会計参与を設置している旨の登記を行ったことを示す書類等を提出した場合は0.1%優遇(個人事業者、組合、医療法人等は対象外)。

    同ページには「ご注意ください!! 仲介手数料、あっせん料を要求するいわゆる金融あっせん屋にご注意ください。金融あっせん屋、暴力団等の第三者が介入する保証申込みは一切取扱いいたしません。」という注意書きも置かれています。融資の前に金銭を求められる型については融資保証金詐欺とはを参照してください。

    東京都産業労働局「お申込み条件(東京都中小企業制度融資)」 https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/chushou/kinyu/yuushi/yuushi/jyouken/(2026年9月5日確認)

    5. 「責任共有制度」の対象かどうかで料率が変わる理由

    前節の料率表が2列に分かれていたのは、責任共有制度という仕組みがあるからです。全国信用保証協会連合会の説明を当サイトで要約すると、こうなります(2026年9月5日確認)。

    • 部分保証方式=個別の貸付金のうち80%(一部の保証を除く)を保証協会が保証する。
    • 負担金方式=保証の時点では100%保証だが、代位弁済の状況に応じて金融機関が保証協会へ負担金を払うため、結果として部分保証と同じだけの負担を金融機関が負う。
    • どちらの方式を採るかは各金融機関が選ぶ。

    連合会は、原則としてすべての保証が責任共有制度の対象になり、一部の制度が例外的に除外されると説明したうえで、その除外にあたるものとして経営安定関連保証(セーフティネット保証)1号〜4号、6号、災害関係保証、創業関連保証、小口零細企業保証、危機関連保証、伴走支援型特別保証制度など13区分を挙げています。

    その背後には、もう一段の仕組みがあります。連合会の説明を当サイトで要約すると、信用補完制度とは、保証協会が金融機関に対して事業者の債務を保証する信用保証制度と、それを国が出資する株式会社日本政策金融公庫が再保険する信用保険制度とが連結したものです。代位弁済が起きると、その70〜90%にあたる額(この割合が保険填補率)が保険金として公庫から保証協会へ支払われます。根拠法として挙げられているのは中小企業信用保険法です。

    制度融資の低い保証料率は、この多層構造の上に成り立っている、ということです。保証協会の保証付き融資そのものの詳細は信用保証協会の保証付き融資とはにまとめています。

    全国信用保証協会連合会「信用保証制度を支えるしくみ」 https://www.zenshinhoren.or.jp/guarantee-system/hokan/(2026年9月5日確認)

    6. 代位弁済されても、支払う相手が変わるだけ

    ここは誤解が起きやすい場所なので、全国信用保証協会連合会の用語解説を当サイトで要約して並べます(2026年9月5日確認)。

    用語連合会の説明の要約(当サイト作成)
    代位弁済保証付きの貸付金等が、事業者の倒産などの事由で金融機関へ返済できなくなったときに、保証協会が金融機関へ貸付残額を支払うこと。
    求償権代位弁済をした保証協会が、事業者と保証人に対して持つことになる、その支払額を元本とする債権。
    旧債振替の制限旧債振替とは、金融機関が新規の貸付けを自行の既存債権の回収に充てること。単なる債権回収に充てられる旧債振替は制限されており、違反した場合は保証債務の履行責任を負わない(免責)とされている。
    一般社団法人全国信用保証協会連合会「信用保証協会用語」(2026年9月5日確認)の記載を当サイトで要約したものです。定義の言い回しそのものは同会のページでご確認ください。

    保証が付いていても、返せなくなった債務が消えるわけではありません。債権者が金融機関から信用保証協会に替わるだけです。借入れを検討する段階で、返済額が事業のキャッシュフローに収まるかを確認しておいてください(返済シミュレーター/返済比率・返済負担の考え方/返済シミュレーションの読み方)。

    全国信用保証協会連合会「信用保証協会用語」 https://www.zenshinhoren.or.jp/guarantee-system/kyokaiyogo/(2026年9月5日確認)

    7. 利率はどこを見るか

    東京都の「令和8年度 東京都中小企業制度融資一覧表(6月25日改定版)」(PDF)には融資利率一覧表が載っており、表題部分に次の注記があります(原文・2026年9月5日確認)。

    融資利率一覧表(融資利率は令和8年4月1日現在のもので、市中金利の動向等により、年度途中において改定する場合があります)

    同PDFの利率表は、【責任共有対象】と【責任共有対象外】に分かれ、その中がさらに固定金利と変動金利、利率区分①〜④、そして融資期間(3年以内/3年超5年以内/5年超7年以内/7年超10年以内/10年超)で細分されています。変動金利の基準については、次の注が付いています(原文)。

    ※ 各指定金融機関が定める短期プライムレート(優良企業向けの短期貸出(1年未満の期間の貸出)に適用する最優遇金利)

