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先に結論:カードローンなどの申込みで求められる「収入証明書」は、貸金業者が任意に決めているものではありません。貸金業法第13条第3項が「源泉徴収票その他の…内閣府令で定めるもの」の提出・提供を受ける義務を貸金業者に課し、その「内閣府令で定めるもの」の中身を貸金業法施行規則第10条の17第1項が書面の名前を挙げて列挙しています。列挙は源泉徴収票から年金通知書まで11種類、これに配偶者に係る書面が加わります。さらに同条第2項が「いつの期間のものか」を書面ごとに定めています。
この記事は、その列挙と要件を e-Gov法令検索の原文で確認し、金融庁・国税庁が公表している説明と突き合わせた記録です。どの書類を出せば審査の結果がどうなるかは扱いません。条文が定めているのは貸金業者が書面等の提出・提供を受ける義務であって、貸付けの可否ではないからです。確認できなかった項目は「記載なし」と書いています。
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1. 「収入証明書」は法令上「資力を明らかにする書面等」と呼ばれている
貸金業法第13条は「返済能力の調査」を定めた条文です。第1項で、貸金業者は貸付けの契約を締結しようとする場合に顧客等の収入又は収益その他の資力、信用、借入れの状況、返済計画その他の返済能力に関する事項を調査しなければならないと定めています。第2項は、個人である顧客等との貸付けの契約(極度方式貸付けに係る契約その他の内閣府令で定める貸付けの契約を除く)では、その調査に際して指定信用情報機関が保有する信用情報を使用しなければならないとしています。
そのうえで第3項が、一定の場合に個人顧客から「源泉徴収票その他の当該個人顧客の収入又は収益その他の資力を明らかにする事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録として内閣府令で定めるもの」の提出又は提供を受けなければならないと定めています。世間で「収入証明書」「年収を証明する書類」と呼ばれているものは、条文上はこの「資力を明らかにする書面等」です。第3項にはただし書があり、貸金業者が既にその書面等の提出・提供を受けている場合はこの限りでないとされています。
押さえておきたいのは、第13条第3項が向いている先が貸金業者だという点です。「提出を受けなければならない」のは貸金業者の義務であって、書類を出したことが貸付けの可否を決める規定ではありません。貸付けの可否の側を定めているのは別の条文です。第13条の2第1項は、第13条第1項の規定による調査により個人過剰貸付契約その他顧客等の返済能力を超える貸付けの契約と認められるときは、当該貸付けの契約を締結してはならないと定めており、この禁止の名宛人も貸金業者です。なお第4項は調査に関する記録の作成・保存を、第5項は極度方式基本契約の極度額を増額する場合にも前各項を準用することを定めています。
e-Gov法令検索「貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)」第13条・第13条の2第1項 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032(2026年9月5日確認)
2. 施行規則第10条の17第1項が名前を挙げている書面
「内閣府令で定めるもの」の中身は、貸金業法施行規則第10条の17第1項にあります。柱書は「次に掲げる書面又はその写し(当該書面に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。…)とする」と定めており、原本だけでなく「その写し」も条文の対象です。列挙は次のとおりです。
| 号 | 書面(条文の表記そのまま) |
|---|---|
| 一 | 源泉徴収票(法第13条第3項に規定する源泉徴収票をいう。) |
| 二 | 支払調書 |
| 三 | 給与の支払明細書 |
| 四 | 確定申告書 |
| 五 | 青色申告決算書 |
| 六 | 収支内訳書 |
| 七 | 納税通知書 |
| 七の二 | 納税証明書 |
| 八 | 所得証明書 |
| 九 | 年金証書 |
| 十 | 年金通知書 |
| 十一 | 個人顧客の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)に係る前各号に掲げるもの(適用される場面は第6節参照) |
読み落としやすいのは「七の二」が号として入っていることです。金融庁が利用者向けに公表している一覧(後述)は(1)〜(11)の連番で示すため、金融庁の付番と施行規則の号番号は一致しません。たとえば納税証明書は金融庁の一覧では(8)、施行規則では第七号の二です。
