遅延損害金の上限は法律で決まっている|利息制限法第4条・第7条と貸金業法第42条を原文で確認する

借りる前チェック|遅延損害金の上限は法律で決まっている

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借入れの契約書には、貸付けの利率とは別に「遅延損害金」の利率が書かれています。返済が遅れたときに適用される利率で、法律上は「賠償額の予定」と呼ばれます。この遅延損害金にも、利息と同じく法律で上限が定められており、超過部分は無効です。

この記事では、利息制限法第4条・第7条と貸金業法第42条の条文原文(e-Gov法令検索・2026年8月28日にAPIでXML原文を取得して確認)だけを根拠に、上限の数字を整理します。

1. 原則:上限金利の1.46倍まで(利息制限法第4条)

利息制限法第4条第1項は次のとおり定めています(2026年8月28日・XML原文で確認)。

金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が第一条に規定する率の一・四六倍を超えるときは、その超過部分について、無効とする。

「第一条に規定する率」とは、元本額に応じた上限金利(10万円未満=年20%/10万円以上100万円未満=年18%/100万円以上=年15%)のことです。これを1.46倍すると、次の表になります。

元本の額利息の上限(第1条)遅延損害金の上限(第4条=1.46倍)
10万円未満年20%年29.2%
10万円以上100万円未満年18%年26.28%
100万円以上年15%年21.9%
利息制限法第1条・第4条による計算(1.46倍の数値は条文の率から算出。e-Gov法令検索・2026年8月28日確認)。

ただし、この1.46倍の表がそのまま当てはまるのは、個人間の貸し借りなど「営業的でない」金銭消費貸借です。貸金業者からの借入れには、次の特則があります。

2. 貸金業者など「営業的金銭消費貸借」は年20%まで(利息制限法第7条)

利息制限法第7条第1項は次のとおり定めています(2026年8月28日・XML原文で確認)。

第四条第一項の規定にかかわらず、営業的金銭消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が年二割を超えるときは、その超過部分について、無効とする。

「営業的金銭消費貸借」とは、債権者が業として行う金銭を目的とする消費貸借です(同法第5条第1号かっこ書き)。つまり貸金業者からの借入れの遅延損害金は、元本の額にかかわらず年20%が上限で、それを超える部分は無効です。契約書の遅延損害金欄が年20%以下に収まっているかは、借りる前に確認できるポイントです。

3. 「違約金」という名目でも同じ(第4条第2項・第7条第2項)

利息制限法第4条第2項は「前項の規定の適用については、違約金は、賠償額の予定とみなす」と定め、第7条第2項がこれを営業的金銭消費貸借の賠償額の予定にも準用しています(2026年8月28日・XML原文で確認)。名目を「違約金」「延滞金」などに変えても、上限の計算から外れることはありません。

4. 極端な高金利は契約自体が無効・刑事罰(貸金業法第42条・出資法第5条)

貸金業法第42条第1項は、貸金業を営む者が業として行う金銭消費貸借で年109.5%(うるう年は年109.8%、1日当たり0.3%)を超える割合による利息の契約をしたときは、その消費貸借の契約自体を無効と定めています。この「利息」には債務の不履行について予定される賠償額(=遅延損害金)を含むことが条文に明記されています(2026年8月28日・XML原文で確認)。

また出資法第5条第2項は、業として行う貸付けで年20%を超える利息の契約をした者に5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金(またはその併科)を定めています(2026年8月28日・XML原文で確認)。上限を大きく超える遅延損害金を平然と提示してくる貸し手は、ヤミ金の見分け方で挙げた確認をしてください。

なお、通常の返済プランの総返済額・利息総額は返済シミュレーターで計算できます(遅延損害金は延滞時にのみ発生するもので、シミュレーターの計算対象ではありません)。

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よくある質問

貸金業者の遅延損害金が「年20%」と書かれているのは合法ですか?

営業的金銭消費貸借の賠償額の予定の上限は年20%です(利息制限法第7条第1項・2026年8月28日確認)。年20%ちょうどの定めは条文の上限の範囲内です。超えるときは、その超過部分が無効になります。

「違約金」や「延滞事務手数料」という名目なら上限を超えられますか?

違約金は賠償額の予定とみなすと条文に明記されています(利息制限法第4条第2項、第7条第2項で準用・2026年8月28日確認)。なお「延滞事務手数料」のような個別名目の扱いがどう判定されるかについて、今回確認した条文に個別の記載はありません(記載なし)。名目にかかわらず上限規制の趣旨で設計されていることは、みなし利息の規定(同法第3条)からも読み取れます。

延滞している間、通常の利息と遅延損害金は両方かかりますか?

今回確認した利息制限法・貸金業法の条文には、延滞期間中の利息と賠償額の予定の併存関係を直接定めた規定は見当たりませんでした(記載なし)。個別の契約でどちらがどの期間に適用されるかは、貸金業法第16条の2・第17条により交付される契約締結前・契約締結時の書面の「賠償額の予定に関する定め」欄で確認してください。

個人間の貸し借りの遅延損害金はいくらまでですか?

営業的でない金銭消費貸借では、利息制限法第1条の率の1.46倍(元本10万円未満=年29.2%、100万円未満=年26.28%、100万円以上=年21.9%)が上限で、超過部分は無効です(第4条第1項・2026年8月28日確認)。

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最終更新:2026年8月28日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索)のみを根拠に作成しています。確認できなかった項目は「記載なし」と明記し、推測で補っていません。本記事は法律上の助言ではありません。

e-Gov法令検索「利息制限法」(昭和二十九年法律第百号)第1条・第3条・第4条・第5条・第7条 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000100/「貸金業法」(昭和五十八年法律第三十二号)第42条 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(昭和二十九年法律第百九十五号)第5条 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000195(いずれも2026年8月28日・法令APIでXML原文を取得して確認)