    当サイトでは、この利率表の個別の数値は転記していません。行と列の対応を機械的に確定できなかったためで、推測で数字を書くことはしないという方針によります。適用利率は、東京都の「要項・パンフレット」ページから最新版の要項・一覧表PDFを開いて、該当する融資メニューの行で確認してください。

    なお融資メニューの略称としては、小口/小口つなぎ/事業つなぎ/助成つなぎ/極度/創業/強化認定/チャレンジ/構造改革支援/承継/M&A/経営セーフ/経営一般/フェニックス/特別借換/災/危機などが同PDFに並んでいます。たとえば「小口」の融資対象は「この融資を含め、全国の信用保証協会の保証付融資の合計残高が2,000万円以下の小規模企業者」と記載されています(国の全国統一保証制度)。

    東京都産業労働局「要項・パンフレット(東京都中小企業制度融資)」 https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/chushou/kinyu/yuushi/yuushi/youkou//同「令和8年度東京都中小企業制度融資一覧表(6月25日改定版)」(PDF) https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/sangyo-rodo/2026-06-22-110038-505(いずれも2026年9月5日確認)

    8. 制度融資・公庫の直接融資・ビジネスローンの違い

    「どこから借りるか」を分ける最大の違いは、誰が貸し手で、どの法律の枠組みに乗るかです。実査した一次情報の範囲で並べると次のようになります。

     制度融資(東京都の例)公庫の直接融資(国民生活事業)民間のビジネスローン
    貸し手指定金融機関(東京都は93金融機関・令和7年10月1日現在)株式会社日本政策金融公庫貸金業者・銀行等
    保証信用保証協会の保証が前提(東京都の記載)制度により異なる(経営者保証免除特例制度あり)各社の定めによる
    自治体の関与条件設定・申込窓口・信用保証料の一部補助(東京都の記載)——
    金利の公表要項・一覧表PDFに区分ごとに掲載(令和8年4月1日現在・年度途中改定あり)公式サイトに利率表を掲載(令和8年9月1日現在、無担保・税務申告2期終了の基準利率は年3.80〜5.40%、有担保は年2.80〜5.00%)各社サイトの表記による
    遅延損害金記載なし(実査した範囲では確認できず)年9.10%(令和8年4月1日から令和9年3月31日までの貸付け)各社サイトの表記による(法令上の扱いは→遅延損害金の上限)
    根拠になる主な法令信用保証協会法・中小企業信用保険法株式会社日本政策金融公庫法貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)・利息制限法(昭和二十九年法律第百号)(金利の上限/総量規制)
    各機関の公表資料(2026年9月5日確認)から、確認できた事項のみを整理。順位付けや優劣の比較ではありません。空欄は当サイトの推測を避けたものです。表中の法令番号は e-Gov法令検索で確認したもの(貸金業法・利息制限法)で、株式会社日本政策金融公庫法・中小企業信用保険法は法令番号を実査していないため法律名のみを記載しています。

    どこから借りるにしても、先に見ておきたいのは毎月の返済額です。借入額・金利・期間から試算できる返済シミュレーターで、返済が事業のキャッシュフローに収まるかを確かめてください。

    公庫の利率については「融資制度、お使いみち、ご融資期間、担保の有無などによって異なる利率が適用されます」「利率は、金融情勢によって変動しますので、お借入金利(固定)は、記載されている利率とは、異なる場合があります」と公庫自身が注記しています。制度融資と公庫の比較の詳細は日本政策金融公庫の融資とビジネスローンの違いを、民間から借りる場合の登録確認は貸金業者の登録を確認する手順と登録番号チェッカーをご覧ください。

    日本政策金融公庫「金利情報 小規模事業者/個人事業主の方【国民生活事業】」 https://www.jfc.go.jp/n/rate//東京都産業労働局「融資申込受付機関・取扱指定金融機関」 https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/chushou/kinyu/yuushi/yuushi/uketsuke//e-Gov法令検索「貸金業法」(昭和五十八年法律第三十二号) https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/同「利息制限法」(昭和二十九年法律第百号) https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000100(いずれも2026年9月5日確認)

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    9. 制度融資は地域ごとに別物——数で確かめる

    全国信用保証協会連合会の「お近くの信用保証協会」一覧に掲載されている信用保証協会は51です(2026年9月5日確認・一覧の掲載件数を目視で計数)。内訳は北海道・東北7、関東12、東海6、北陸3、近畿6、中国5、四国4、九州・沖縄8。

    注目すべきは、都道府県単位ではなく市を単位とする協会が4つあることです——横浜市信用保証協会、川崎市信用保証協会、名古屋市信用保証協会、岐阜市信用保証協会。それぞれ同じ県内の県協会(神奈川県信用保証協会、愛知県信用保証協会、岐阜県信用保証協会)と併存しています。東京は「東京信用保証協会」(〒104-0061 中央区銀座6丁目17-1/TEL 03-6264-1048)で、「東京都信用保証協会」ではありません。

