期限の利益の喪失とは|民法第137条と、貸金業法17条書面に書かれる「期限の利益の喪失の定め」

借りる前チェック|期限の利益の喪失とは

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毎月きちんと分割で返していたものが、ある時点から「残り全額をまとめて」という請求に変わる。この切り替えを起こしているのが期限の利益の喪失です。先に結論:民法が喪失を定めているのは3つの場合だけ(第137条第1号〜第3号)で、そのほかは契約に置かれた「期限の利益の喪失の定め」によります。そしてその定めは、貸金業者との契約なら契約を締結するまでに交付される書面の記載事項として条文に位置づけられています(貸金業法第16条の2第1項。原文が対象としているのは「貸付けに係る契約(極度方式基本契約及び極度方式貸付けに係る契約を除く。)」で、同項第7号→同法施行規則第12条の2第1項第1号チ。極度方式基本契約は同条第2項第6号→同規則第12条の2第2項第1号チ)。

この記事は、e-Gov法令検索の法令API(民法・貸金業法・貸金業法施行規則・利息制限法)から条文を取得し、どの条・どの項・どの号に何が書かれているかを原文どおりに整理した記録です(2026年9月13日確認)。届いた書面への対応、判例の評価、個別の契約の有効性については扱いません。

1. 「期限の利益」は、条文上どう定義されているか

民法は、期限の効果と利益を第135条・第136条で定めています。

第135条(期限の到来の効果)第1項は「法律行為に始期を付したときは、その法律行為の履行は、期限が到来するまで、これを請求することができない。」と定めます。期限が来るまでは請求されない、という状態そのものが条文に書かれているわけです。

そのうえで第136条(期限の利益及びその放棄)が置かれています。

条文原文
民法第136条第1項期限は、債務者の利益のために定めたものと推定する。
民法第136条第2項期限の利益は、放棄することができる。ただし、これによって相手方の利益を害することはできない。
e-Gov法令検索「民法」(明治二十九年法律第八十九号)第136条の原文(2026年9月13日確認)。

読みどころは第1項の「債務者の利益のために」です。期限は借りた側の利益として推定される、と条文が書いています。第135条第1項は、始期付きの法律行為について「期限が到来するまで、これを請求することができない」と定めています。第136条第1項が期限を債務者の利益と推定し、第137条がその利益を「主張することができない」場合を列挙する、という並びです。次節の第137条は、まさに「期限の利益を主張することができない」という書き方で作られています。

e-Gov法令検索「民法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(2026年9月13日確認)

2. 民法が定める「喪失」は3つの場合だけ(第137条)

民法第137条は、見出しがそのまま「(期限の利益の喪失)」です。柱書は「次に掲げる場合には、債務者は、期限の利益を主張することができない。」で、続く号は3つで終わっています(第4号以降は存在しません)。

原文
第1号債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。
第2号債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき。
第3号債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき。
e-Gov法令検索「民法」第137条の原文(2026年9月13日確認)。第2号・第3号はいずれも担保に関する場合。

ここで目を引くのは、「返済が遅れたとき」が条文に挙がっていないことです。第137条に並ぶのは破産手続開始の決定と、担保をめぐる2つの場合だけ。条文の言い方も「喪失する」ではなく「期限の利益を主張することができない」です。

3つのうち2つ(第2号・第3号)が担保に関する場合です。担保を出して借りるときは、担保の内容そのものも貸金業者の交付する書面の記載事項になっています(第5節でその位置を示します)。

e-Gov法令検索「民法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089(2026年9月13日確認)

3. 実際の引き金は契約の「定め」=条文がその存在を前提にしている

では、返済の遅れをきっかけにした一括請求はどこから来るのか。条文のたどり方はこうなります。

貸金業法第17条(契約締結時の書面の交付)第1項は、貸付けに係る契約(極度方式基本契約を除く。)を締結したときに交付する書面の記載事項を第1号から第8号まで列挙しています。第1号「貸金業者の商号、名称又は氏名及び住所」、第2号「契約年月日」、第3号「貸付けの金額」、第4号「貸付けの利率」、第5号「返済の方式」、第6号「返済期間及び返済回数」、第7号「賠償額の予定に関する定めがあるときは、その内容」、そして第8号が「前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項」です。

この第8号を受けているのが貸金業法施行規則第13条第1項で、柱書は「法第十七条第一項第八号に規定する内閣府令で定める事項は、次の各号に掲げる貸付けに係る契約の区分に応じ、当該各号に定める事項とする。」。その第1号(金銭の貸付けに係る契約)はイからソまで18個の細目を並べており、10番目のヌが該当箇所です。