第1項にはただし書もあります。個人顧客の勤務先に変更があった場合その他その書面等が明らかにする資力に変更があったと認められる場合には、当該変更後の資力を明らかにするものに限るという内容です。転職直後の扱いは第6節でまとめます。
e-Gov法令検索「貸金業法施行規則(昭和五十八年大蔵省令第四十号)」第10条の17 https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000040040(2026年9月5日確認)
3. 「いつのものか」は第10条の17第2項が書面ごとに定めている
同じ書面でも、古いものでは要件を満たしません。施行規則第10条の17第2項が、書面の区分ごとに期間の要件を定めています。柱書は第1項第九号に掲げる書面(年金証書)と、第十一号のうち第九号に係るものを除くとしており、年金証書だけが期間の要件から明文で外れています。
| 第2項の号 | 対象になる書面 | 条文が定める要件 |
|---|---|---|
| 一 | 源泉徴収票・支払調書・年金通知書 | 一般的に発行される直近の期間に係るものであること |
| 二 | 給与の支払明細書 | 直近二月分以上のもの(第10条の22第2項第3号に掲げる方法により直近の年間の給与の金額を算出する場合にあっては、直近のもの)であること |
| 三 | 確定申告書・青色申告決算書・収支内訳書 | 通常提出される直近の期間(連続した期間における事業所得の金額を用いて基準額を算定する場合にあっては、当該直近の期間を含む連続した期間)に係るものであること |
| 四 | 納税通知書・納税証明書・所得証明書 | 一般的に発行される直近の期間(連続した期間における事業所得の金額を用いて基準額を算定する場合にあっては、当該直近の期間を含む連続した期間)に係るものであること |
| (対象外) | 年金証書 | 第2項の柱書で明文で除かれている(期間の要件の定めなし) |
第三号・第四号の括弧書きにある「連続した期間」は、事業所得の金額を複数年分使って基準額(年収の3分の1)を算定する場合の話です。金融庁も利用者向けの説明で「複数年分の事業所得を用いて年収を計算する場合には、その複数年分の書類が必要となります」と注記しています。確定申告をしている人が1年分だけでは足りない場面があるのは、この括弧書きが理由です。
e-Gov法令検索「貸金業法施行規則」第10条の17第2項 https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000040040/金融庁「貸金業法Q&A」A2-6 https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/qa.html(いずれも2026年9月5日確認)
4. 提出を求められるのはどんなときか(50万円超・100万円超)
貸金業法第13条第3項は、書面等の提出・提供を受ける場合を2つの号で区切っています。
| 号 | 条文が定める場合 | 合算するもの |
|---|---|---|
| 第1号 | 当該貸金業者合算額が五十万円を超える場合 | イ=当該貸付けの契約に係る貸付けの金額(極度方式基本契約は極度額。極度額を下回る額が提示される場合はその額)/ロ=同じ貸金業者と締結している他の貸付けに係る契約の残高の合計額 |
| 第2号 | 個人顧客合算額が百万円を超える場合(第1号に掲げる場合を除く) | イ=当該貸金業者合算額/ロ=指定信用情報機関から提供を受けた信用情報により判明した、他の貸金業者の貸付けの残高の合計額 |
金融庁も同じ線引きを利用者向けに書いており、この2つの「どちらかに当てはまれば『年収を証明する書類』の提出が必要となります。それ以外の借入れであれば、自己申告に基づき年収を確認することとなります」と説明しています。他社を含めた残高の把握には指定信用情報機関が使われます(→指定信用情報機関とは)。年収の3分の1という基準額そのものの条文は第13条の2第2項です(→総量規制とは、対象外の類型は総量規制の対象外となる借入れ)。
提出を求められる場面は、申込みのときだけではありません。第13条第5項は極度額を増額する場合に第13条第3項を準用します。また第13条の3第3項は、極度方式基本契約についての調査をしなければならない場合に極度方式個人顧客合算額が百万円を超えるときは、その調査に際して同じ書面等の提出・提供を受けなければならないと定めています。契約したあと、利用している途中で提出を求められることがあるのはこの条文が根拠です(いずれも、既に提出・提供を受けている場合を除くただし書があります)。
e-Gov法令検索「貸金業法」第13条第3項・第5項、第13条の2第2項、第13条の3第3項・第5項 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/金融庁「貸金業法Q&A」A2-5・A2-7 https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/qa.html(いずれも2026年9月5日確認)
