抵当権と根抵当権の違い|民法第369条・第398条の2の原文と、極度額・元本確定の意味

借りる前チェック|抵当権と根抵当権の違い

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不動産を担保に入れる話になると、契約書や登記の書面に「抵当権」と「根抵当権」という、よく似た2つの言葉が出てきます。1字違うだけですが、条文の置き場所も、書かれている中身も別ものです。

先に結論:抵当権は「その1本の債権」を担保する権利で、根拠は民法第369条。根抵当権は「一定の範囲に属する不特定の債権」を「極度額」の限度で担保する権利で、根拠は民法第398条の2第1項です。前者には登記事項として債権額が並び、後者には担保すべき債権の範囲及び極度額が並びます(不動産登記法第83条第1項第一号/第88条第2項第一号)。手元の書面がどちらの型かは、この欄の名前で読み分けられます。

この記事は、e-Gov法令検索が配信する民法・不動産登記法・登記手数料令・貸金業法の法令データと、法務省・法務局が公表しているページだけを根拠に、条文がこの2つをどう書き分けているかを確認した記録です。どちらが有利か・どちらを選ぶべきかという話は、条文に定めがないため扱いません。各社の商品でどちらが設定されるかも、公表された一次情報がないため記載なしとします。

1. 条文の置き場所からして違う

民法の第二編「物権」には第十章「抵当権」という章があり、その中がさらに節に分かれています。実査した法令データのツリーをたどると、位置関係は次のとおりでした(2026年9月12日確認)。

条文章・節見出し(原文)
第369条第十章 抵当権 > 第一節 総則(抵当権の内容)
第373条・第375条第十章 抵当権 > 第二節 抵当権の効力(抵当権の順位)/(抵当権の被担保債権の範囲)
第396条第十章 抵当権 > 第三節 抵当権の消滅(抵当権の消滅時効)
第398条の2 〜 第398条の22第十章 抵当権 > 第四節 根抵当(根抵当権)ほか
e-Gov法令検索「民法」の法令データから、各条が属する章・節を確認(2026年9月12日確認)。第四節 根抵当に置かれている条は21か条。

まず第369条が、抵当権そのものを定義しています。

第一項「抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
第二項「地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。この場合においては、この章の規定を準用する。」

ポイントは「占有を移転しないで」です。担保に入れても、その不動産を使い続けられる。そして「他の債権者に先立って」=優先弁済を受けられる。この優先順位は第373条が「同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による。」と定めています。

一方、根抵当権は第398条の2第1項です。

抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。

条文は「抵当権は……ためにも設定することができる」と書いています。根抵当権は抵当権とまったく別の権利として新設されたのではなく、抵当権の一形態として第十章の中に置かれている、という組み立てです。同条第2項が「前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)」と略称を与えています。

なお抵当権の側には、第396条が「抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しない。」という定めを置いています。担保される債権と抵当権が一体で扱われていることが、条文からも読み取れます。

e-Gov法令検索「民法」(明治二十九年法律第八十九号)第369条・第373条・第396条・第398条の2 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(2026年9月12日確認)

2. いちばんの違いは「債権額」か「極度額」か

抵当権には、担保される債権が1本あります。だから登記にも「債権額」が書かれます。根抵当権には、担保される債権があらかじめ特定されていません。代わりに上限の枠=極度額が書かれます。

その枠がどこまでを飲み込むかを定めているのが第398条の3第1項です。

「根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができる。」

ここが抵当権との分かれ目です。抵当権のほうは、第375条第1項が次のように制限しています。

第一項「抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。ただし、それ以前の定期金についても、満期後に特別の登記をしたときは、その登記の時からその抵当権を行使することを妨げない。」
第二項「前項の規定は、抵当権者が債務の不履行によって生じた損害の賠償を請求する権利を有する場合におけるその最後の二年分についても適用する。ただし、利息その他の定期金と通算して二年分を超えることができない。」

つまり抵当権は「利息は最後の2年分まで」という上限の引き方根抵当権は「元本も利息も損害賠償も全部まとめて、極度額まで」という上限の引き方です。同じ「担保の上限」でも、数え方の設計が違います。