位置原文
貸金業法施行規則
第13条第1項第1号ヌ
期限の利益の喪失の定めがあるときは、その旨及びその内容(旧利息制限法第一条第一項に規定する利率を超えない範囲においてのみ効力を有する旨を含む。)(極度方式貸付けに係る契約であつて当該契約で定める利息の額が旧利息制限法第一条第一項に定める利息の制限額を超えないものを締結する場合において、法第十七条第二項の規定により交付する書面に記載されているとき、又は記載されているものより契約の相手方に有利なものであるときは、記載を省略することができる。)
e-Gov法令検索「貸金業法施行規則」(昭和五十八年大蔵省令第四十号)第13条第1項第1号ヌの原文(2026年9月13日確認)。

注目したいのは「定めがあるときは」という条件つきの書き方です。法令の側が喪失事由を作っているのではなく、契約に定めが置かれる場合があることを前提に、その内容を書面に書かせているという構造になっています。つまり、返済の遅れで一括請求に変わるかどうか、変わるとして何が引き金になるかは、この「定め」の側に書かれているということです。

書面の交付義務そのものの全体像(契約前と契約時の2回・保証人向けの書面・電磁的方法)は貸金業法16条の2・17条の書面交付義務にまとめています。本記事はそのうち1つの記載事項の中身だけを見ています。

e-Gov法令検索「貸金業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/e-Gov法令検索「貸金業法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000040040(いずれも2026年9月13日確認)

4. その定めは「契約を締結するまでに」読める

ここが借りる前の確認として一番効く点です。同じ「期限の利益の喪失の定め」は、契約時の書面より前に交付される書面の記載事項にもなっています。

貸金業法第16条の2(契約締結前の書面の交付)第1項の柱書は「貸金業者は、貸付けに係る契約(極度方式基本契約及び極度方式貸付けに係る契約を除く。)を締結しようとする場合には、当該契約を締結するまでに、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を明らかにし、当該契約の内容を説明する書面を当該契約の相手方となろうとする者に交付しなければならない。」。第1号から第7号まであり、第7号が「前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項」です。

これを受ける貸金業法施行規則第12条の2第1項の第1号は、イからヌまで10個の細目を並べています。うち8番目のチが次の一文です。

位置原文
貸金業法施行規則
第12条の2第1項第1号チ
期限の利益の喪失の定めがあるときは、その旨及びその内容
(参考)同項第1号ト契約上、返済期日前の返済ができるか否か及び返済ができるときは、その内容
(参考)同項第1号ヘ各回の返済期日及び返済金額の設定の方式
e-Gov法令検索「貸金業法施行規則」第12条の2第1項第1号の原文(2026年9月13日確認)。契約締結時の書面(第13条)側と違い、括弧書のない素の形。

契約前の書面の側は、括弧による省略の許容がなく、一文だけの素の形です。極度方式基本契約(枠を設定する型の契約)の場合も、第12条の2第2項第1号チに同じ一文が置かれています。

つまり条文上は、第16条の2第1項が対象とする契約(貸付けに係る契約から極度方式基本契約及び極度方式貸付けに係る契約を除いたもの)と、同条第2項の極度方式基本契約について、署名する前の段階で、喪失の条件と内容が書かれた書面が手元に来る建前になっています。金利の表示の読み方は実質年率とは、返済額の見え方は返済シミュレーターで確認できますが、この条項は金額の計算ではなく「いつ全額になるか」の条件にあたる部分です。

e-Gov法令検索「貸金業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/e-Gov法令検索「貸金業法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000040040(いずれも2026年9月13日確認)

5. 同じ定めが載る書面は1種類ではない

条文を横に並べると、「期限の利益の喪失の定め」は複数の書面の記載事項として繰り返し登場します。実査で条・項・号まで特定できたのは次の7か所です(施行規則の条文XMLで「期限の利益の喪失」の語が現れるのは、この7か所)。

書面法の根拠府令の位置
契約締結前の書面貸金業法第16条の2第1項第7号規則第12条の2第1項第1号
契約締結前の書面(極度方式基本契約)貸金業法第16条の2第2項第6号規則第12条の2第2項第1号
保証契約締結前の書面(保証の対象となる貸付けに係る契約の定め)貸金業法第16条の2第3項第4号規則第12条の2第4項第1号
保証契約締結前の書面(保証契約自体の定め)貸金業法第16条の2第3項第6号規則第12条の2第6項第8号
契約締結時の書面貸金業法第17条第1項第8号規則第13条第1項第1号
契約締結時の書面(極度方式基本契約)貸金業法第17条第2項第7号規則第13条第3項第1号
一定期間の取引状況を記載した書面貸金業法第17条第6項規則第13条第17項第1号
e-Gov法令検索「貸金業法」「貸金業法施行規則」から取得した条文の対応(2026年9月13日確認)。