5. 給与明細が「直近2か月分以上」である理由
第10条の17第2項第2号が給与の支払明細書について「直近二月分以上のもの」としているのは、年収の計算方法とセットになっているからです。年間の給与及びこれに類する定期的な収入の金額の算出方法は、施行規則第10条の22第2項が3つ挙げています。
| 号 | 算出方法(条文の要旨) |
|---|---|
| 第1号 | 第10条の17第1項に規定する書面等(給与の支払明細書に係るもの・配偶者に係るものを除く)を用いて算出する方法 |
| 第2号 | 給与の支払明細書に記載されている直近の二月分以上の給与(賞与を除く)の金額の一月当たりの平均金額に十二を乗じて算出する方法 |
| 第3号 | 第10条の17第1項に規定する書面等に記載されている地方税額を基に合理的に算出する方法 |
第2号の「2か月分以上の平均に12を乗じる」という計算をするために、第10条の17第2項第2号は給与明細を直近2か月分以上求めています。一方、地方税額から算出する第3号の方法をとる場合は「直近のもの」でよいと括弧書きで例外にしている——これが、金融庁の一覧で給与の支払明細書に「直近の2カ月分以上(地方税額の記載があれば1カ月分)のもの」と書かれている理由です。給与明細に住民税の欄があるかどうかで必要枚数が変わり得る、という実務上の差はここから来ています。
賞与の扱いも条文にあります。第10条の22第3項は、第2項第2号の方法で算出する場合に、書面等によって過去一年以内の賞与の金額を確認したときは、当該賞与の金額を年間の給与の金額に含めることができるとしています。「できる」と書かれている規定であり、含めなければならないとはされていません。
e-Gov法令検索「貸金業法施行規則」第10条の17第2項第2号、第10条の22第2項・第3項 https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000040040/金融庁「貸金業法Q&A」A2-6 https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/qa.html(いずれも2026年9月5日確認)
6. 転職したとき、配偶者の書面を使うとき
勤務先が変わった場合
第10条の17第1項のただし書は、勤務先に変更があった場合その他その書面等が明らかにする資力に変更があったと認められる場合には、変更後の資力を明らかにするものに限るとしています。前職の源泉徴収票は、この原則ではそのまま使えないことになります。
ただし同条第3項が例外を置いています。個人顧客が次の2つのいずれにも該当する場合には、第1項本文に規定する書面等(=変更前のもの)を用いることができる、という内容です。
- 変更後の勤務先が確認されていること(第3項第1号)
- 変更後の勤務先で二月分以上の給与の支払を受けていないこと(第3項第2号)
新しい勤務先の給与明細がまだ2か月分そろっていない時期に、前の勤務先の書面等が使える場面があるのは、この第3項が根拠です。第1項第十一号の配偶者に係る書面については、この判定を配偶者について行うと条文に書かれています。
配偶者に係る書面が使える場面
第1項第十一号は、配偶者に係る前各号の書面を挙げていますが、使える場面を「第10条の23第1項第3号に掲げる契約」に限定しています。第10条の23第1項第3号は、個人顧客の個人顧客合算額と配偶者に係る個人顧客合算額を合算した額が、両者の基準額を合算した額を超えない契約で、その契約を締結することについて配偶者の同意がある場合に限るものです。金融庁も利用者向けに、専業主婦・主夫の借入れについて「配偶者の同意を得て、借入れをすることができる場合があります。その際は、配偶者の年収を証明する書類、借入れについての配偶者の同意書などが必要となります」と説明しています。
e-Gov法令検索「貸金業法施行規則」第10条の17第1項ただし書・第3項、第10条の23第1項第3号 https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000040040/金融庁「貸金業法Q&A」A2-9 https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/qa.html(いずれも2026年9月5日確認)
7. 実査できた入手先と、確認できなかったもの
源泉徴収票(所得税法第226条)
源泉徴収票は、受け取る側が申請して取り寄せるものではなく、支払者に交付義務がある書面です。所得税法第226条第1項は、居住者に給与等の支払をする者は、その年に支払の確定した給与等について源泉徴収票二通を作成し、その年の翌年1月31日まで(年の中途で退職した居住者についてはその退職の日以後1月以内)に、一通を税務署長に提出し、他の一通を給与等の支払を受ける者に交付しなければならないと定めています。公的年金等についても第3項に同じ構造の定めがあります。
