保証人になる前に確認すること|民法と貸金業法の条文で分かる「書面がなければ無効」「事業融資の第三者保証は公正証書」

借りる前チェック|保証人になる前に確認すること

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家族や知人、取引先から「保証人になってほしい」と頼まれたとき、口約束や情で決める前に、法律が何を定めているかを確認できます。保証のルールは民法に、貸金業者からの借入れの保証については貸金業法に、それぞれ明文の規定があります。

この記事では、e-Gov法令検索で取得した条文原文(2026年8月28日にAPIでXML原文を取得して確認)だけを根拠に、保証人になる前に確認すべきポイントを整理します。

1. 保証契約は「書面」でしなければ無効(民法第446条)

民法第446条は次のように定めています(2026年8月28日・XML原文で確認)。

第四百四十六条 保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。
2 保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない
3 保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。

口頭の「保証するよ」だけでは保証契約の効力は生じません。逆に言えば、書面(または電磁的記録)に署名する瞬間が法的な分岐点です。

2. 「連帯保証」は普通の保証と違う(民法第452〜454条)

普通の保証人には2つの抗弁があります(2026年8月28日・XML原文で確認)。

  • 催告の抗弁(第452条):債権者から請求されたとき、まず主たる債務者に催告するよう請求できる
  • 検索の抗弁(第453条):主たる債務者に弁済する資力があり執行が容易であることを証明すれば、まず主たる債務者の財産に執行するよう求められる

しかし第454条は「保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前二条の権利を有しない」と定めています。連帯保証人にはこの2つの抗弁がありません。貸金業法も、連帯保証の場合には契約前の交付書面に「民法…第四百五十四条の規定の趣旨その他の連帯保証債務の内容」を記載するよう求めています(貸金業法第16条の2第3項第5号・2026年8月28日確認)。書面にこの説明があるかを確認してください。

3. 極度額の定めのない「個人根保証」は無効(民法第465条の2)

カードローンのような継続的な借入れ(極度方式)の保証など、「一定の範囲に属する不特定の債務」をまとめて保証する契約を根保証といいます。保証人が個人の場合(個人根保証契約)について、民法第465条の2第2項は「個人根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない」と定めています(2026年8月28日・XML原文で確認)。

つまり、個人が根保証をする場合は「いくらまで責任を負うか」(極度額)が書面に明記されていなければ、その契約は無効です。責任の範囲は元本だけでなく利息・違約金・損害賠償等を含めて極度額が限度になります(同条第1項)。

4. 事業のための借金の第三者保証は「公正証書」が必要(民法第465条の6)

民法第465条の6第1項は次のように定めています(2026年8月28日・XML原文で確認)。

事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約又は主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約は、その契約の締結に先立ち、その締結の日前一箇月以内に作成された公正証書で保証人になろうとする者が保証債務を履行する意思を表示していなければ、その効力を生じない。

事業資金の借入れの保証を個人が引き受ける場合、契約前1か月以内に公証人の面前で保証意思を表示した公正証書がなければ無効です(保証人が法人の場合は適用されません=同条第3項)。ただし第465条の9は適用除外を定めており、主たる債務者が法人である場合のその理事・取締役・執行役等、総株主の議決権の過半数を有する者、主たる債務者(個人)と共同して事業を行う者・事業に現に従事している配偶者などが保証人になる場合は、公正証書は不要です(2026年8月28日・XML原文で確認)。

また、事業のために負担する債務の保証を委託する主たる債務者は、委託を受ける個人に対して①財産・収支の状況、②他の債務の有無・額・履行状況、③他に提供する担保の内容の情報を提供する義務があり、これを怠って保証人が誤認した場合、債権者がそれを知り得たときは保証人は保証契約を取り消せます(第465条の10・2026年8月28日確認)。「財務状況を教えてくれない相手の保証はしない」は、条文上の根拠がある態度です。