比べる点抵当権根抵当権
根拠条文民法第369条民法第398条の2第1項
担保される債権特定の債権一定の範囲に属する不特定の債権
上限の書き方債権額(登記事項)極度額(登記事項)
利息・損害賠償の扱い最後の二年分について行使できる(第375条)確定した元本・利息等の全部を極度額を限度として行使できる(第398条の3第1項)
上限額の変更条文に「極度額の変更」に当たる規定は置かれていない利害関係を有する者の承諾を得なければ、することができない(第398条の5)
順位登記の前後による(第373条・根抵当権も第十章の抵当権)
民法第369条・第373条・第375条・第398条の2・第398条の3・第398条の5の原文から作成(2026年9月12日確認)。優劣や有利・不利を示すものではありません。

極度額を動かしたいときの条文が第398条の5です。「根抵当権の極度額の変更は、利害関係を有する者の承諾を得なければ、することができない。」——枠を広げるにも狭めるにも、後順位の担保権者などの承諾が要る、という設計になっています。

e-Gov法令検索「民法」第375条・第398条の3・第398条の5 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(2026年9月12日確認)

3. 「何でも担保」は条文が禁じている——債権の範囲

「不特定の債権を担保する」と聞くと、その人と自分の間のあらゆる債務が無制限に入るように読めます。しかし第398条の2第2項は、そこに枠をはめています。

第二項「前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。

「限定して、定めなければならない」。つまり債権の範囲は登記され、そこに書かれた取引から生じる債権だけが枠の中に入ります。第3項は、この原則の例外として「特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権、手形上若しくは小切手上の請求権又は電子記録債権(電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子記録債権をいう。次条第二項において同じ。)は、前項の規定にかかわらず、根抵当権の担保すべき債権とすることができる。」と定めています。

この範囲は後から動かせます。第398条の4は次のとおりです。

  • 第一項「元本の確定前においては、根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をすることができる。債務者の変更についても、同様とする。」
  • 第二項「前項の変更をするには、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しない。」
  • 第三項「第一項の変更について元本の確定前に登記をしなかったときは、その変更をしなかったものとみなす。」

極度額の変更(第398条の5)は利害関係人の承諾が要るのに、債権の範囲・債務者の変更(第398条の4第2項)は承諾が要らない。枠の大きさは他人の利害に直結するが、枠の中身の入れ替えは枠を超えないから——という条文の書き分けになっています。ただし第3項のとおり、登記をしないまま元本が確定すると、その変更はなかったものとみなされます

e-Gov法令検索「民法」第398条の2第2項・第3項・第398条の4 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(2026年9月12日確認)

4. 「元本確定」とは何が起きることか

根抵当権の条文には「元本の確定前」「元本の確定後」という表現が繰り返し出てきます。元本確定=それ以降に生じる債権は、もうこの枠に入らなくなる時点のことです。出入り自由だった枠が締め切られ、中身が固定されます。

あらかじめ期日を決めておく場合(第398条の6)

  • 第一項「根抵当権の担保すべき元本については、その確定すべき期日を定め又は変更することができる。」
  • 第三項「第一項の期日は、これを定め又は変更した日から五年以内でなければならない。」
  • 第四項「第一項の期日の変更についてその変更前の期日より前に登記をしなかったときは、担保すべき元本は、その変更前の期日に確定する。」

請求で確定させる場合(第398条の19)

  • 第一項「根抵当権設定者は、根抵当権の設定の時から三年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができる。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時から二週間を経過することによって確定する。」
  • 第二項「根抵当権者は、いつでも、担保すべき元本の確定を請求することができる。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時に確定する。」
  • 第三項「前二項の規定は、担保すべき元本の確定すべき期日の定めがあるときは、適用しない。」

担保を提供した側(根抵当権設定者)は設定から3年を待つ必要があり、確定まで2週間かかる。担保を取った側(根抵当権者)はいつでも請求でき、その場で確定する。条文は左右対称ではありません。そして確定期日が定めてある場合、この確定請求の規定は適用されません(第3項)。

一定の事由が起きて確定する場合(第398条の20第1項)