電子交付についても条文があります。第4項は、支払を受ける者の承諾を得て、記載すべき事項を電磁的方法により提供することができるとしつつ、ただし書で支払を受ける者の請求があるときは源泉徴収票を交付しなければならないとしています。手元に紙が無い場合でも、請求すれば書面の交付を受けられる建て付けです。
納税証明書(国税庁の手続)
施行規則第10条の17第1項第七号の二の「納税証明書」は、国税庁の交付請求手続で取得します。国税庁は納税証明書を4種類に分けて公表しており、所得金額の証明は「納税証明書(その2)」です。
| 種類 | 証明内容(国税庁の表記) |
|---|---|
| 納税証明書(その1) | 納付すべき税額、納付した税額及び未納税額等の証明 |
| 納税証明書(その2) | 所得金額の証明 |
| 納税証明書(その3) | 未納の税額がないことの証明 |
| 納税証明書(その4) | 証明を受けようとする期間に、滞納処分を受けたことがないことの証明 |
手数料も公表されています。オンラインでの交付請求は、その1・その2が「税目数 × 年度数 × 枚数 × 370円」、その3・その4が「枚数 × 370円」。書面での交付請求は、その1・その2が「税目数 × 年度数 × 枚数 × 400円」、その3・その4が「枚数 × 400円」です。電子納税証明書(電子ファイル)で受け取る場合は、1つの請求に対して1つの電子ファイルで発行されるため請求枚数は1枚になる、とも書かれています。窓口で受け取る場合の税務署の開庁時間は8時30分から17時までで、閉庁日(土・日曜日・祝日等)は受付を行っていません。
確認できなかったもの(記載なし)
- 所得証明書(第1項第八号)の発行元・手数料を全国一律で定めた記載は、当サイトが実査した一次情報の範囲では確認できませんでした(記載なし)。
- 年金証書・年金通知書(第1項第九号・第十号)の入手方法や再交付の手続は、実査した公的サイトのページが取得できず(HTTP 404)、確認できていません(記載なし)。
- 各社が実際に受け付ける書類の種類・提出方法・提出期限は、法令ではなく各社が定める運用です。当サイトでは各社の表記を実査していないため扱いません(手数料・スピード・金利と同じく、各社サイトの表記でご確認ください)。
e-Gov法令検索「所得税法(昭和四十年法律第三十三号)」第226条 https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033/国税庁「G-1 納税証明書の交付請求手続」 https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nozei-shomei/01.htm(いずれも2026年9月5日確認)
8. 金融庁が利用者向けに書いていること
金融庁は「貸金業法のキホン」で、借入れの際には基本的に「年収を証明する書類」が要るとしたうえで、その例として源泉徴収票や給与明細を挙げ、「この『年収を証明する書類』を提出しないと、借りられなくなる場合があるので、注意してください」と書いています。「貸金業法Q&A」でも、書類を提出しない場合について「個々の貸金業者の判断で、借入枠(キャッシング枠)が減額される場合があります」としています。いずれも「場合があります」という書き方で、結果を断定するものではありません。
もう一点、金融庁が明記しているのは適用範囲です。総量規制が適用されるのは貸金業者から個人が借入れを行う場合であり、銀行からの借入れや法人名義での借入れは対象外だとしています。銀行のカードローンは貸金業法ではなく銀行法の枠組みで、根拠になる法律が違います(→銀行カードローンと貸金業者の違い)。個人事業主が事業資金として借りる場合の扱いは別の条文になります(→個人事業主の借入れと総量規制)。
書類をそろえる前に確かめる順番もあります。相手が登録を受けた貸金業者かどうかです。無登録の相手に収入証明書を渡す事態を避けるため、申込み前に金融庁の登録貸金業者情報検索サービスで照合してください(→貸金業者の登録を確認する手順、当サイトの登録番号チェッカー)。契約の内容は、契約締結前・契約締結時に交付される書面で確認します(→貸付契約の書面)。
金融庁「貸金業法のキホン」 https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/kihon.html/金融庁「貸金業法Q&A」A2-8 https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/qa.html(いずれも2026年9月5日確認)
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よくある質問
収入証明書として使える書類は、法令にいくつ挙げられていますか?
