総量規制とは|「年収の3分の1まで」の条文(貸金業法第13条の2)と対象・対象外の整理

借りる前チェック|総量規制とは

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先に結論:総量規制とは、貸金業法第13条の2に基づき、貸金業者からの個人の借入れを原則として年収の3分の1までに制限する仕組みです。対象になるのは消費者金融からの借入れやクレジットカードのキャッシングで、銀行ローン・住宅ローン・クレジットカードのショッピングは対象外です。

カードローンやビジネスローンを検討すると避けて通れない「総量規制」。貸金業者からの個人の借入れを、原則として年収の3分の1までに制限する仕組みです。ネット上の解説は多いですが、この記事では根拠条文の原文と、金融庁・日本貸金業協会の公表情報だけで整理します。

1. 根拠条文=貸金業法第13条の2(過剰貸付け等の禁止)

条文はまず「貸金業者は、貸付けの契約を締結しようとする場合において、前条第一項の規定による調査により、当該貸付けの契約が個人過剰貸付契約その他顧客等の返済能力を超える貸付けの契約と認められるときは、当該貸付けの契約を締結してはならない」と定めます。そして第2項が「年収の3分の1」の実体です(e-Gov法令検索・2026年8月28日確認)。

前項に規定する「個人過剰貸付契約」とは、個人顧客を相手方とする貸付けに係る契約(住宅資金貸付契約その他の内閣府令で定める契約(以下「住宅資金貸付契約等」という。)及び極度方式貸付けに係る契約を除く。)で、当該貸付けに係る契約を締結することにより、当該個人顧客に係る個人顧客合算額(住宅資金貸付契約等に係る貸付けの残高を除く。)が当該個人顧客に係る基準額(その年間の給与及びこれに類する定期的な収入の金額として内閣府令で定めるものを合算した額に三分の一を乗じて得た額をいう。)を超えることとなるもの(略)をいう。(貸金業法第13条の2第2項・抜粋)

前提として第13条(返済能力の調査)があり、貸金業者には顧客の収入・借入状況等の調査義務と、個人との貸付契約では指定信用情報機関の信用情報を使用する義務が課されています(同・2026年8月28日確認)。自己申告だけでなく、他社借入れも信用情報で照合されるということです。

2. 対象になる借入れ・ならない借入れ

区分
対象消費者金融からの借入れ、クレジットカードのキャッシング
対象外銀行ローン、住宅ローン、クレジットカードのショッピング(分割払い等)、信用金庫からの融資、法人向け貸付け
日本貸金業協会「お借入れは年収の3分の1まで(総量規制について)」による区分(2026年8月28日確認)。

金融庁「貸金業法のキホン」も、総量規制の対象は貸金業者からの個人による借入れであり、銀行からの借入れや法人名義での借入れは対象外と説明しています(2026年8月28日確認)。「銀行カードローンなら総量規制と無関係にいくらでも借りてよい」という意味ではなく、銀行は貸金業法ではなく銀行法の枠組みで審査を行う、という制度上の区分です。

3. 除外貸付けと例外貸付け

日本貸金業協会の解説によれば、3分の1の計算に入らない・または3分の1を超えても認められる類型があります(2026年8月28日確認)。

  • 除外貸付け(残高が枠の計算に入らない):不動産購入のための貸付け(いわゆる住宅ローン)、自動車担保の貸付け、高額療養費の貸付け、有価証券担保・不動産担保(個人の居宅等を除く)の貸付け など。金融庁「貸金業法Q&A」も「住宅ローンや自動車ローン(※)は、総量規制の適用除外となっています」と明記しています
  • 例外貸付け(3分の1超でも締結できる場合がある。残高は枠の計算に入る):顧客に一方的に有利となる借換え、緊急の医療費、社会通念上緊急に必要な費用(上限・期間の要件あり)、配偶者と合算した年収の3分の1以下の貸付け(配偶者の同意が必要)、個人事業者に対する貸付け(事業・収支・資金計画で返済能力が認められる場合)、預金取扱金融機関からの貸付けまでのつなぎ など

各類型の細かい金額・期間の要件は内閣府令で定められており、本記事の実査範囲では条文単位の確認をしていないため個別の数値要件は記載なしとします(類型名は日本貸金業協会・金融庁の公表ページによる)。

この「除外」と「例外」の違いは、総量規制の対象外となる借入れで条文をもとに整理しています。

4. 収入証明書が必要になる基準

貸金業法第13条第3項は、①その貸金業者からの借入れ(合算)が50万円を超える場合、または②他の貸金業者を含む個人顧客合算額が100万円を超える場合には、源泉徴収票その他の収入・資力を明らかにする書面の提出(または提供)を受けなければならないと定めています(e-Gov法令検索・2026年8月28日確認)。この基準に該当する申込みでは、収入証明書の提出を求められるのが法律上の建て付けです。

なお「年収」に含まれる収入について、日本貸金業協会は給与、年金、恩給、定期的に受領する不動産の賃貸収入(事業として行う場合を除く)、年間の事業所得(過去の事業所得の状況に照らして安定的と認められるもの)を挙げています(2026年8月28日確認)。

5. 借りる前の使い方

  • 貸金業者からの既存借入れ(キャッシング含む)の残高を合計し、年収の3分の1との差額が制度上の上限の目安
  • 希望額を借りたときの返済負担は返済シミュレーターで計算する(総量規制は「借りられる枠」であって「返せる額」ではありません)
  • 貸し手が登録貸金業者かは登録の照合手順で先に確認する。「総量規制対象外だから貸せる」と勧誘する無登録業者への注意はヤミ金の見分け方

e-Gov法令検索「貸金業法」第13条・第13条の2 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/金融庁「貸金業法のキホン」 https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/kihon.html/金融庁「貸金業法Q&A」 https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/qa.html/日本貸金業協会「お借入れは年収の3分の1まで(総量規制について)」 https://www.j-fsa.or.jp/association/money_lending/law/annual_income.php/日本貸金業協会「総量規制が適用されない場合について」 https://www.j-fsa.or.jp/association/money_lending/law/total_regulation.php(いずれも2026年8月28日確認)

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よくある質問

総量規制の「年収の3分の1」はどの法律に書いてありますか?

貸金業法第13条の2第2項です。基準額を「その年間の給与及びこれに類する定期的な収入の金額として内閣府令で定めるものを合算した額に三分の一を乗じて得た額」と定めています(2026年8月28日e-Govで確認)。

銀行カードローンは総量規制の対象ですか?

対象外です。総量規制は貸金業法に基づく規制で、対象は貸金業者からの個人の借入れです。銀行からの借入れは対象外と金融庁・日本貸金業協会が説明しています(2026年8月28日確認)。ただし対象外であることは、返済負担が生じないという意味ではありません。

個人事業主は年収の3分の1を超えて借りられますか?

日本貸金業協会の解説では、個人事業者に対する貸付けは、事業・収支・資金計画に照らして返済能力が認められる場合の例外貸付けとして挙げられています(2026年8月28日確認)。具体的な要件・必要書類は貸し手と内閣府令の定めによるため、本記事では個別の数値要件は記載なしとします。

クレジットカードの買い物(ショッピング)は枠に入りますか?

入りません。クレジットカードのショッピングは総量規制の対象外です(日本貸金業協会・2026年8月28日確認)。対象になるのはキャッシングです。

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最終更新:2026年8月28日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索・金融庁・日本貸金業協会)のみを根拠に作成しています。確認できなかった項目は「記載なし」と明記し、推測で補っていません。本記事は法律上の助言ではありません。