元本が確定する場合(原文の要旨)
根抵当権者が抵当不動産について競売若しくは担保不動産収益執行又は第372条において準用する第304条の規定による差押えを申し立てたとき。ただし、競売手続若しくは担保不動産収益執行手続の開始又は差押えがあったときに限る。
根抵当権者が抵当不動産に対して滞納処分による差押えをしたとき。
根抵当権者が抵当不動産に対する競売手続の開始又は滞納処分による差押えがあったことを知った時から二週間を経過したとき。
債務者又は根抵当権設定者が破産手続開始の決定を受けたとき。
民法第398条の20第1項第一号〜第四号(2026年9月12日確認)。同条第2項は、第三号の競売手続の開始・差押えまたは第四号の破産手続開始の決定の効力が消滅したときは確定しなかったものとみなす旨(ただし書あり)を定めています。

相続・合併があった場合(第398条の8・第398条の9)

第398条の8は、元本の確定前に根抵当権者や債務者について相続が開始したとき、相続開始の時に存する債権・債務のほか、合意により定めた相続人が相続開始後に取得・負担する債権債務も担保する、と定めます。ただし第4項は「第一項及び第二項の合意について相続の開始後六箇月以内に登記をしないときは、担保すべき元本は、相続開始の時に確定したものとみなす。」としています。

合併の場合は第398条の9で、根抵当権設定者は元本の確定を請求でき(第3項)、その請求があったときは合併の時に確定したものとみなされます(第4項)。この請求は「根抵当権設定者が合併のあったことを知った日から二週間を経過したときは、することができない。合併の日から一箇月を経過したときも、同様とする。」(第5項)と期間が区切られています。

e-Gov法令検索「民法」第398条の6・第398条の8・第398条の9・第398条の19・第398条の20 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(2026年9月12日確認)

5. 確定の前と後で、できることが入れ替わる

根抵当権の条文群は、「元本の確定前ならできる/できない」「元本の確定後ならできる」がはっきり書き分けられています。実査した条文を並べると次のとおりです。

条文タイミング内容(原文の要旨)
第398条の4第1項元本の確定担保すべき債権の範囲の変更ができる。債務者の変更も同様
第398条の7第1項元本の確定根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない。債務者のために又は債務者に代わって弁済をした者も同様
第398条の7第2項元本の確定債務の引受けがあったとき、根抵当権者は引受人の債務について根抵当権を行使することができない
第398条の11第1項元本の確定根抵当権者は第376条第1項の規定による根抵当権の処分をすることができない(その根抵当権を他の債権の担保とすることは妨げない)
第398条の12第1項元本の確定根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権を譲り渡すことができる
第398条の21第1項元本の確定根抵当権設定者は、極度額を「現に存する債務の額」+「以後二年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務の不履行による損害賠償の額」に減額することを請求できる
第398条の22第1項元本の確定現に存する債務の額が極度額を超えるとき、物上保証人や抵当不動産について所有権等を取得した第三者は、極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して根抵当権の消滅請求ができる(その払渡し・供託は弁済の効力を有する)
民法第398条の4・第398条の7・第398条の11・第398条の12・第398条の21・第398条の22(2026年9月12日確認)。

第398条の7第1項は、抵当権との対比で効いてきます。ふつうの抵当権は債権にくっついて動きますが、根抵当権は元本が確定するまで特定の債権と結びついていないため、債権だけを譲り受けた人が根抵当権を使うことはできない、と条文が明言しています。

逆に確定後は、枠が固定される代わりに設定者側の手当てが用意されます。第398条の21第1項の減額請求と、第398条の22第1項の消滅請求です。とくに後者は「極度額に相当する金額を払い渡し又は供託」すれば、現に存する債務の額が極度額を超えていても根抵当権を消せる、という構造になっています。

なお、不動産を担保として提供する立場と、保証人になる立場は別の制度です(→保証人になる前に確認すること)。契約前に渡される書面そのものの確認は貸金業法16条の2・17条の書面交付義務にまとめています。

e-Gov法令検索「民法」第398条の7・第398条の11・第398条の12・第398条の21・第398条の22 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(2026年9月12日確認)