貸金業法施行規則第10条の17第1項は、源泉徴収票・支払調書・給与の支払明細書・確定申告書・青色申告決算書・収支内訳書・納税通知書・納税証明書・所得証明書・年金証書・年金通知書の11種類を書面の名前で挙げ、第十一号でこれらの配偶者に係るものを加えています(2026年9月5日にe-Gov法令検索で確認)。柱書は「次に掲げる書面又はその写し」と定めており、電磁的記録が作成されている場合はその電磁的記録も含むとされています。
給与明細は何か月分そろえればよいのですか?
施行規則第10条の17第2項第2号は、給与の支払明細書について「直近二月分以上のもの」と定め、括弧書きで、第10条の22第2項第3号の方法(地方税額を基に合理的に算出する方法)により直近の年間の給与の金額を算出する場合は「直近のもの」としています。金融庁の一覧も「直近の2カ月分以上(地方税額の記載があれば1カ月分)のもの」と説明しています(いずれも2026年9月5日確認)。実際に何か月分を求めるかは各社の運用によります。
いくら借りるときに提出を求められますか?
貸金業法第13条第3項は、①その貸金業者での合算額(当該貸金業者合算額)が五十万円を超える場合、②他の貸金業者の残高も含めた合算額(個人顧客合算額)が百万円を超える場合の2つを挙げています。金融庁も同じ2つを示し、「それ以外の借入れであれば、自己申告に基づき年収を確認することとなります」と説明しています。また第13条第5項により極度額を増額する場合にも準用され、第13条の3第3項は極度方式個人顧客合算額が百万円を超えるときの調査の場面を定めています(2026年9月5日確認)。
転職したばかりで、新しい勤務先の給与明細が2か月分ありません。
施行規則第10条の17第1項ただし書は、勤務先に変更があった場合その他資力に変更があったと認められる場合は変更後の資力を明らかにするものに限るとしていますが、同条第3項は、変更後の勤務先が確認されていることと変更後の勤務先で二月分以上の給与の支払を受けていないことのいずれにも該当する場合には、第1項本文に規定する書面等を用いることができるとしています(2026年9月5日にe-Gov法令検索で確認)。どの書面を受け付けるかの判断そのものは各社が行います。
書類を出せば借りられるのですか?
条文が定めているのは、貸金業者が調査に際して書面等の提出又は提供を受ける義務(貸金業法第13条第3項)と、返済能力を超える貸付けの契約を締結してはならないという禁止(同法第13条の2第1項)です。書類の提出が貸付けの可否を決めると定めた規定は、実査した条文の範囲にはありません(記載なし)。金融庁も、書類を提出しない場合について「借りられなくなる場合がある」「借入枠が減額される場合がある」という書き方をしています(2026年9月5日確認)。
出典(本記事の主要な一次情報):e-Gov法令検索「貸金業法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032/e-Gov法令検索「貸金業法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000040040/e-Gov法令検索「所得税法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033/金融庁「貸金業法Q&A」 https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/qa.html/金融庁「貸金業法のキホン」 https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/kihon.html/国税庁「G-1 納税証明書の交付請求手続」 https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nozei-shomei/01.htm(いずれも2026年9月5日確認)
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