    さらに、東京都の制度融資一覧表PDFには、複数の融資メニューの要件として「東京都中小企業制度融資又は東京都内の区市町が実施している融資制度で保証協会の保証付融資を利用していること」という記載があります。都道府県の下に、区市町村の制度融資がもう一層あるということです。

    したがって——制度融資について調べるときは、「制度融資とは」で出てくる一般論ではなく、自分の事業所がある自治体の公表ページと、その区域の信用保証協会のページを開いてください。金額も料率も条件も、そこにしか書かれていません。公的な相談先は借入の相談窓口一覧にまとめています。

    全国信用保証協会連合会「お近くの信用保証協会」 https://www.zenshinhoren.or.jp/nearest//東京都産業労働局「令和8年度東京都中小企業制度融資一覧表(6月25日改定版)」(PDF) https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/sangyo-rodo/2026-06-22-110038-505(いずれも2026年9月5日確認)

    よくある質問

    制度融資は補助金のように返さなくてよいお金ですか?

    いいえ。東京都は制度融資を「都内の中小企業者が金融機関から融資を受けやすくするための制度」と説明しており、貸すのは指定金融機関です(2026年9月5日確認)。返済義務のある借入れであり、返済できなくなった場合は信用保証協会が金融機関に代位弁済したうえで、事業者および保証人に対して求償権を持つと全国信用保証協会連合会が定義しています。

    制度融資は自治体の窓口と銀行、どちらに申し込むのですか?

    両方の型があります。全国信用保証協会連合会は、自治体・商工会議所・保証協会などの窓口に申し込む「協会斡旋保証」と、金融機関に借入申込を行い金融機関が保証を依頼する「金融機関経由保証」を用語として定義しています(2026年9月5日確認)。東京都の場合、融資メニューごとに受付機関が「○=申込可」「×=申込不可」で表に整理されています。

    信用保証料はいくらですか?

    自治体・保証協会・保証制度・経営状況によって異なります。東京都の場合、掲載されている信用保証料率(年率)は責任共有制度の対象で500万円以下0.27%〜1.19%、1,000万円以下0.33%〜1.33%、1,000万円超は有担保0.35%〜1.39%・無担保0.45%〜1.49%、責任共有制度の対象外ではそれぞれ0.30%〜1.38%、0.37%〜1.54%、0.40%〜1.62%、0.50%〜1.72%です(2026年9月5日確認)。これは東京都の数字であり、他の自治体の数字ではありません。

    担保や保証人は求められますか?

    東京都の記載では、既存の保証付融資残高と新規の保証付融資額の合計が8,000万円以下の場合は原則として無担保、8,000万円を超える場合は物的担保が必要とされています。連帯保証人は「法人代表者(実質的な経営権を持っている者等を含む。)を除き連帯保証人は不要」と記載され、令和6年3月15日から信用保証料の上乗せにより経営者保証を提供しないことを選択できる保証制度が始まっているとの注記があります(2026年9月5日確認)。

    金利はいくらですか?

    東京都の融資利率一覧表は【責任共有対象】【責任共有対象外】×固定金利/変動金利×利率区分①〜④×融資期間で細分されており、当サイトでは個別の数値を転記していません(行と列の対応を確定できなかったため)。同表には「融資利率は令和8年4月1日現在のもので、市中金利の動向等により、年度途中において改定する場合があります」と注記されています。適用利率は、東京都の「要項・パンフレット」ページから最新版のPDFを開いて該当メニューの行でご確認ください。


    出典(記事全体):東京都産業労働局「東京都中小企業制度融資」および同「お申込み条件」「融資申込受付機関・取扱指定金融機関」「必要書類」「要項・パンフレット」「令和8年度東京都中小企業制度融資一覧表(6月25日改定版)」/e-Gov法令検索「信用保証協会法」(昭和二十八年法律第百九十六号)・「貸金業法」(昭和五十八年法律第三十二号)・「利息制限法」(昭和二十九年法律第百号)/一般社団法人全国信用保証協会連合会「信用保証協会用語」「信用保証制度を支えるしくみ」「お近くの信用保証協会」/日本政策金融公庫「金利情報 小規模事業者/個人事業主の方【国民生活事業】」(いずれも2026年9月5日確認)

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    最終更新:2026年9月5日/このページは公表されている一次情報(東京都産業労働局・e-Gov法令検索・一般社団法人全国信用保証協会連合会・株式会社日本政策金融公庫)のみを根拠に作成しています。本文中の金額・料率・条件・機関数、および三者の役割分担の説明は、すべて東京都の制度についての記載であり、他の都道府県・市区町村の制度融資については一次情報を取得していないため記載していません。各制度の内容は改定されることがあります。確認できなかった項目は「記載なし」と明記し、推測で補っていません。本記事は法律上の助言ではなく、また特定の金融商品を推奨するものでも、金融機関・保証制度の優劣を示すものでもありません。