6. 手元の不動産がどちらの型か——登記事項証明書で確かめる

抵当権と根抵当権は、登記に書かれる項目そのものが違います。不動産登記法を原文で見ると、こうなっています。

条文登記事項(原文の要旨)
第83条第1項先取特権、質権若しくは転質又は抵当権の登記の登記事項=第59条各号のほか、一 債権額(一定の金額を目的としない債権については、その価額)/二 債務者の氏名又は名称及び住所/三 所有権以外の権利を目的とするときは、その目的となる権利/四 二以上の不動産に関する権利を目的とするときは、当該二以上の不動産及び当該権利/五 外国通貨で第一号の債権額を指定した債権を担保する場合の本邦通貨で表示した担保限度額
第88条第1項抵当権(根抵当権を除く)の登記事項=第59条各号及び第83条第1項各号のほか、一 利息に関する定めがあるときはその定め/二 民法第375条第2項に規定する損害の賠償額の定めがあるときはその定め/三 債権に付した条件があるときはその条件 ほか
第88条第2項根抵当権の登記事項=第59条各号及び第83条第1項各号(第一号を除く。)のほか、一 担保すべき債権の範囲及び極度額/二 民法第370条ただし書の別段の定めがあるときはその定め/三 担保すべき元本の確定すべき期日の定めがあるときはその定め/四 民法第398条の14第1項ただし書の定めがあるときはその定め
不動産登記法第83条・第88条(2026年9月12日確認)。第88条第1項の括弧書きは、根抵当権を「民法第398条の2第1項の規定による抵当権」と定義したうえで第1項の対象から除いています。

注目したいのは第88条第2項の「第83条第1項各号(第一号を除く。)」という括弧書きです。第一号は「債権額」。根抵当権の登記事項からは、債権額が外されています。代わりに第2項第一号の「担保すべき債権の範囲及び極度額」が入る。だから登記の欄に「債権額」とあれば抵当権、「極度額」と「債権の範囲」が並んでいれば根抵当権、という読み方ができます。「確定期日」の欄(第2項第三号)が見えるのも根抵当権の側です。

その登記を取る手続は、不動産登記法第119条が定めています。第1項は「何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる。」。第5項は「第一項の交付の請求は、法務省令で定める場合を除き、請求に係る不動産の所在地を管轄する登記所以外の登記所の登記官に対してもすることができる。」と定めています。第4項は手数料の納付方法を収入印紙(法務省令で定める方法で請求するときは現金も可)としています。

手数料の額は登記手数料令が定めています。第2条第1項は「登記事項証明書……の交付についての手数料は、一通につき六百円とする。ただし、一通の枚数が五十枚を超えるものについては、六百円にその超える枚数五十枚までごとに百円を加算した額とする。」、第3条第1項は電子情報処理組織を使用して行う請求について「一通につき四百九十円(当該登記事項証明書の送付を求める場合にあつては、五百二十円)」と定めています。法務省が公表している「登記手数料について」(令和7年4月1日〜)の表も、書面請求600円/オンライン請求・送付520円/オンライン請求・窓口交付490円と、同じ額を示しています(2026年9月12日確認)。

法務局「各種証明書請求手続」(ページ内の更新日=2026年2月2日)は、オンライン請求について「交付方法は、郵送又は窓口受取であり、電磁的な登記事項証明書等がオンラインで交付されるものではありません。」と明記しています。また「登記事項要約書は、証明書とは異なるもので、管轄登記所の窓口にしか請求できません。オンライン、郵送による請求はできませんので、インターネットで登記の内容を確認したい場合は、登記情報提供サービスをご利用ください」とも記載しています(2026年9月12日確認)。

不動産担保ローンと総量規制の関係、および登記事項証明書が保存書類として挙がっている条文は不動産担保ローンと総量規制で扱っています。

e-Gov法令検索「不動産登記法」(平成十六年法律第百二十三号)第83条・第88条・第119条 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123/同「登記手数料令」第2条・第3条 https://laws.e-gov.go.jp/law/324CO0000000140/法務省「登記手数料について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/TESURYO/index.html/法務局「各種証明書請求手続」 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/category_00002.html(いずれも2026年9月12日確認)

7. カードローンの「極度額」とは、根拠法が違う

「極度額」という言葉は、カードローンの説明でも見かけます。同じ言葉ですが、根拠法が違います。本記事の極度額は民法第398条の2第1項の根抵当権の極度額で、カードローンの極度額は貸金業法第2条第7項の「極度方式基本契約」の極度額です。同項の原文は次のとおりです(2026年9月12日確認)。

「この法律において「極度方式基本契約」とは、貸付けに係る契約のうち、資金需要者である顧客によりあらかじめ定められた条件に従つた返済が行われることを条件として、当該顧客の請求に応じ、極度額の限度内において貸付けを行うことを約するものをいう。」

