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貸金業者からお金を借りるとき、書面は契約の前に1回、契約したときに1回、合計2回もらえます。これは業者のサービスではなく、貸金業法第16条の2(契約締結前の書面の交付)と第17条(契約締結時の書面の交付)が定める義務です。この記事では、条文原文(e-Gov法令検索・2026年8月28日にAPIでXML原文を取得して確認)だけを根拠に、それぞれの書面に何が書かれているべきかを整理します。契約を急かして書面を渡さない貸し手は、この時点で法律の手続と整合しません。
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1. 契約締結前の書面(第16条の2)=比較検討のための書面
貸金業法第16条の2第1項は、貸付けに係る契約(極度方式基本契約・極度方式貸付けを除く)を締結しようとする場合、「当該契約を締結するまでに」次の事項を明らかにし、契約内容を説明する書面を交付しなければならないと定めています(2026年8月28日・XML原文で確認)。
| 号 | 契約締結前の書面の記載事項(第16条の2第1項) |
|---|---|
| 1号 | 貸金業者の商号、名称又は氏名及び住所 |
| 2号 | 貸付けの金額 |
| 3号 | 貸付けの利率 |
| 4号 | 返済の方式 |
| 5号 | 返済期間及び返済回数 |
| 6号 | 賠償額の予定(違約金を含む)に関する定めがあるときは、その内容 |
| 7号 | そのほか内閣府令で定める事項 |
カードローンのような極度方式基本契約の場合は、貸付金額の代わりに極度額(上限として提示する額があるときはその額も)を記載した書面の交付が義務です(同条第2項)。
この書面は「契約するまでに」もらえるものなので、持ち帰って比較検討する材料になります。書かれている貸付けの利率が利息制限法の上限の枠内か、その利率で借りたときの総返済額がいくらになるかは返済シミュレーターで確認できます。
2. 契約締結時の書面(第17条)=契約内容の証拠になる書面
第17条第1項は、貸付けに係る契約を締結したときは「遅滞なく」、次の事項について契約の内容を明らかにする書面を交付しなければならないと定めています(2026年8月28日・XML原文で確認)。
- 貸金業者の商号、名称又は氏名及び住所(1号)
- 契約年月日(2号)
- 貸付けの金額(3号)
- 貸付けの利率(4号)
- 返済の方式(5号)
- 返済期間及び返済回数(6号)
- 賠償額の予定に関する定めがあるときは、その内容(7号)
- そのほか内閣府令で定める事項(8号)
契約締結前の書面との大きな違いは契約年月日が入ることです。また、記載事項のうち重要なものを変更したときも、同様に書面交付義務があります(同項後段)。
3. 保証人にも専用の書面がある(第16条の2第3項・第17条第3項)
貸付けに係る契約について保証契約を締結しようとする場合、貸金業者は保証契約を締結するまでに、保証期間・保証金額・保証の範囲、連帯保証の場合はその内容(民法第454条の規定の趣旨など)を明らかにした書面を、保証人になろうとする者に交付しなければなりません(第16条の2第3項・2026年8月28日確認)。保証契約締結後にも保証契約の内容を明らかにする書面の交付義務があります(第17条第3項・第4項)。「形だけの保証だから」と口頭で頼まれても、この書面が出てこない話は法律の手続と整合しません。
4. 「ウェブ完結で紙がない」は違法ではない(電磁的方法)
第16条の2第4項・第17条第7項は、相手方の承諾を得て、書面の交付に代えて記載事項を電磁的方法により提供することを認めています(政令で定めるところによる・2026年8月28日確認)。この場合、書面の交付を行ったものとみなされます。つまりウェブ完結型で紙が届かないこと自体は適法であり、確認すべきは記載事項がデータとして交付・閲覧可能になっているかです。
5. 書面を交付しないと罰則(第48条)
契約締結前の書面(第16条の2第1項〜第3項)を交付しない・虚偽記載の書面を交付した者、契約締結時の書面(第17条)を交付しない・虚偽記載の書面を交付した者は、1年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその併科の対象です(貸金業法第48条第1項第3号の2・第4号・2026年8月28日・XML原文で確認)。
書面を出さない・出し渋る貸し手に会ったら、契約に進む前に登録の実在確認を行い、ヤミ金の見分け方の各チェックも当ててみてください。
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よくある質問
契約前にもらえる書面と契約時にもらえる書面は何が違いますか?
契約締結前の書面(第16条の2)は「契約を締結するまでに」交付され、契約内容の説明・比較検討のためのものです。契約締結時の書面(第17条)は契約後「遅滞なく」交付され、契約年月日を含む契約内容の記録になります。記載事項はおおむね共通ですが、契約年月日は締結時の書面にのみ列挙されています(2026年8月28日・条文確認)。
書面をくれない業者から借りてしまいました。どうすればいいですか?
書面の不交付は貸金業法第48条第1項の罰則対象行為です(2026年8月28日確認)。その業者が登録業者かどうかを金融庁の検索サービスで確認したうえで(確認手順はこちら)、金融庁の相談窓口や日本貸金業協会(0570-051-051)など公的窓口に相談してください。個別事案の対処方法は本記事の範囲外です。
カードローン(極度方式)でも毎回書面がもらえるのですか?
極度方式基本契約の締結前・締結時にはそれぞれ書面交付義務があります(第16条の2第2項・第17条第2項)。個々の極度方式貸付けについては、承諾を得て一定期間の取引状況をまとめた書面等に代える方法が第17条第6項に定められています(2026年8月28日確認)。どの方式かは契約時の書面・会員規約で確認できます。
電子交付に承諾した覚えがないのに紙が届きません。
電磁的方法による提供は「相手方の承諾を得て」行うと条文に明記されています(第16条の2第4項・第17条第7項・2026年8月28日確認)。承諾の取得方法の細部は政令・内閣府令の定めによるため、本記事では記載なしとします。まずは契約時の同意書面・申込画面の控えを確認してください。
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e-Gov法令検索「貸金業法」(昭和五十八年法律第三十二号)第16条の2・第17条・第48条 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032(2026年8月28日・法令APIでXML原文を取得して確認)