最後の「取引状況を記載した書面」は、極度方式貸付けで個別の契約書面に代えて交付できる型の書面です。その柱書は、記載に用いる文字について「日本産業規格Z八三〇五に規定する八ポイント以上の大きさの文字及び数字を用いて明瞭かつ正確に」と定めています。

担保を出す場合は、同じ第13条第1項第1号のが「当該契約に基づく債権につき物的担保を供させるときは、当該担保の内容」を記載事項としています。民法第137条第2号・第3号が担保の場合を挙げていることと合わせて読むと、担保付きの借入れでは、担保の内容と喪失の定めの両方が同じ書面に並ぶことになります。

保証人が付く契約では、貸金業法第17条第4項が「貸金業者は、貸付けに係る契約について保証契約を締結したとき、又は貸付けに係る契約で保証契約に係るものを締結したときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、第一項各号に掲げる事項についてこれらの貸付けに係る契約の内容を明らかにする書面をこれらの保証契約の保証人に交付しなければならない。」と定めています。保証契約そのものの書面についても、規則第12条の2第6項第8号が「保証契約に期限の利益の喪失の定めがあるときは、その旨及びその内容」を挙げています。保証の側の論点は保証人になる前に確認することにまとめています。

e-Gov法令検索「貸金業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/e-Gov法令検索「貸金業法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000040040(いずれも2026年9月13日確認)

6. 喪失した後、条文の上では何が動くか

民法第137条が書いているのは「次に掲げる場合には、債務者は、期限の利益を主張することができない。」までです。そこから先=一括請求や遅延損害金の起算がどうなるかは、第137条にも、次に引く第412条・第419条にも書かれていません。実際にどうなるかは、契約書の「期限の利益の喪失の定め」の内容と、民法第412条・第419条の要件に当たるかどうかで個別に決まります。以下は、その要件の側の条文です。

第412条(履行期と履行遅滞)第1項は「債務の履行について確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した時から遅滞の責任を負う。」、第3項は「債務の履行について期限を定めなかったときは、債務者は、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。」です。

遅滞の責任の中身は第419条(金銭債務の特則)が定めています。第1項は「金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。」、第2項は「前項の損害賠償については、債権者は、損害の証明をすることを要しない。」です。

この損害賠償の額の上限には利息制限法の制限(第4条・第7条)がかかりますが、その数値と条文は遅延損害金の上限は法律で決まっているで扱っているため、本記事では数値を再掲しません。また、支払を求める側の行為には貸金業法第21条の規制があり、こちらは違法な取り立ての基準にまとめています。

e-Gov法令検索「民法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089/e-Gov法令検索「利息制限法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000100(いずれも2026年9月13日確認)

7. 借りる側から手放す場合=期限の利益の放棄と繰上返済

期限の利益は、失うだけのものではありません。民法第136条第2項が「期限の利益は、放棄することができる。」と定めており、これが繰上返済の側の話につながります。

消費貸借については第591条(返還の時期)が置かれています。

条文原文
民法第591条第1項当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告をすることができる。
民法第591条第2項借主は、返還の時期の定めの有無にかかわらず、いつでも返還をすることができる。
民法第591条第3項当事者が返還の時期を定めた場合において、貸主は、借主がその時期の前に返還をしたことによって損害を受けたときは、借主に対し、その賠償を請求することができる。
e-Gov法令検索「民法」第591条の原文(2026年9月13日確認)。

第2項と第3項は、セットで読む条文です。期限前に返すこと自体は「いつでも」と書かれており、その一方で、期限前の返還によって貸主に損害が出た場合の賠償請求が第3項に用意されています。第136条第2項のただし書「これによって相手方の利益を害することはできない。」と同じ向きの規定です。

そして契約の側の扱いは、やはり書面の記載事項になっています。貸金業法施行規則第13条第1項第1号は「契約上、返済期日前の返済ができるか否か及び返済ができるときは、その内容」を記載事項とし、契約前の書面でも第12条の2第1項第1号トに同じ一文が置かれています。早めに返す前提で借りるなら、契約前の書面のこの行を見ることになります。

e-Gov法令検索「民法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089/e-Gov法令検索「貸金業法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000040040(いずれも2026年9月13日確認)