一方は不動産に設定する担保権の枠(民法)、もう一方は貸付契約そのものの枠(貸金業法)で、登記されるかどうかも、変更に承諾が要るかどうかも別の条文で決まります。カードローン側の極度額についてはカードローンの極度額と利用限度額の違いにまとめています。年収の3分の1の枠組みは総量規制とはを参照してください。

e-Gov法令検索「貸金業法」(昭和五十八年法律第三十二号)第2条第7項 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/同「民法」第398条の2 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(いずれも2026年9月12日確認)

8. 申し込む前に確認しておくこと

条文の読み分けができたら、次は相手方の確認です。金銭の貸付けを業として行うには貸金業の登録が要ります。登録の有無は金融庁の検索サービスで確認できます(→貸金業者の登録を確認する手順登録番号チェッカー)。契約前後に交付される書面の記載事項は貸金業法16条の2・17条の書面交付義務に条番号つきで整理しています。

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よくある質問

根抵当権は、抵当権とは別の権利ですか?

民法第398条の2第1項は「抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる」と定め、同条第2項が「前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)」と略称を与えています。条文上は第十章「抵当権」の第四節「根抵当」に置かれた21か条で規律されています(2026年9月12日確認)。

登記を見て、抵当権か根抵当権かを見分けられますか?

登記事項が違います。抵当権は不動産登記法第83条第1項第一号の「債権額」が登記事項ですが、根抵当権については第88条第2項が「第83条第1項各号(第一号を除く。)」としたうえで、第一号に「担保すべき債権の範囲及び極度額」を挙げています。第2項第三号には「担保すべき元本の確定すべき期日の定めがあるときは、その定め」も入ります(2026年9月12日確認)。

「元本確定」とは、条文上どういう意味ですか?

民法第398条の3第1項は、根抵当権者が「確定した元本」並びに利息その他の定期金及び損害賠償の全部について、極度額を限度として根抵当権を行使できると定めています。確定の時期は、あらかじめ定めた期日(第398条の6。定め・変更の日から五年以内)、確定請求(第398条の19。設定者は設定から三年経過後・請求から二週間、根抵当権者はいつでも・請求の時)、一定の事由(第398条の20第1項第一号〜第四号)によります(2026年9月12日確認)。

極度額は後から変えられますか?

民法第398条の5は「根抵当権の極度額の変更は、利害関係を有する者の承諾を得なければ、することができない」と定めています。また元本の確定後については、第398条の21第1項が、根抵当権設定者は極度額を「現に存する債務の額」と「以後二年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務の不履行による損害賠償の額」とを加えた額に減額することを請求できると定めています(2026年9月12日確認)。

登記事項証明書はいくらで取れますか?

登記手数料令第2条第1項は一通につき六百円、第3条第1項は電子情報処理組織を使用して行う請求について一通につき四百九十円(送付を求める場合は五百二十円)と定めています。法務省「登記手数料について」(令和7年4月1日〜)の表も、書面請求600円/オンライン請求・送付520円/オンライン請求・窓口交付490円と同じ額を示しています。請求できる者について、不動産登記法第119条第1項は「何人も」と定めています(2026年9月12日確認)。


出典(主要):e-Gov法令検索「民法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089/同「不動産登記法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123/同「登記手数料令」 https://laws.e-gov.go.jp/law/324CO0000000140/同「貸金業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/法務省「登記手数料について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/TESURYO/index.html/法務局「各種証明書請求手続」 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/category_00002.html(いずれも2026年9月12日確認。各節末に節ごとの出典を記載)

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最終更新:2026年9月12日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索が配信する民法・不動産登記法・登記手数料令・貸金業法の法令データ、法務省・法務局の公表ページ)のみを根拠に作成しています。条文は2026年9月12日時点で取得した版(民法=施行日2026年6月24日、不動産登記法=施行日2026年6月24日、登記手数料令=施行日2026年4月1日、貸金業法=施行日2025年10月1日)に基づくもので、改正されることがあります。確認できなかった項目は「記載なし」と明記し、推測で補っていません。本記事は法律上の助言ではなく、個別の登記・契約の判断は司法書士・弁護士等の専門家にご相談ください。また特定の金融商品を推奨するものではありません。