5. 貸金業者からの借入れの保証なら:書面交付と取立て規制

主たる債務者が貸金業者から借りる場合、保証人にも貸金業法の保護があります(2026年8月28日・XML原文で確認)。

場面条文上の定め
保証契約を結ぶ前保証契約の内容を説明する書面(保証期間・保証金額・保証の範囲・連帯保証の内容等)の交付義務(貸金業法第16条の2第3項)
保証契約を結んだ後保証契約の内容を明らかにする書面と、貸付けに係る契約の内容(契約年月日・貸付けの金額・貸付けの利率等)を明らかにする書面の交付義務(第17条第3項・第4項)
取立て取立て行為の規制(第21条)の保護対象は「債務者等」=債務者又は保証人(第2条第5項)。夜間の電話や勤務先への訪問等の規制は保証人にも及ぶ
貸金業法上の保証人保護(e-Gov法令検索・2026年8月28日確認)。詳細は貸付契約の書面の記事取立て規制の記事を参照。

そもそも主たる債務者が借りようとしている相手が登録業者かどうかは、金融庁の検索サービス登録番号チェッカーで確認できます。保証を求めてくる相手が無登録業者なら、ヤミ金の見分け方を先に確認してください。また、保証しようとしている借入れの金利が法律の上限の枠内か、総返済額がいくらになるかは返済シミュレーターで計算できます。

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よくある質問

口頭で「保証する」と言ってしまいました。有効ですか?

民法第446条第2項は「保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない」と定めています(2026年8月28日・条文確認)。電磁的記録による場合は書面とみなされます(同条第3項)。個別の事情での有効性の判断はこの記事ではできないため、後述の公的な相談窓口の利用を検討してください。

連帯保証人は主たる債務者より先に請求されることがありますか?

連帯保証人には催告の抗弁(まず本人に請求せよ)と検索の抗弁(まず本人の財産に執行せよ)がありません(民法第454条・2026年8月28日確認)。民法第465条の6第2項も、連帯保証の公正証書には「債権者が主たる債務者に対して催告をしたかどうか…にかかわらず、その全額について履行する意思」を口授すると定めており、条文自体が全額請求を前提にしています。

会社の借入れの保証を社長本人がする場合も公正証書が必要ですか?

民法第465条の9は、主たる債務者が法人である場合のその理事・取締役・執行役またはこれらに準ずる者、総株主の議決権の過半数を有する者などが保証人になる場合には、公正証書に関する規定(第465条の6〜8)を適用しないと定めています(2026年8月28日・条文確認)。いわゆる経営者保証はこの適用除外に当たり得ます。個別のケースの判定はこの記事ではできません。

保証人になった後、借金の残高を教えてもらえますか?

主たる債務者の委託を受けて保証した場合、保証人の請求があれば、債権者は元本・利息・違約金等の不履行の有無と残額等の情報を遅滞なく提供しなければなりません(民法第458条の2・2026年8月28日確認)。委託を受けない保証人の場合の扱いは、この条文の適用対象外です(条文上は「委託を受けて保証をした場合」に限定・それ以外の記載なし)。

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最終更新:2026年8月28日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索)のみを根拠に作成しています。確認できなかった項目は「記載なし」と明記し、推測で補っていません。本記事は法律上の助言ではありません。個別の保証トラブルは、金融庁の金融サービス利用者相談室や日本貸金業協会(0570-051-051)などの公的窓口に相談できます(金融庁「違法な金融業者にご注意!」・日本貸金業協会サイト・2026年8月28日確認)。

e-Gov法令検索「民法」(明治二十九年法律第八十九号)第446条・第452条〜第454条・第458条の2・第465条の2・第465条の6・第465条の9・第465条の10 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089/「貸金業法」(昭和五十八年法律第三十二号)第2条・第16条の2・第17条・第21条 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032(いずれも2026年8月28日・法令APIでXML原文を取得して確認)/金融庁「違法な金融業者にご注意!」 https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/index.html(2026年8月28日確認)