8. 条文からは確認できなかったこと

実査の範囲で特定できなかった項目は、推測で埋めずにそのまま書き出します。

  • 「旧利息制限法第一条第一項に規定する利率」の数値=記載なし。 規則第13条第1項第1号ヌの括弧書はこの利率を参照していますが、「旧利息制限法」とは規則第12条の2第4項第1号カが定義するとおり「貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律(平成十八年法律第百十五号)第五条の規定による改正前の利息制限法(昭和二十九年法律第百号)」です。e-Gov法令検索が収録している利息制限法は、その改正法による2010年6月18日施行の版だけで(法令APIのリビジョン情報が1件)、改正前の条文は取得できませんでした。よって数値は書きません。
  • 「何日滞納したら喪失するか」=記載なし。 日数や回数を定めた条文は、実査した民法・貸金業法・同施行規則のいずれにも見当たりませんでした。条文は「定めがあるときは、その旨及びその内容」と書くだけです。
  • 個別の契約書の条項の文言は、公表された一次情報を実査していないため扱いません。個々の会社の契約条件の優劣や比較も扱いません。
  • 判例・裁判例の評価は、今回の実査対象(法令API)に含まれないため扱いません。
  • 民法の未施行の改正:法令APIのリビジョン情報では、民法に2029年6月23日施行予定の版が登録されています(2026年6月24日公布の「民法等の一部を改正する法律」)。本記事は2026年9月13日時点で施行されている版の条文に基づいています。

e-Gov法令検索「利息制限法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000100/e-Gov法令検索「貸金業法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000040040(いずれも2026年9月13日確認)

9. 借りる前に見るのは、金額より先に「条件」

ここまで条文だけで並べると、確認する順番は自然に決まります。契約前の書面を受け取ったら、金額と利率の行だけでなく、規則第12条の2第1項第1号チにあたる期限の利益の喪失の定めの行と、同号トの期限前の返済の可否の行を読む。担保を出すなら担保の内容の行も合わせて読む。条文がその3つを別々の記載事項として並べているのは、性質の違う条件だからです。

本記事の結論は、条文の位置を示すところまでです。どの行に何が書かれているかが分かれば、契約前の書面のその行を読むことができます。判断そのものは、交付された書面の記載と個別の事情によります。

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よくある質問

期限の利益の喪失は、法律だけで起きるのですか?

民法第137条が定めているのは3つの場合です(第1号 破産手続開始の決定を受けたとき、第2号 担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき、第3号 担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき)。それ以外は、貸金業法施行規則第13条第1項第1号ヌが「期限の利益の喪失の定めがあるときは、その旨及びその内容」と書いているとおり、契約に置かれた定めの問題になります(2026年9月13日確認)。

契約する前に、喪失の条件を確認できますか?

貸金業法第16条の2第1項は、貸金業者が「貸付けに係る契約(極度方式基本契約及び極度方式貸付けに係る契約を除く。)」を締結しようとする場合に「当該契約を締結するまでに」書面を交付しなければならないと定めており、その記載事項(同項第7号→施行規則第12条の2第1項第1号チ)に「期限の利益の喪失の定めがあるときは、その旨及びその内容」が含まれています。極度方式基本契約の場合は同規則第12条の2第2項第1号チです(2026年9月13日確認)。

何日くらい遅れると喪失するのですか?

日数や回数を定めた条文は、今回実査した民法・貸金業法・貸金業法施行規則のいずれにも見当たりませんでした(記載なし)。条文は「定めがあるときは、その旨及びその内容」を書面に記載させる形をとっており、具体的な条件は契約の定めの側に書かれます(2026年9月13日確認)。

期限の利益を主張できなくなった後の負担は、条文にどう書かれていますか?

民法第137条は「期限の利益を主張することができない」と定めるだけで、その先の効果は書かれていません。遅滞の責任の側は、民法第412条第1項が「債務の履行について確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した時から遅滞の責任を負う。」と定め、第419条第1項は金銭債務の損害賠償額を「債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。」としています。第419条第2項により、債権者は損害の証明を要しません。どちらの要件に当たるかは、契約書の「期限の利益の喪失の定め」の内容によります。上限の数値は遅延損害金の上限で扱っています(2026年9月13日確認)。

期限前に全額返すことはできますか?

民法第591条第2項は「借主は、返還の時期の定めの有無にかかわらず、いつでも返還をすることができる。」と定めています。ただし同条第3項は、期限前の返還により貸主が損害を受けたときは賠償を請求できると定めています。契約上の取扱いは、貸金業法施行規則第13条第1項第1号リ(契約時の書面)および第12条の2第1項第1号ト(契約前の書面)の記載事項として書面に書かれます(2026年9月13日確認)。


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最終更新:2026年9月13日/このページは公表されている一次情報(e-Gov法令検索の法令API=民法・貸金業法・貸金業法施行規則・利息制限法)のみを根拠に作成しています。条・項・号の帰属は取得した条文XMLの構造に基づいています。旧利息制限法第1条第1項の利率、喪失までの滞納日数、個別の契約書の条項の文言については確認できなかったため「記載なし」と明記し、推測で補っていません。本記事は法律上の助言ではなく、また特定の金融商品を推奨するものではありません。個別の契約については、交付される書面の記載をご確認ください。